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ダイバーシティ
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〇女岩島診療所。深夜。
育人「今夜は本部に戻れそうもないな」
窓の外を見る育人。
窓の外は暴風雨。
杏奈「お茶をいれるわ」
立ち上がる杏奈。
杏奈「(コーヒーを作りながら)信者を使ってクーデターを起こすつもりなんでしょ。止めといた方がいいわ」
育人「何故?既に色んな組織に俺のガーディアン達が潜入しているぜ。潜入というのは語弊があるな。もともとその組織の人間だった女性をガーディアンに変えていったんだ」
杏奈「確かに警察や自衛隊の女性の大半はガーディアンになっているわ」
育人「武力蜂起するのに必要だからな。最初から重点的に信者を増やしていった」
育人、杏奈からコーヒーを受け取る。
育人「あと政治家や財界人の女性のほとんどがガーディアンになっている。本人は気が付いてもいないが、俺が命令したら無条件で実行するだろう」
杏奈「確かに育人の計画は順調に進んでいるわ。でもね、クーデターは絶対に成功しないわ」
育人「ほほう?どうしてだい?」
杏奈、深くため息をつく。
杏奈「日本でのダイバーシティへの取り組みは、残念ながら決して進んでいるとは言えないわ」
杏奈、書棚から資料を取り出してページをめくる。
杏奈「現在の日本では、警察官と自衛官の7%しか女性がいないわ。女性の政治家もわずか9%。このペースだと男女半々になるまで五十年かかるというわ。もしも、すべての女性がガーディアンになったとしてもわずか1割にも満たないのよ。これでは、すべての信者たちが一斉蜂起しても、すぐに鎮圧されてしまうわ」
育人「この世は相変わらず男性中心の世界で、すべての女性が男性に戦いを挑んでも到底敵わないと言うことか」
杏奈「教団を創ってからまだたった五年よ。もっとじっくりと女性の社会進出を進めていかないと駄目だわ」
育人、コーヒーカップを床に叩きつける。
育人「そのために五十年も待つのか!?ごめんだぜ!」
杏奈「(割れたカップを拾いながら)もう!このカップ、お気に入りだったに!相変わらず短気ね」
育人「いつまでも子供扱いしないでもらいたいな」
杏奈「それは無理よ。いつまでたっても私達は育人の母親だもの。これは母性本能とか生易しいものではないわ。これは呪縛ね」
育人「医者のくせに随分とオカルティズムな発言だな」
杏奈「昔は育人の能力をなんとか科学的に解明しようと思っていたわ。でも、それは無駄なことだったわ。育人の能力は科学では解明できない。だって、育人は人間じゃないもの!」
育人「五年かけた研究の結論がそれか」
杏奈「ええ。おかしい?」
育人「おかしくないさ。俺も自分で気が付いている。俺は人間を滅ぼすために生まれてきた何かさ」
育人「今夜は本部に戻れそうもないな」
窓の外を見る育人。
窓の外は暴風雨。
杏奈「お茶をいれるわ」
立ち上がる杏奈。
杏奈「(コーヒーを作りながら)信者を使ってクーデターを起こすつもりなんでしょ。止めといた方がいいわ」
育人「何故?既に色んな組織に俺のガーディアン達が潜入しているぜ。潜入というのは語弊があるな。もともとその組織の人間だった女性をガーディアンに変えていったんだ」
杏奈「確かに警察や自衛隊の女性の大半はガーディアンになっているわ」
育人「武力蜂起するのに必要だからな。最初から重点的に信者を増やしていった」
育人、杏奈からコーヒーを受け取る。
育人「あと政治家や財界人の女性のほとんどがガーディアンになっている。本人は気が付いてもいないが、俺が命令したら無条件で実行するだろう」
杏奈「確かに育人の計画は順調に進んでいるわ。でもね、クーデターは絶対に成功しないわ」
育人「ほほう?どうしてだい?」
杏奈、深くため息をつく。
杏奈「日本でのダイバーシティへの取り組みは、残念ながら決して進んでいるとは言えないわ」
杏奈、書棚から資料を取り出してページをめくる。
杏奈「現在の日本では、警察官と自衛官の7%しか女性がいないわ。女性の政治家もわずか9%。このペースだと男女半々になるまで五十年かかるというわ。もしも、すべての女性がガーディアンになったとしてもわずか1割にも満たないのよ。これでは、すべての信者たちが一斉蜂起しても、すぐに鎮圧されてしまうわ」
育人「この世は相変わらず男性中心の世界で、すべての女性が男性に戦いを挑んでも到底敵わないと言うことか」
杏奈「教団を創ってからまだたった五年よ。もっとじっくりと女性の社会進出を進めていかないと駄目だわ」
育人、コーヒーカップを床に叩きつける。
育人「そのために五十年も待つのか!?ごめんだぜ!」
杏奈「(割れたカップを拾いながら)もう!このカップ、お気に入りだったに!相変わらず短気ね」
育人「いつまでも子供扱いしないでもらいたいな」
杏奈「それは無理よ。いつまでたっても私達は育人の母親だもの。これは母性本能とか生易しいものではないわ。これは呪縛ね」
育人「医者のくせに随分とオカルティズムな発言だな」
杏奈「昔は育人の能力をなんとか科学的に解明しようと思っていたわ。でも、それは無駄なことだったわ。育人の能力は科学では解明できない。だって、育人は人間じゃないもの!」
育人「五年かけた研究の結論がそれか」
杏奈「ええ。おかしい?」
育人「おかしくないさ。俺も自分で気が付いている。俺は人間を滅ぼすために生まれてきた何かさ」
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