ある王国の王室の物語

朝山みどり

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王太子の婚約を祝う夜会とリンバロスト領

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王太子の婚約が発表された。お祝いの夜会が開催される。

キャラウェイ夫人がやって来た。王都で人気でそして最高にお高いドレスを作る人だ。ちゃんと助手も来ていた。

わたしが公爵家に来てすぐに普段着と外出着を作ってもらったのもこの人だ。

侯爵家で着ていた服は一目見た侍女によって捨てられた。教会に寄付すればというわたしの意見は却下された。なんでも公爵家にこんなものがあったというだけで恥だそうだ。

「次は夜会用のドレスをお作りしますから」と帰って行ったキャラウェイ夫人は今回、デザイン画と服地、レース、リボンなどと共にやって来ると

「あの時からずっと心づもりしておりました。全力で仕上げますわ」

とわたしではなく侍女長に力強く言ったのだ。

わたしの意見はやさしく無視され、三着のドレスが出来上がった。

それぞれに装身具が用意された。

「いいんですよ、公爵様を喜ばせてあげて下さい。大丈夫ですよ。公爵家がまわり持ちで夜会を開きますから・・・・出番はありますからね」


根が庶民のわたしの不安を消してくれた。

夜会のエスコートはアンドリューだ。

彼は公爵家の一員になってすぐに公爵に紹介された遠縁の青年、お出かけのお供兼護衛だ。


アンドリューはとびっきりのハンサムで一族公認の同性の恋人がいる。それで便利なエスコート役というわけだ。


そうだ、あれから二度ほど王宮から執務の手伝いをしてくれないかと連絡が来たが公爵がきっちり断ってくれた。



領地に関しては一度見学に行ってきた。

思ったより王都に近くて公爵家から馬車で三時間弱だった。おおきな湖のまわりに家があり、そのまわりに農地が広がっていた。

王都の野菜や果物はここから運ばれているそうだ。

湖のまわりをゆっくりと走りながら思いついた。ここで商売しようって

だって王都に近い。日帰りで観光できる。ターゲットは裕福な平民。貴族扱いすれば喜びそう。町並みは白銀湖の世界観で・・・・

衣装もなんちゃって中華とか日本とかで・・・なんか止まらない・・・・

いやー結婚なんかしてる場合じゃないよね。



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