20 / 21
この国の真実
しおりを挟む
「この国がどうやってなりたっているかシャーロットは知っているな」
「もちろんです。王家を中心に、王家を盛り立てるように貴族が動いています」
「そうです、だからエリザ・・・いやリンバロスト子爵はシャーロットの実家の侯爵家の危機を喜んで救わねばならないのです。それを・・・こいつは・・・」
王太子殿下の言葉の最後の部分を聞いて国王陛下は頭をかかえた。
「いや、いい。続けよう」
「そうだな、他国からはこう言われているな。忠実な四公爵家が英明な王室を支えていると」
「そうです」と王太子がわたしを見た。
「英明な王室・・・・・」と国王は呟くとうなだれた。
「立国以来、王室は途切れることなく続いている。我ら王室の先祖が立国の英雄、ギルベルド・ワイストーヌで連綿と血を受け継いでいる。そう思われているが違うんだ。わたしの祖父は四公爵家のどこかから、王家に養子に入っている。そして王太子になり、父が生まれた。同じようなことが何度かこの王室に起こっている。
養子の件は秘密でもなんでもないぞ。公式に発表されたし記録も残っている。
おまえは廃嫡され、四公爵のどこかから養子をとりそれが王家を継ぐ」
「なぜですか?わたしがなぜ廃嫡?」
「シャーロットは王太子妃としてふさわしいか?実家は?それに夫人の連れ子だ。血は引いているかも知れない、だが生まれたとき夫人は結婚していない」
「それは・・・・努力で・・・・」
「おまえは愚かだった。そちらのリンバロスト子爵は公爵家の血筋、能力も傑出していた。それを侯爵家というより侯爵夫人の実家が貶めた。それと侯爵夫人の泥棒行為。詐欺師の執事におまえが保証をしてしまった」
「それは・・・・」
「金で済むならいくらでも払う。だがな名誉は回復しない。もともと侯爵夫人は社交界のおもちゃ扱いと言うか・・・・・だが、リンバロスト子爵と血が繋がっていないから関係なかったが・・・・あの母親をお茶会に呼ぶ目的は道化として楽しむ事だったからな」
「なんですってお母様をそんな扱いしていたとは・・・」
「シャーロット、気がつかない君も・・・」
「シャーロットとの婚約を祝う夜会を覚えているかい・・・あの時点でわたしは覚悟をした・・・・」
「どうして、さきに教えてくれなかったのですか?」
「気付いた時は手遅れだった。リンバロスト子爵に執務の大半を任せた王太子と王妃、宰相はわたしに警告をしてきたけど・・・・・わたしは甘く見ていたんだ。王太子妃が無能でも文官が補うからな、王妃の仕事はほとんど文官がやっている。だが、名誉はそうはいかない。王妃の実家に難はない。だが、シャーロットの実家は侯爵も夫人も・・・・夫人はあの緑の石の件がある・・・・侯爵夫人の実家は目も当てられない状態だ。デザインを盗むとは・・・・侯爵があとを継いだのもね」
「お父様がなにを・・・」とシャーロットが気色ばめば
「侯爵はスペアとしても教育も受けてない、正直優秀な養子が継ぐと安心しているときに君のお父さんが放浪から戻って後継に収まってな・・・・けっこう周囲はがっかりしたんだよ・・・・まぁ君のうちのことはどうでもいい・・・・公爵閣下あとの算段はついているんだよな」
「もちろんだ」
話が終わるとわたしたちは王宮を辞したが、不思議と帰りは誰にも会わなかった。
「もちろんです。王家を中心に、王家を盛り立てるように貴族が動いています」
「そうです、だからエリザ・・・いやリンバロスト子爵はシャーロットの実家の侯爵家の危機を喜んで救わねばならないのです。それを・・・こいつは・・・」
王太子殿下の言葉の最後の部分を聞いて国王陛下は頭をかかえた。
「いや、いい。続けよう」
「そうだな、他国からはこう言われているな。忠実な四公爵家が英明な王室を支えていると」
「そうです」と王太子がわたしを見た。
「英明な王室・・・・・」と国王は呟くとうなだれた。
「立国以来、王室は途切れることなく続いている。我ら王室の先祖が立国の英雄、ギルベルド・ワイストーヌで連綿と血を受け継いでいる。そう思われているが違うんだ。わたしの祖父は四公爵家のどこかから、王家に養子に入っている。そして王太子になり、父が生まれた。同じようなことが何度かこの王室に起こっている。
養子の件は秘密でもなんでもないぞ。公式に発表されたし記録も残っている。
おまえは廃嫡され、四公爵のどこかから養子をとりそれが王家を継ぐ」
「なぜですか?わたしがなぜ廃嫡?」
「シャーロットは王太子妃としてふさわしいか?実家は?それに夫人の連れ子だ。血は引いているかも知れない、だが生まれたとき夫人は結婚していない」
「それは・・・・努力で・・・・」
「おまえは愚かだった。そちらのリンバロスト子爵は公爵家の血筋、能力も傑出していた。それを侯爵家というより侯爵夫人の実家が貶めた。それと侯爵夫人の泥棒行為。詐欺師の執事におまえが保証をしてしまった」
「それは・・・・」
「金で済むならいくらでも払う。だがな名誉は回復しない。もともと侯爵夫人は社交界のおもちゃ扱いと言うか・・・・・だが、リンバロスト子爵と血が繋がっていないから関係なかったが・・・・あの母親をお茶会に呼ぶ目的は道化として楽しむ事だったからな」
「なんですってお母様をそんな扱いしていたとは・・・」
「シャーロット、気がつかない君も・・・」
「シャーロットとの婚約を祝う夜会を覚えているかい・・・あの時点でわたしは覚悟をした・・・・」
「どうして、さきに教えてくれなかったのですか?」
「気付いた時は手遅れだった。リンバロスト子爵に執務の大半を任せた王太子と王妃、宰相はわたしに警告をしてきたけど・・・・・わたしは甘く見ていたんだ。王太子妃が無能でも文官が補うからな、王妃の仕事はほとんど文官がやっている。だが、名誉はそうはいかない。王妃の実家に難はない。だが、シャーロットの実家は侯爵も夫人も・・・・夫人はあの緑の石の件がある・・・・侯爵夫人の実家は目も当てられない状態だ。デザインを盗むとは・・・・侯爵があとを継いだのもね」
「お父様がなにを・・・」とシャーロットが気色ばめば
「侯爵はスペアとしても教育も受けてない、正直優秀な養子が継ぐと安心しているときに君のお父さんが放浪から戻って後継に収まってな・・・・けっこう周囲はがっかりしたんだよ・・・・まぁ君のうちのことはどうでもいい・・・・公爵閣下あとの算段はついているんだよな」
「もちろんだ」
話が終わるとわたしたちは王宮を辞したが、不思議と帰りは誰にも会わなかった。
284
お気に入りに追加
443
あなたにおすすめの小説
この度、皆さんの予想通り婚約者候補から外れることになりました。ですが、すぐに結婚することになりました。
鶯埜 餡
恋愛
ある事件のせいでいろいろ言われながらも国王夫妻の働きかけで王太子の婚約者候補となったシャルロッテ。
しかし当の王太子ルドウィックはアリアナという男爵令嬢にべったり。噂好きな貴族たちはシャルロッテに婚約者候補から外れるのではないかと言っていたが
政略より愛を選んだ結婚。~後悔は十年後にやってきた。~
つくも茄子
恋愛
幼い頃からの婚約者であった侯爵令嬢との婚約を解消して、学生時代からの恋人と結婚した王太子殿下。
政略よりも愛を選んだ生活は思っていたのとは違っていた。「お幸せに」と微笑んだ元婚約者。結婚によって去っていた側近達。愛する妻の妃教育がままならない中での出産。世継ぎの王子の誕生を望んだものの産まれたのは王女だった。妻に瓜二つの娘は可愛い。無邪気な娘は欲望のままに動く。断罪の時、全てが明らかになった。王太子の思い描いていた未来は元から無かったものだった。後悔は続く。どこから間違っていたのか。
他サイトにも公開中。
[完結]本当にバカね
シマ
恋愛
私には幼い頃から婚約者がいる。
この国の子供は貴族、平民問わず試験に合格すれば通えるサラタル学園がある。
貴族は落ちたら恥とまで言われる学園で出会った平民と恋に落ちた婚約者。
入婿の貴方が私を見下すとは良い度胸ね。
私を敵に回したら、どうなるか分からせてあげる。
【完結】忘れてください
仲 奈華 (nakanaka)
恋愛
愛していた。
貴方はそうでないと知りながら、私は貴方だけを愛していた。
夫の恋人に子供ができたと教えられても、私は貴方との未来を信じていたのに。
貴方から離婚届を渡されて、私の心は粉々に砕け散った。
もういいの。
私は貴方を解放する覚悟を決めた。
貴方が気づいていない小さな鼓動を守りながら、ここを離れます。
私の事は忘れてください。
※6月26日初回完結
7月12日2回目完結しました。
お読みいただきありがとうございます。
過去に戻った筈の王
基本二度寝
恋愛
王太子は後悔した。
婚約者に婚約破棄を突きつけ、子爵令嬢と結ばれた。
しかし、甘い恋人の時間は終わる。
子爵令嬢は妃という重圧に耐えられなかった。
彼女だったなら、こうはならなかった。
婚約者と結婚し、子爵令嬢を側妃にしていれば。
後悔の日々だった。
[完結]婚約破棄してください。そして私にもう関わらないで
みちこ
恋愛
妹ばかり溺愛する両親、妹は思い通りにならないと泣いて私の事を責める
婚約者も妹の味方、そんな私の味方になってくれる人はお兄様と伯父さんと伯母さんとお祖父様とお祖母様
私を愛してくれる人の為にももう自由になります
婚約破棄とか言って早々に私の荷物をまとめて実家に送りつけているけど、その中にあなたが明日国王に謁見する時に必要な書類も混じっているのですが
マリー
恋愛
寝食を忘れるほど研究にのめり込む婚約者に惹かれてかいがいしく食事の準備や仕事の手伝いをしていたのに、ある日帰ったら「母親みたいに世話を焼いてくるお前にはうんざりだ!荷物をまとめておいてやったから明日の朝一番で出て行け!」ですって?
まあ、癇癪を起こすのはいいですけれど(よくはない)あなたがまとめてうちの実家に郵送したっていうその荷物の中、送っちゃいけないもの入ってましたよ?
※またも小説の練習で書いてみました。よろしくお願いします。
※すみません、婚約破棄タグを使っていましたが、書いてるうちに内容にそぐわないことに気づいたのでちょっと変えました。果たして婚約破棄するのかしないのか?を楽しんでいただく話になりそうです。正当派の婚約破棄ものにはならないと思います。期待して読んでくださった方申し訳ございません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる