42 / 56
38 入団式
しおりを挟む
今日は入団式だ。わたしでも武官として騎士団に入団する。
新しい制服を着ると気分がしゃきっとする。実はこれは二枚目だ。一枚目はコリンの研究室や、フィリーの畑で仕事をしていたら、貫禄が付いてしまったのだ。薬品のシミとか生地が薄くなったり、泥汚れを落とそうとしてたら、なんか変になって・・・
それでブルース様がもう一枚作ってくれて、研究用と普段用と使い分けるように言われた。
今日は普段用だ。期待の新人魔法士様だよーーー
新入団の所には、ロバート様。騎士団長の息子のフェルナンド様。去年、二位だった人など、わたしが手出しした人たちもいた。入団していたんだ。良かったぁ。
そういう若い人の他にちょっと年上の人も並んでいた。後で聞くと騎士団の予備員として活動して来た人だそうだ。
正式に採用されたんだ。おめでとうですね。
それと魔法士見習いで五人採用されたそうだ。ブルース様も見習いを経験しているそうだから、この五人から将来の部長が出る可能性もあるってことね。
ロバート様には、こちらから挨拶をした。いつもしていたもの・・・平気よ。
「おはようございます。ロバート様」
「おはようございます。リリー様」
するとフェルナンド様が
「固いぞ、みんな同僚だ。様はいらないぞ」と言った。
そしてすぐに
「おはよう、ロバート。おはよう、リリー」と大きな声で続けた。
「おはよう、リリー。チャーリーだ」と言われて返事を返す前に
「チャーリー。おはよう。フェルナンドだ」
と賑やかに自己紹介が始まった。
そこに
「新人、並べ」と声がかかった。
その瞬間、わたし以外はさっと動いて綺麗な列が出来た。
フェルナンドに
「リリーはここ」と教えて貰ってそこに立った。
入団式はすぐに終わった。
「新人で一緒に夕食を食べよう。食堂に集合だ。時間は適当で」とフェルナンドが言うと
「了解だ」「食堂で」とか返事があった。騎士団っぽい。
わたしも真似して
「了解です」と言った。
さぁコリンの所で実験の続きだ。っとその前に制服を着替えないと。
わたしは、どうすれば空を飛べるか?どうやって飛ぶかについては、本を読んで知識を増やしている。
でも、納得できないのよね。剣を振り回すのは誰でも出来る。でも騎士団に入れるまで力を伸ばせるのは少数だが、実在する。
飛ぶことに関しては、跳べるものが、頑張って飛べるものになるとは思えない。だから、本は途中で読むのをやめた。
でも、飛べる乗り物を作るのは行けそうだと思う。地上を移動するのだって、馬車に乗るし・・・
その検証のための環境を作るのが、わたしは上手いのだ。それがわたしの手伝いだ。
風を下から吹き上げさせたり、火力を押さえた火を作ったり。
今は物を燃やさない火を作る練習をしている。
あぁ、早く空に行ってみたい。
今日は、誘われていた騎士団の訓練を見に行った。手が空いている魔法士も一緒だ。そうだね。同じ騎士団に所属しているのだ。
女性は少ないが、彼女たちはとても格好良い。見習い魔法士も混じって訓練をしている。
こうして見ると杖もいろいろだ。エリザ様はあの杖をどうしただろう。あれくらい大きいと杖も武器になりそう。
普段は杖を腰にさげているのか、なるほど、短鞭は下げていたけど杖はポーチに入れていたし、競技会では、みんな最初から手に持っていたから気がつかなかったな。
ペン軸を下げても様にならないけど。
打ち合いを見て思った。あれって痛くなければ、ずっと打ち合えるの? いや、その時、痛くても自分で「飛んでけ」ってやると、有利に戦えるのでは?治すのは大変でも、痛みをとれば・・・
つい、ロバートを目で追ってしまう。多分、一番弱い。予備員程度?いい気味って思うし気の毒にって思う。そして関係ない人だ。
ちょうど、フェルナンドがいたから質問した。
「回復とかやってる?」と聞くと不思議そうだから
説明した
「うん、回復。ほら、あんなに当たったら痛いでしょ」と言うと
「えーーとつまり、自分で治療?」とますます不思議そうになるので
「ほら、今の人、痛い所に手を当てているでしょう?手当だよね。その時、意識して魔力を流せば効果があるのでは?治療師さんほどのことは無理でも痛くなければ、打ち合いで頑張れるのでは?」と言うと
「なるほど、考えもしなかった。確かに少しは魔力があるんだから、なるほどね」とフェルナンドがうなずいた。
会場では落ち着いた年頃の人が二人、試合を始めた。
「あの、お二人は第一団と第四団の団長です」とフェルナンドが教えてくれたから
「学院の試合より速いですね」と言うと
「う! えぇそうですね。速い。よくわかりますね」
そりゃ、打たれる前に治療を始めないと間に合わないから、あの時、頑張ったし・・・内緒だけど。
上手く答えられなくて
「見れば、わかるかと」と首を傾げたら、フェルナンドも
「そうかな?」と首を傾げた。
新しい制服を着ると気分がしゃきっとする。実はこれは二枚目だ。一枚目はコリンの研究室や、フィリーの畑で仕事をしていたら、貫禄が付いてしまったのだ。薬品のシミとか生地が薄くなったり、泥汚れを落とそうとしてたら、なんか変になって・・・
それでブルース様がもう一枚作ってくれて、研究用と普段用と使い分けるように言われた。
今日は普段用だ。期待の新人魔法士様だよーーー
新入団の所には、ロバート様。騎士団長の息子のフェルナンド様。去年、二位だった人など、わたしが手出しした人たちもいた。入団していたんだ。良かったぁ。
そういう若い人の他にちょっと年上の人も並んでいた。後で聞くと騎士団の予備員として活動して来た人だそうだ。
正式に採用されたんだ。おめでとうですね。
それと魔法士見習いで五人採用されたそうだ。ブルース様も見習いを経験しているそうだから、この五人から将来の部長が出る可能性もあるってことね。
ロバート様には、こちらから挨拶をした。いつもしていたもの・・・平気よ。
「おはようございます。ロバート様」
「おはようございます。リリー様」
するとフェルナンド様が
「固いぞ、みんな同僚だ。様はいらないぞ」と言った。
そしてすぐに
「おはよう、ロバート。おはよう、リリー」と大きな声で続けた。
「おはよう、リリー。チャーリーだ」と言われて返事を返す前に
「チャーリー。おはよう。フェルナンドだ」
と賑やかに自己紹介が始まった。
そこに
「新人、並べ」と声がかかった。
その瞬間、わたし以外はさっと動いて綺麗な列が出来た。
フェルナンドに
「リリーはここ」と教えて貰ってそこに立った。
入団式はすぐに終わった。
「新人で一緒に夕食を食べよう。食堂に集合だ。時間は適当で」とフェルナンドが言うと
「了解だ」「食堂で」とか返事があった。騎士団っぽい。
わたしも真似して
「了解です」と言った。
さぁコリンの所で実験の続きだ。っとその前に制服を着替えないと。
わたしは、どうすれば空を飛べるか?どうやって飛ぶかについては、本を読んで知識を増やしている。
でも、納得できないのよね。剣を振り回すのは誰でも出来る。でも騎士団に入れるまで力を伸ばせるのは少数だが、実在する。
飛ぶことに関しては、跳べるものが、頑張って飛べるものになるとは思えない。だから、本は途中で読むのをやめた。
でも、飛べる乗り物を作るのは行けそうだと思う。地上を移動するのだって、馬車に乗るし・・・
その検証のための環境を作るのが、わたしは上手いのだ。それがわたしの手伝いだ。
風を下から吹き上げさせたり、火力を押さえた火を作ったり。
今は物を燃やさない火を作る練習をしている。
あぁ、早く空に行ってみたい。
今日は、誘われていた騎士団の訓練を見に行った。手が空いている魔法士も一緒だ。そうだね。同じ騎士団に所属しているのだ。
女性は少ないが、彼女たちはとても格好良い。見習い魔法士も混じって訓練をしている。
こうして見ると杖もいろいろだ。エリザ様はあの杖をどうしただろう。あれくらい大きいと杖も武器になりそう。
普段は杖を腰にさげているのか、なるほど、短鞭は下げていたけど杖はポーチに入れていたし、競技会では、みんな最初から手に持っていたから気がつかなかったな。
ペン軸を下げても様にならないけど。
打ち合いを見て思った。あれって痛くなければ、ずっと打ち合えるの? いや、その時、痛くても自分で「飛んでけ」ってやると、有利に戦えるのでは?治すのは大変でも、痛みをとれば・・・
つい、ロバートを目で追ってしまう。多分、一番弱い。予備員程度?いい気味って思うし気の毒にって思う。そして関係ない人だ。
ちょうど、フェルナンドがいたから質問した。
「回復とかやってる?」と聞くと不思議そうだから
説明した
「うん、回復。ほら、あんなに当たったら痛いでしょ」と言うと
「えーーとつまり、自分で治療?」とますます不思議そうになるので
「ほら、今の人、痛い所に手を当てているでしょう?手当だよね。その時、意識して魔力を流せば効果があるのでは?治療師さんほどのことは無理でも痛くなければ、打ち合いで頑張れるのでは?」と言うと
「なるほど、考えもしなかった。確かに少しは魔力があるんだから、なるほどね」とフェルナンドがうなずいた。
会場では落ち着いた年頃の人が二人、試合を始めた。
「あの、お二人は第一団と第四団の団長です」とフェルナンドが教えてくれたから
「学院の試合より速いですね」と言うと
「う! えぇそうですね。速い。よくわかりますね」
そりゃ、打たれる前に治療を始めないと間に合わないから、あの時、頑張ったし・・・内緒だけど。
上手く答えられなくて
「見れば、わかるかと」と首を傾げたら、フェルナンドも
「そうかな?」と首を傾げた。
2,285
お気に入りに追加
4,495
あなたにおすすめの小説
妹だけを可愛がるなら私はいらないでしょう。だから消えます……。何でもねだる妹と溺愛する両親に私は見切りをつける。
しげむろ ゆうき
ファンタジー
誕生日に買ってもらったドレスを欲しがる妹
そんな妹を溺愛する両親は、笑顔であげなさいと言ってくる
もう限界がきた私はあることを決心するのだった
姉妹差別の末路
京佳
ファンタジー
粗末に扱われる姉と蝶よ花よと大切に愛される妹。同じ親から産まれたのにまるで真逆の姉妹。見捨てられた姉はひとり静かに家を出た。妹が不治の病?私がドナーに適応?喜んでお断り致します!
妹嫌悪。ゆるゆる設定
※初期に書いた物を手直し再投稿&その後も追記済
【本編完結】ただの平凡令嬢なので、姉に婚約者を取られました。
138ネコ@書籍化&コミカライズしました
ファンタジー
「誰にも出来ないような事は求めないから、せめて人並みになってくれ」
お父様にそう言われ、平凡になるためにたゆまぬ努力をしたつもりです。
賢者様が使ったとされる神級魔法を会得し、復活した魔王をかつての勇者様のように倒し、領民に慕われた名領主のように領地を治めました。
誰にも出来ないような事は、私には出来ません。私に出来るのは、誰かがやれる事を平凡に努めてきただけ。
そんな平凡な私だから、非凡な姉に婚約者を奪われてしまうのは、仕方がない事なのです。
諦めきれない私は、せめて平凡なりに仕返しをしてみようと思います。
誰にも愛されずに死んだ侯爵令嬢は一度だけ時間を遡る
月
ファンタジー
癒しの能力を持つコンフォート侯爵家の娘であるシアは、何年経っても能力の発現がなかった。
能力が発現しないせいで辛い思いをして過ごしていたが、ある日突然、フレイアという女性とその娘であるソフィアが侯爵家へとやって来た。
しかも、ソフィアは侯爵家の直系にしか使えないはずの能力を突然発現させた。
——それも、多くの使用人が見ている中で。
シアは侯爵家での肩身がますます狭くなっていった。
そして十八歳のある日、身に覚えのない罪で監獄に幽閉されてしまう。
父も、兄も、誰も会いに来てくれない。
生きる希望をなくしてしまったシアはフレイアから渡された毒を飲んで死んでしまう。
意識がなくなる前、会いたいと願った父と兄の姿が。
そして死んだはずなのに、十年前に時間が遡っていた。
一度目の人生も、二度目の人生も懸命に生きたシア。
自分の力を取り戻すため、家族に愛してもらうため、同じ過ちを繰り返さないようにまた"シアとして"生きていくと決意する。
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
私のことなど、どうぞお忘れくださいませ。こちらはこちらで幸せに暮らします
東金 豆果
恋愛
伯爵令嬢シャーロットは10歳の誕生日に魔法のブローチを貰うはずだった。しかし、ブローチは、父と母が溺愛していた妹に与えられた。何も貰うことができず魔法を使うことすら許されないという貴族の娘としてはありえない待遇だった。
その後、妹メアリーの策略で、父と母からも無視されるようになり、追いやられるように魔法学園に通うことになったシャーロット。魔法が使えないと思われていたシャーロットだったが、実は強大な魔力を秘めており…
さらに学園に通ったことが王族や王子とも出会うきっかけになり…
うーん、別に……
柑橘 橙
恋愛
「婚約者はお忙しいのですね、今日もお一人ですか?」
と、言われても。
「忙しい」「後にしてくれ」って言うのは、むこうなんだけど……
あれ?婚約者、要る?
とりあえず、長編にしてみました。
結末にもやっとされたら、申し訳ありません。
お読みくださっている皆様、ありがとうございます。
誤字を訂正しました。
現在、番外編を掲載しています。
仲良くとのメッセージが多かったので、まずはこのようにしてみました。
後々第二王子が苦労する話も書いてみたいと思います。
☆☆辺境合宿編をはじめました。
ゆっくりゆっくり更新になると思いますが、お読みくださると、嬉しいです。
辺境合宿編は、王子視点が増える予定です。イラっとされたら、申し訳ありません。
☆☆☆誤字脱字をおしえてくださる方、ありがとうございます!
☆☆☆☆感想をくださってありがとうございます。公開したくない感想は、承認不要とお書きください。
よろしくお願いいたします。
あなたがそう望んだから
まる
ファンタジー
「ちょっとアンタ!アンタよ!!アデライス・オールテア!」
思わず不快さに顔が歪みそうになり、慌てて扇で顔を隠す。
確か彼女は…最近編入してきたという男爵家の庶子の娘だったかしら。
喚き散らす娘が望んだのでその通りにしてあげましたわ。
○○○○○○○○○○
誤字脱字ご容赦下さい。もし電波な転生者に貴族の令嬢が絡まれたら。攻略対象と思われてる男性もガッチリ貴族思考だったらと考えて書いてみました。ゆっくりペースになりそうですがよろしければ是非。
閲覧、しおり、お気に入りの登録ありがとうございました(*´ω`*)
何となくねっとりじわじわな感じになっていたらいいのにと思ったのですがどうなんでしょうね?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる