隣人はクールな同期でした。

氷萌

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第6章 想う方向性。

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そんな顔をされると
何も言えなくなるじゃん…

それにどうして…

どうしてこんなに
アタシはドキドキしてるんだろ…

煌月相手なのに…


「陽向さんに
 俺がお前をどう思っているのか聞かれた」

「え…?」


陽向さんが煌月に…?
なぜそんな事を…?


「まさかそんなストレートな事を聞いてくるとはな…」


『アンタはそれに
なんて答えたの…?』

…って、聞く勇気がない。
だって…
聞いたら何か
変わっちゃう気がするから…


「俺は
 陽向さんと別れてボロボロになってたお前の姿を
 近くで見てきた。
 俺達んときみたいに
 憶測で悪い情報が流れて噂になっても(※4章・参照)
 表情に出さずお前はいつも普通に仕事して
 事故に遭って退院してからも
 何事もなかったように笑っていたけど
 たまにものすごく悲しそうな顔をしていたから
 本当は限界だったんだろうなって、心配だった」

「煌月…」


あのときの事を
そんな風に思って
ずっと…覚えていたんだ。


「あの事故だって…」


煌月は言い掛けて
持っていたグラスを
強く握りしめた。
 
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