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どうしてここにいるの? 

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さて、公爵家の居候期間は拍子抜けするほど短かった。だけど衣はなかったけど、食住は確保できたから、お礼と思って、色を変えたお花を少し置いて行く事にした。

机に一応お礼状と一緒に色を変えた花を置いて、公爵家を出た。


「やぁ、本当に来たんだ」と笑う団長に

「勿論です。よろしくお願いします」と言いながら、手に持った枝から花びらを出して見せた。

「いいね、上達したじゃないか」

「えぇ、練習しました」と答えると

「そいつらと同じ馬車に乗ってくれ」と言われた先にいたのは、親子?二人だった。

「アリスです。よろしくです」と頭を下げると

「マールよ」と同じ年頃の女の子が笑った。

「マールの親のデメテルよ。主に食事作りをやってるのよ」と自分の腕を叩いて笑った。

「お手伝いしますね」ともう一度頭を下げた。


そこに

「いたいた。アリス挨拶もないって冷たいなぁ」と大声がした。

そこには、例の御一行がうさんくさい笑いを浮かべて立っていた。

「ちょっとアリスと話したいので出発を待ってもらっていいですか?」と言いながら、ジェフがなにやら団長渡している。



食べ物で釣ったな。

「おぉ、少しだけな。遅くなると物騒だからな」と団長は包みを受け取りながら、わたしにウインクをした。




少し離れたベンチに座った彼らに

「お世話になりましたが、ひとりで生きていく為に」と言った所で

「時間がないんだ。しらじらしい挨拶は抜きで」とハリーが言うと

「つまり、君が謎なんだ。だから気になって、あれこれ考えるより本人に聞くと早い。言葉使いの改めなくていいよ。さっき楽しそうに話していたあの感じで」とジェフが少し乗り出しながら言うのを聞いて

誤魔化すよりほんとの事を言うことにした。もちろん一部だけど・・・・

「えーーーとですね。わたし死にかけたと思うんですよ。ろくにご飯も食べられない。使用人より悪いものを食べてました。いえ、食べてないですね。それでなんだか夢を見たんですよ。夢のなかでわたしはお姫様で、きらきらした服を着てご馳走を食べて踊ってました。みんな笑って、わたしのことをちやほやして・・・・いい夢でしょ。

で、目が覚めたら現実でした。おなかがすいて・・・・それでこのままだと飢え死にすると思いました。

学院の食堂はお金がなくても食べられるのに、わたし、嫌がらせされていて怖くて行けなくて・・・・お腹が空いていたけど・・・・思ったんですよ。わたしが飢え死にしても誰も気にしないし、いじめが怖くて食堂に行けなくて死んだって夢にも思わないって。それで思い切って食堂に行ったんですよ。変なのがでたけどちょっと魔法を使うだけで、撃退できたので、あれって?だって無能なわたしより弱いんですよ。馬鹿馬鹿しくなりました。もういいかなって学院とか家とか、それで場所を変えます」と肩をすくめて首を傾げた。

「なるほど」とハリーがうなづいたので

「それでは失礼します」

「「待て」」「まだだ」と返って来た。

「まだ聞きたい事がある。夜会の事だ」とハリーがわたしを横目で見ながら言うと、他もうなづいた。



「夜会ですか?そうですね。誘われた時嬉しかったですよ。夜会出たことないし、あの夢の中に行けるって」

とわたしはため息まじりに話を続けた。


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