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17 魔法の競技って??

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帰りの馬車のなかで治療魔法を試したが、ペン軸は元通りにならなかった。
家に戻りわたしは部屋にあるもので杖としてなにがいいのか、いろいろ試した。普段使っているペン軸も悪くない。このペン軸は入学する時に自分で選んだ木で作られたよくある赤いペン軸だ。自分で買ったピンクのガラス製も悪くない。ペーパーナイフが意外と使い安いのは発見だ。
とりあえず、魔法の杖の問題は解決した。

それにしても、粗末な誕生日の贈り物を喜んでいた自分が情けない。

遅ればせながら、貰ったものを返そう。

わたしは、壊れたペン軸(これは紙に包んだ) 栞、押し花と額。便箋。ちゃちな腕輪(一目で安物とわかる。金具が変色してる) これらを全部箱に詰めて誕生日に貰ったものを返すねって手紙を添えて送り返した。宛名はブラックレイク侯爵にしといた。

アナベルをお迎えに来たロバート様は、いつもよりなにか言いたそうだった。思い切り言い返すつもりのわたしは、話しかけやすいように優しく笑ったけど、話しかけて来なかった。尽く、期待を裏切る野郎だ。


そして、競技会の日。わたしは動きやすいから乗馬服で学院に行った。

今年は鞭がないが、去年と同じ格好だ。


先ず、馬の長距離のスタートを見学だが、思いがけないものを見た。

第三王子が、あの馬に乗っていたのだ。良かった。あの馬はまたちょっと大きくなったと言うか、筋肉がしっかりついていた。いいお家おうちに貰われたんだ。王宮はそうだよね。

「あれ?あの馬!だからお父様は」ってナタリーは言って胸をなで下ろしていた。

魔法の競技は今日一日だけだ。わたしはペン軸を使って小さな水の玉を作って慎重に的に当てて行った。

全部、命中。決勝戦へ進んだ。

決勝戦の的は動く的だった。出場者、十人が丸い輪のなかにはいる。外を騎士団が囲んで、ボールを投げる。打ち落とすと得点。体に当たると減点。だが、足を止めてはいけないと言うルールが設定されているのだ。鈍いわたしの弱点にドンピシャの競技だ。

そして、終わった。わたしは十人中十位。最下位で点数はなんとマイナス・・・
二度も転べばねぇ

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