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第54話
しおりを挟むあれから1ヶ月が経った。
相変わらず二海は何かにつけて文句を言われ、私がこれに怒って言い返す事の繰り返し。
さすがに飽きるだろうと思っていたボトルの文句さえ一言一句そのまんま“不味い”と言い放っていた。
“俺可哀想”とか言っていたが、実際は言われている私の方が可哀想だと思うんだけど。
「1週間後に中間テストがあるからなー、みんな勉強しろよー」
そんなことを考えながら席に座っていると、先生が中間テストがあると告げられる。
もうそんな時期か・・・早いな。
まぁ、5月も中旬入ったしそろそろだとは思ってたけど。
「どーせ、お前はビリから数えた方が早いんだろ、猪突猛進バカ」
声のトーンを抑え目にして私に声をかけてくる二海。
どうやら、私の成績は悪いと思っているようだ。
残念ながら私は理系の成績は悪くない、むしろ好成績だ。
・・・文系はおざなりだけど・・・。
「失礼ね、上から数えても下から数えても同じぐらいの順位ですぅ」
「つくならもっとまともな嘘つけよ。見た目から馬鹿さ加減がにじみでてんのに中間位なわけねーだろ」
「はぁ!?嘘なんてついてないし!」
ホームルーム中ということも気にせず大きな声で反論する。
するとクラス中の視線が一気に私に集まり、思わず視線を下げた。
うわぁ~・・・最悪・・・前にもこんなことになってたのに学習しないな私・・・!!
「大声出すなっつーの、だからお前はバカなんだよ」
くすくす、と笑いを堪えながら声をひそめる二海。
クソ~・・・私が大声出すことになった理由コイツなのに・・・!!
「うるさいわね・・・!ミジンコの分類さえ分からなかった二海に負けるわけないでしょ・・・!」
前にミジンコのことを単細胞生物だと言っていた二海・・・本当のところは、ミジンコは多細胞生物だ。
文系は・・・ちょっと厳しいかもしれないけど、理系でなら絶対に勝てる。
「じゃあ勝負しようぜ、次の中間テストで順位高かった方が勝ちな」
「受けて立とうじゃない・・・!絶対負けないから・・・!」
二海との間で決まった対決、絶対に負けたくない。
というか負けられない。
だって、これで負けたら100%“俺より低脳なおバカさーん”とかって見下される!
それだけは絶対に回避しなきゃ・・・!
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