隣人はクールな同期でした。

氷萌

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第6章 想う方向性。

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すると
徐々に呼吸が安定し始めたのがわかった。


「大丈夫か?」


俺の問いに小さく頷くのがわかり
こっちも少しホッとする…

七星のときもだが
女が苦しみ出す姿は
何年経っても慣れねぇ…

まだ“マンションに戻る”しか言ってねぇのに
今日はコレ以上は話せねぇな…


「ジンくんの手、優しい…」

「…なんだよ、急に」

「だって、本当だもん…
 優しくて温かい…」


優しい…なんて
そんなワケねぇよ。
俺は誰より
お前に最低な男だ。


「ねぇジンくん…?」

「…どうした?」

「さっき言ってた事だけど…
 どうしてココを出ていきたいの?
 私の事、嫌いになったの…?」


珍しく自分からイヤな話題を聞くとは…


「嫌いになったとか
 そういう話じゃない。
 だけど…な」

「な…に?」


ヒナコも俺も
向き合わないといけない。


「…高校生の頃に
 お前はイロイロあって苦しんで
 俺達は一緒に住む事になったよな。
 それは良かったと思ってる。
 両親ももちろん同じ気持ちだ。
 だけど俺は
 独立するためにココを離れた」


自分の力で生活すると決め
ヒナコを残して―――

 
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