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39 後宮の閉鎖
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王妃の姿を見てサリナは驚いた。
「あっ皆さんは?その、その方は」それを聞いてバージルは金髪、金目に戻った。
「これでわかるだろう」とサリナに向かってバージルが言った。ふんと鼻を鳴らしたような?
「皆さんて誰のことを言ってるの?」と王妃が可笑しそうに言うと
「そ、それは」
「どうでもいいわ。下女と侍女と集めて」
「はい」
集まって来た女たちに向かって王妃は
「ここは閉鎖します。第二妃と第三妃は、謀反と起こしましたが、既に取り押さえています」
「えーー?謀反?」
「謀反とか!どうして」
「そんなーーー」
騒ぎが治まるのを待って王妃は
「あなたがた下女は、すぐに荷物を纏めて出て行きなさい。出る時に荷物を検査致します。これはあなたたちのためです。盗みをしたと疑われたくないでしょうから。第二妃、第三妃の侍女をしていた者とサリナはこちらに。話をして貰います」
「あの・・・この前まで侍女をしていました」
「今は下女です。さっさとなさい」
女たちが、なにやら言いながら、去って行った頃、パメラの元で励んでいた侍女見習いとパメラがやって来た。
「王妃殿下。信頼できる者たちでございます」とパメラは彼女たちを紹介した。
「そう、今後ともよろしく。さっそく下女の監督に行って下さい。身を慎しむよう伝えて下さい」
「はい、承りました」と彼女たちは散って行った。
すると、離れた所から様子を窺っていた女が近づいて来た。バージルは動かず女をちらっと見るとわずかに口元を歪めた。
「王妃殿下。わたくしカトレアです。覚えてますか?カトレア・アルトナーです。従姉妹です」
「アルトナー子爵ゆかりの者ですね。覚えてますわ。確か母の弟の娘ですね。母の兄が当主としてお祝いして弟であるあなたのお父様も。エミリアがガーデナーの後継になると平気で発表されたあの日、しれっとお祝いしてましたね。エミリアを・・・自分の姉妹の娘が不当に後継をはずされ、本来受け取るべきものをすべて奪われるのを祝ってましたね。あなたもエミリアにおめでとうと言ってましたね。よく覚えていますよ。わたくし、なによりやりたいのは、実家と母の実家への復讐ですわ。門の前で怒鳴ってやりましょうかね。幼稚でばかばかしくて、みっともない行為。すごく楽しいでしょうね」
「あ、あの王妃殿下・・・失礼します」とカトレアは走って行った。
「なかなか、いいことを言いましたね。殿下」とパメラが言った。
「そうお?叱られると思った」
「たまには良いですよ。ジュディ様」とパメラが笑うとバージルも笑った。
「あぁどうして、せっかく後宮の侍女に成れたのに追い出されるなんて、第二妃様はどうしたのかしら」
「エミリーのせいよ」
「そうよね。エミリーがおかしなことを言い出したから、わたしたち変なことになったのよ」
「なんでわたしのせいなの。みんな喜んでたでしょうに」
「家族ががっかりするわ。お給金で助かっていたのに」
「皆さん、準備できてますか?口を閉じて手を動かして」と声がかかった。
「あんた・・・うまくやったわね」
「そうかも知れませんね。忠誠を尽くす相手を間違えなかった。それだけです」と答えるのを聞いて
「そうよね。考えが足りなかった?だけど・・・」
「なんだか、王妃殿下について行くのが正解だと感じたの」と侍女見習いは答えると
「急いで、遅れてますよ」と下女たちに声をかけた。
「あっ皆さんは?その、その方は」それを聞いてバージルは金髪、金目に戻った。
「これでわかるだろう」とサリナに向かってバージルが言った。ふんと鼻を鳴らしたような?
「皆さんて誰のことを言ってるの?」と王妃が可笑しそうに言うと
「そ、それは」
「どうでもいいわ。下女と侍女と集めて」
「はい」
集まって来た女たちに向かって王妃は
「ここは閉鎖します。第二妃と第三妃は、謀反と起こしましたが、既に取り押さえています」
「えーー?謀反?」
「謀反とか!どうして」
「そんなーーー」
騒ぎが治まるのを待って王妃は
「あなたがた下女は、すぐに荷物を纏めて出て行きなさい。出る時に荷物を検査致します。これはあなたたちのためです。盗みをしたと疑われたくないでしょうから。第二妃、第三妃の侍女をしていた者とサリナはこちらに。話をして貰います」
「あの・・・この前まで侍女をしていました」
「今は下女です。さっさとなさい」
女たちが、なにやら言いながら、去って行った頃、パメラの元で励んでいた侍女見習いとパメラがやって来た。
「王妃殿下。信頼できる者たちでございます」とパメラは彼女たちを紹介した。
「そう、今後ともよろしく。さっそく下女の監督に行って下さい。身を慎しむよう伝えて下さい」
「はい、承りました」と彼女たちは散って行った。
すると、離れた所から様子を窺っていた女が近づいて来た。バージルは動かず女をちらっと見るとわずかに口元を歪めた。
「王妃殿下。わたくしカトレアです。覚えてますか?カトレア・アルトナーです。従姉妹です」
「アルトナー子爵ゆかりの者ですね。覚えてますわ。確か母の弟の娘ですね。母の兄が当主としてお祝いして弟であるあなたのお父様も。エミリアがガーデナーの後継になると平気で発表されたあの日、しれっとお祝いしてましたね。エミリアを・・・自分の姉妹の娘が不当に後継をはずされ、本来受け取るべきものをすべて奪われるのを祝ってましたね。あなたもエミリアにおめでとうと言ってましたね。よく覚えていますよ。わたくし、なによりやりたいのは、実家と母の実家への復讐ですわ。門の前で怒鳴ってやりましょうかね。幼稚でばかばかしくて、みっともない行為。すごく楽しいでしょうね」
「あ、あの王妃殿下・・・失礼します」とカトレアは走って行った。
「なかなか、いいことを言いましたね。殿下」とパメラが言った。
「そうお?叱られると思った」
「たまには良いですよ。ジュディ様」とパメラが笑うとバージルも笑った。
「あぁどうして、せっかく後宮の侍女に成れたのに追い出されるなんて、第二妃様はどうしたのかしら」
「エミリーのせいよ」
「そうよね。エミリーがおかしなことを言い出したから、わたしたち変なことになったのよ」
「なんでわたしのせいなの。みんな喜んでたでしょうに」
「家族ががっかりするわ。お給金で助かっていたのに」
「皆さん、準備できてますか?口を閉じて手を動かして」と声がかかった。
「あんた・・・うまくやったわね」
「そうかも知れませんね。忠誠を尽くす相手を間違えなかった。それだけです」と答えるのを聞いて
「そうよね。考えが足りなかった?だけど・・・」
「なんだか、王妃殿下について行くのが正解だと感じたの」と侍女見習いは答えると
「急いで、遅れてますよ」と下女たちに声をかけた。
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