アニメ最終回ミュージアム

1970年代

科学忍者隊ガッチャマン

1972年10月1日から1974年9月29日、全105話、フジテレビ。

原作、キャラクターデザイン：吉田竜夫。

プロデューサー：九里 一平。
 
監督。鳥海永行。
 
メカニックデザイン：中村光毅、大河原邦男。
 
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「ある時はひとつ…。またある時は５つ。実体を見せずに忍び寄る白い影…。科学忍者隊ガッチャマン」 

　地球征服を狙う謎の秘密結社「ギャラクター」。
 
　ISO「マントル計画」主任である南部博士は、密かに結成していた特殊部隊「科学忍者隊」を出動させる。

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　最終話は怒涛の三連作です。

　第103話「死を賭けたG2号」

　第104話「魔のブラックホール大作戦」

　第105話「地球消滅！ 0002」

　ギャラクターの総裁Xが企てた最後にして最大のブラックホール作戦。

　それはこの宇宙から地球を消滅させるという恐ろしい計画であった。 

　ギャラクター本部に設置されたコンピューターは、規則正しく地下6400キロの核に向かってニュートロン反応を起こすべく、分子爆弾を投下していた。

　G2号、「コンドルのジョー」は過去の戦闘で受けた脳の傷のため一週間、長く持っても10日の命。

　ジョーは単身ギャラクターの本部を見つけ、めまいに苦しみながら戦う。

　多勢に無勢、バードスタイルさえ破られたジョーは、ギャラクターの首領、ベルク・カッツェに捕えられる。

カッツェ「ハハハハハ！　悪あがきをするな、コンドルのジョー！」

　ジョーは最後の力を振り絞り、ベルク・カッツェ目がけて羽根手裏剣を投げつける。

　だが、羽手裏剣は壁に当たり、歯車の回転する機器の中へ巻き込まれてゆく。


　一方、ギャラクター本部の入り口を探すガッチャマン達。

　潜入調査していたレッドインパルスの正木、鬼石の二人がギャラクターの凶弾に倒れる。

　声を発することの出来ない鬼石がジュンの手の平に書き残した別れの言葉をジュンが読みあげる。

ジュン「これで隊長に逢える…」


　深手を負ったジョーが基地内を這うように進み外に脱出する。

ジョー「ガッチャマン…？　ケン、どこにいるんだ？　ケン、お前に本部を知らせなきゃ…。俺は、俺は…ケン！」

　ジョーの声を聞きつけ、G-3号、白鳥のジュンが駆けつける。

ジョー「ジュン、ケンを呼べ……。本部の入口はここだ」

ジュン「こちらG3号！　ケン、ジョーを見つけたわ！」
 

　急いでジョーの元に駆けつけるケン達。

ケン「…科学忍者隊リーダーとしての命令だ。コンドルのジョーはここに残し、全員ギャラクター本部に突入する」 

一同「えぇっ!?」 

ケン「ジョー、許してくれ。“死ぬときは共に”と誓ってきた俺たちが、今、お前を見捨てて行かねばならない」


　ギャラクター隊員たちがジュンの通信を探知した。

　霧の中から大勢の足音が近づいて来る。

ケン「俺の心だと思ってくれ」

　大事な武器のブーメランをジョーに託していくケン。


　本部へ突入した健たちはベルク・カッツェのもとへ辿り着く。

ケン「ベルク・カッツェ、やめろ！　ブラックホール作戦を今すぐ中止するんだ！」 

　そこに総裁Ｘの笑い声が響く。

　壁面に総裁Xの姿が浮かび上がる。

総裁Ｘ「私の計算ではあと30分でニュートロン反応が起きる。そして地球は消えるのだ！」 

ベルクカッツェ「そ、総裁!?　それでは約束が違います。総裁はこの地球を、私にくださると……」 

総裁Ｘ「くれてやる。粉々になり、宇宙のチリとなった地球をな。ハハハハハ！」 

　総裁Ｘを乗せた巨大なロケットが昇っていく、地球から逃げてゆく。

ベルクカッツェ「総裁！私は何のためにあなたの力でミュータントにされたのですか？こんな結末を迎えるのなら、私は人間でいたかった。私は人間に生まれてきたほうが幸せだったのです。総裁Ｘさまぁーーー！！！」

　カッツェが涙を流しつつ、狂ったように笑いだす。

ベルクカッツェ「ワハハハハ！　滅びろ！　みんな、滅びろ！！」

　大空洞へ身を投げて眼下のマグマの海へ落ちて行くベルクカッツェ。


　その頃、地上では大地が割れ、炎が吹き出し、津波が街を襲っている。

　地球最後の時が近づいていた。

ジュン「ケン！　どうやっても機械が止まらないのよ！」 

ケン「ダメだ……。一つの回路を遮断しても、また別の回路が動き出す」

ジュン「死ぬなら、ここでみんなと一緒に死にましょう」

　覚悟を決めるケン達。

　機械内部で歯車が動き続ける。

　と、以前ジョーが投げた羽手裏剣が機械の中に入り込み、ひとつの歯車を破壊した。

　歯車が軸から外れ、制御を失った爆弾がその場で爆発する。

　一向に停止しなかった機械がピタリと停止した。

　地球は救われたのだ。


　地上に戻ってみると地割れと落石で凄まじく崩壊した光景。

　動くものひとついない。

　地面に落ちた大岩の下の隙間に、ケンがジョーに託したブーメランがあった。

　ケン達は知らない。

　ジョーが執念で投げた羽根手裏剣が、地球の危機を救ったことを。



　後日、記者会見の席の南部博士。

南部「ギャラクターは確かに自滅しました。しかし、みなさん！　考えてください。ギャラクターのように悪魔的な破壊を好む心は、私たちのあなたたちの心の片隅にも眠っているのではないでしょうか？」 

記者「博士、科学忍者隊はどうしていますか？」

南部「彼らは今日も飛んでいます。私たちの平和を守るために！」

　窓の外、大型戦闘機「ゴッドフェニックス」が飛び去って行く。

　海を、陸を、大空を、科学忍者隊は今日も行く。

　燦々と太陽輝く地球を守り、ゴッドフェニックスは今日も飛ぶ。

　平和な未来を呼ぶために。

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　ガッチャマンとは科学忍者隊を指すのではなく、リーダーの大鷲の健の称号です。

 「科学忍者隊ガッチャマン」シリーズは「科学忍者隊ガッチャマンII」、「科学忍者隊ガッチャマンＦ」と続きます。

　タツノコプロのキャラクターデザイン、メカニックデザインはどれもSFチックでカッコいいです！

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声の出演

ガッチャマン―、大鷲の健：森功至

コンドルのジョー：佐々木功

白鳥のジュン：杉山佳寿子

燕の甚平：塩屋翼

みみずくの竜：兼本新吾

南部考三郎博士：大平透

総裁X：田中信夫