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第03章 初めてのダンジョン攻略
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ラインターレル達は最初の頃は力を持て余していたが、ダンジョンを進むにつれ次第に疲弊していった。
ダンジョンの最深部はなんと地下五十階にあった。
そこに辿り着くまでに私達は半月もダンジョン内をさ迷ったのだった。
パーティーメンバーはみんな体力も魔力もほとんど残っていなかった。
もしも私がアイテム収納の魔法で物資を運んでいなければ到底水も食料も持たなかっただろう。
きっと今までの討伐隊は最深部に着くまでに力尽き、戻ることも出来ずに死んでいったのだろう。
このダンジョンは私たちの耐久力を試すために存在しているのではないだろうか。
私たちは突然巨大な地下空洞に出た。
周囲の壁は自ら光り輝きまるで地上に出たような錯覚を覚えた。
すぐにスラストが目を閉じ魔法で周囲を探索し始めた。
「気をつけろ!何か巨大な魔力を感じるぞ!」
ラインターレルが長剣を抜き、カブッツイが杖を構え、ローリングが固く拳を握り締めた。
全員が戦闘態勢を取った。
突然、空洞の中央に長身の男が現れた。
膝丈のタブレットとジャケットの上に毛皮を縁取ったガウンを羽織っている。
房飾りがつけられたベレー帽をかぶって大昔の王様のような恰好だった。
「いつの間に!?」
私達が唖然としていると、男は仰々しく台詞を吐いた。
「人間がこの最深部までたどり着いたのは実に久方ぶりだ。褒めて遣わすぞ、勇者たちよ。我はダンジョンマスターのメラニーだ」
(勇者たち?いつの時代の話よ!)
私が首を傾げているとイルマ様が突然チャットを送って来た。
『気をつけな!あいつは上級魔族の生き残りだよ』
「えっ!?あいつ、強いの!?」
『お前ら全員瞬殺だね』
ラインターレルが前に進み出た。
「お前がゴブリンを産み出していた元凶だな」
「そうだ」
「魔王が滅んで既に数世紀、何故いまだにこのような悪行を行う?」
「ヒマだからだ」
「な、何だと!?」
「お前たちのような強者を呼び寄せるためにやった」
(この世界はイルマ様みたいにヒマを持て余したヤツばかりなのね!はた迷惑だわ!)
「一人ずつ相手をしてやろう。戦う方法は何でもよい。お前たちの得意な戦い方に応じてやろう」
「余計なお世話だ!」
ラインターレルが長剣を振りかざしてメラニーに突進していった。
すかさずカブッツイが呪文を唱えるとラインターレルとローリングの攻撃力と防御力を倍増した。
この三人は今までもこのように連携して戦闘を行ってきた。
ローリングの姿が消えたかと思うとメラニーの背後に瞬間移動した。
ローリングは奇声をあげながら正拳突きを繰り出した。
メラニーが右手を一振りすると手に禍々しい形状の巨大な長剣が現れた。
ラインターレルが長剣を振り下ろしたが、メラニーは軽々とその巨大な長剣で受け止めた。
ラインターレルとメラニーの剣が火花をあげながら幾度もぶつかり合った。
その時、背後にいたカブッツイの杖から何百という炎の矢が放たれメラニーの身体を貫いた。
「一人ずつと言っただろうが!」
メラニーが巨大な長剣を横に一閃振り回した。
ラインターレルとローリングの身体が真っ二つにされ地面に転がった。
次にメラニーが剣を投げるとカブッツイの身体を貫いた。
三人の無残な死体が地面に転がった。
メラニーは呆然と立ちすくんでいるスラストと私の方を見て言った。
「さて、次はどちらが我の相手をしてくれるのだ?」
ダンジョンの最深部はなんと地下五十階にあった。
そこに辿り着くまでに私達は半月もダンジョン内をさ迷ったのだった。
パーティーメンバーはみんな体力も魔力もほとんど残っていなかった。
もしも私がアイテム収納の魔法で物資を運んでいなければ到底水も食料も持たなかっただろう。
きっと今までの討伐隊は最深部に着くまでに力尽き、戻ることも出来ずに死んでいったのだろう。
このダンジョンは私たちの耐久力を試すために存在しているのではないだろうか。
私たちは突然巨大な地下空洞に出た。
周囲の壁は自ら光り輝きまるで地上に出たような錯覚を覚えた。
すぐにスラストが目を閉じ魔法で周囲を探索し始めた。
「気をつけろ!何か巨大な魔力を感じるぞ!」
ラインターレルが長剣を抜き、カブッツイが杖を構え、ローリングが固く拳を握り締めた。
全員が戦闘態勢を取った。
突然、空洞の中央に長身の男が現れた。
膝丈のタブレットとジャケットの上に毛皮を縁取ったガウンを羽織っている。
房飾りがつけられたベレー帽をかぶって大昔の王様のような恰好だった。
「いつの間に!?」
私達が唖然としていると、男は仰々しく台詞を吐いた。
「人間がこの最深部までたどり着いたのは実に久方ぶりだ。褒めて遣わすぞ、勇者たちよ。我はダンジョンマスターのメラニーだ」
(勇者たち?いつの時代の話よ!)
私が首を傾げているとイルマ様が突然チャットを送って来た。
『気をつけな!あいつは上級魔族の生き残りだよ』
「えっ!?あいつ、強いの!?」
『お前ら全員瞬殺だね』
ラインターレルが前に進み出た。
「お前がゴブリンを産み出していた元凶だな」
「そうだ」
「魔王が滅んで既に数世紀、何故いまだにこのような悪行を行う?」
「ヒマだからだ」
「な、何だと!?」
「お前たちのような強者を呼び寄せるためにやった」
(この世界はイルマ様みたいにヒマを持て余したヤツばかりなのね!はた迷惑だわ!)
「一人ずつ相手をしてやろう。戦う方法は何でもよい。お前たちの得意な戦い方に応じてやろう」
「余計なお世話だ!」
ラインターレルが長剣を振りかざしてメラニーに突進していった。
すかさずカブッツイが呪文を唱えるとラインターレルとローリングの攻撃力と防御力を倍増した。
この三人は今までもこのように連携して戦闘を行ってきた。
ローリングの姿が消えたかと思うとメラニーの背後に瞬間移動した。
ローリングは奇声をあげながら正拳突きを繰り出した。
メラニーが右手を一振りすると手に禍々しい形状の巨大な長剣が現れた。
ラインターレルが長剣を振り下ろしたが、メラニーは軽々とその巨大な長剣で受け止めた。
ラインターレルとメラニーの剣が火花をあげながら幾度もぶつかり合った。
その時、背後にいたカブッツイの杖から何百という炎の矢が放たれメラニーの身体を貫いた。
「一人ずつと言っただろうが!」
メラニーが巨大な長剣を横に一閃振り回した。
ラインターレルとローリングの身体が真っ二つにされ地面に転がった。
次にメラニーが剣を投げるとカブッツイの身体を貫いた。
三人の無残な死体が地面に転がった。
メラニーは呆然と立ちすくんでいるスラストと私の方を見て言った。
「さて、次はどちらが我の相手をしてくれるのだ?」
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