隣人はクールな同期でした。

氷萌

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*デート…ですか。

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本音なのは
本当にありがたい事だけど…

どうしていきなりこの人は
恥ずかしげもなく
思った事をそのまま言葉に出来るのさ。

男のプライドってのは
こういうときは発動しないんすか!?


「あーでも。
 あの頃よりも
 今はもっと好きだけど」

「あ、ありがとうございます…」


そんな満面な笑みを浮かべないでください。
反応しづらいです。


「まずはどこから行く?」

「え?」

「お店!
 浴衣を探すんだろ?」

「あ、はい」


え、急に仕事モード?
切り替え早いって。

こっちは危うく昔の思い出に浸って
忘れるとこだったのに。←いや、完全に忘れてた。

今日の目的は
この人とデートをするためじゃなくて
仕事の一環なんだよ。

元恋人って関係だけど
こういうときの陽向さんはさすがだな。
しっかりしてる。


「えっと…
 一応考えているのは
 古典柄とか…ですかね。
 レトロなのも流行みたいだし
 シックなモダン調とかどうかなと。
 定番の花も取り入れるつもりです」


前以て調べておいたノートを見ながら
案を出してみた。
 
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