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第03章 初めてのダンジョン攻略
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「スラスト様!第四問をお願いします」
「う、う~~む…!」
取って置きの問題を答えられてしまい、スラストは考え込んだ。
「しからば問おう!ウゴルの街の宿屋、獅子亭で一番人気の料理はなんじゃ?」
この問題の答えなら私も知っていた。
この前、食べたばかりだ。
羊肉を使ったホワイトソースの煮込み料理だ。
こんな問題、ウゴルの街の住民しか知るわけがない。
メラニーは額に指を当てて少し考えてから言った。
「羊の足をホワイトソースで煮込んだラグー」
「なんで知ってるのよ!?」
スラストも私もリスナーも、みんな愕然とした。
ダンジョンマスターメラニーに知らないことはないのだろうか。
「どうした?第五問を早く言え」
スラストは目を閉じ天を仰いだ。
万策尽きてしまったのだろうか。
長い沈黙の後、ようやくスラストが口を開いた。
「月明かりも、星明かりも無く、街灯さえ無い田舎道を一人の商人が歩いていた。その道には目立たない泥まみれの銅貨一枚、地面に落ちていた。なぜか商人は触れることも踏むこともなく、目視で銅貨を見つけることができた。一体なぜ気づけたか?」
「なぞなぞです!さすがは大賢者スラスト様!知識では敵わないと判断して遂になぞなぞを出してきました!」
ものすごい勢いでリスナーのコメントが流れ始めた。
『商人は獣人だったので夜目が利いたからじゃないか?』
『いや、だったら鼻が利いたからじゃないかしら?』
メラニーは額に指を当てて少し考えた。
メラニーは笑いながら答えた。
「ハハハハ!明るい昼間だったからだ」
「せ、正解じゃ!」
「誰も夜とは言っておらんからな」
「なるほど!面白いなぞなぞでした!しかし、こんななぞなぞを魔人が理解できるのでしょうか?」
スラストが六番目の問題を出した。
「冤罪の証拠が出たわけでもないのにある死刑囚の死刑執行が直前で延期された。なぜじゃ?」
ものすごい勢いでリスナーのコメントが流れ始めた。
『今度もなぞなぞだ』
『死刑囚が逃亡したからかな?』
『死刑囚は病死したのよ』
メラニーは額に指を当てて少し考えた。
「死にたくなかった死刑囚は看守を殺したのだ」
「せ、正解じゃ!」
スラストが溜息交じりに答えた。
「ねぇ、スラスト様、どうしてそれは正解なの?」
「殺人を犯した死刑囚は、新たに取調べを受けることになったので死刑が延期されたのじゃ」
「なるほど!」
「さて、いよいよ最後の問題を出せ!」
「ちょ、ちょと待ってくれ。今、考えているのじゃ」
「フフフフ!時間はいくらでもある。待ってやるぞ」
私はコップに水を入れてスラストに手渡した。
汗まみれになったスラストがゴクゴクと水と飲んだ。
「フーッ!疲れたわい!」
「どうしてあいつ、正解が分かるのかしら?」
「うーむ。あいつは問題を考える時、自分の額に指を当てているじゃろ。きっとあの時に魔法を使っているのじゃ」
「魔法?一体何の魔法を?」
「恐らくあいつは儂の心を読んでいるのじゃ」
「そっか!だからスラストさんしか知らない問題も答えられたのね。魔法を使うなんてインチキだわ!」
「仕方があるまい。魔法を使ってはいけないとは言っておらんからな」
「う、う~~む…!」
取って置きの問題を答えられてしまい、スラストは考え込んだ。
「しからば問おう!ウゴルの街の宿屋、獅子亭で一番人気の料理はなんじゃ?」
この問題の答えなら私も知っていた。
この前、食べたばかりだ。
羊肉を使ったホワイトソースの煮込み料理だ。
こんな問題、ウゴルの街の住民しか知るわけがない。
メラニーは額に指を当てて少し考えてから言った。
「羊の足をホワイトソースで煮込んだラグー」
「なんで知ってるのよ!?」
スラストも私もリスナーも、みんな愕然とした。
ダンジョンマスターメラニーに知らないことはないのだろうか。
「どうした?第五問を早く言え」
スラストは目を閉じ天を仰いだ。
万策尽きてしまったのだろうか。
長い沈黙の後、ようやくスラストが口を開いた。
「月明かりも、星明かりも無く、街灯さえ無い田舎道を一人の商人が歩いていた。その道には目立たない泥まみれの銅貨一枚、地面に落ちていた。なぜか商人は触れることも踏むこともなく、目視で銅貨を見つけることができた。一体なぜ気づけたか?」
「なぞなぞです!さすがは大賢者スラスト様!知識では敵わないと判断して遂になぞなぞを出してきました!」
ものすごい勢いでリスナーのコメントが流れ始めた。
『商人は獣人だったので夜目が利いたからじゃないか?』
『いや、だったら鼻が利いたからじゃないかしら?』
メラニーは額に指を当てて少し考えた。
メラニーは笑いながら答えた。
「ハハハハ!明るい昼間だったからだ」
「せ、正解じゃ!」
「誰も夜とは言っておらんからな」
「なるほど!面白いなぞなぞでした!しかし、こんななぞなぞを魔人が理解できるのでしょうか?」
スラストが六番目の問題を出した。
「冤罪の証拠が出たわけでもないのにある死刑囚の死刑執行が直前で延期された。なぜじゃ?」
ものすごい勢いでリスナーのコメントが流れ始めた。
『今度もなぞなぞだ』
『死刑囚が逃亡したからかな?』
『死刑囚は病死したのよ』
メラニーは額に指を当てて少し考えた。
「死にたくなかった死刑囚は看守を殺したのだ」
「せ、正解じゃ!」
スラストが溜息交じりに答えた。
「ねぇ、スラスト様、どうしてそれは正解なの?」
「殺人を犯した死刑囚は、新たに取調べを受けることになったので死刑が延期されたのじゃ」
「なるほど!」
「さて、いよいよ最後の問題を出せ!」
「ちょ、ちょと待ってくれ。今、考えているのじゃ」
「フフフフ!時間はいくらでもある。待ってやるぞ」
私はコップに水を入れてスラストに手渡した。
汗まみれになったスラストがゴクゴクと水と飲んだ。
「フーッ!疲れたわい!」
「どうしてあいつ、正解が分かるのかしら?」
「うーむ。あいつは問題を考える時、自分の額に指を当てているじゃろ。きっとあの時に魔法を使っているのじゃ」
「魔法?一体何の魔法を?」
「恐らくあいつは儂の心を読んでいるのじゃ」
「そっか!だからスラストさんしか知らない問題も答えられたのね。魔法を使うなんてインチキだわ!」
「仕方があるまい。魔法を使ってはいけないとは言っておらんからな」
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