隣人はクールな同期でした。

氷萌

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*デート…ですか。

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「なに…それ。
 アンタと話すのが最後って事?
 だから言ったって…
 全然理由になってないでしょ…」


アタシはただただ驚きと戸惑いで
頭ん中が真っ白になっていたけれど
煌月は違った。


「最後だ。
 だからちゃんと言っておきたかった。
 もう、言えねぇからな」


一点の曇りもない
決心したって顔をしている。


どうしていきなり
『実は…』なんて告白をしたのか
そんな事を言ってどうするつもりだったの?
アタシに
なんて言ってほしかったの…?


コイツが何を考えて
今なにを思っているのか
聞きたい事なんて山ほどある。

だって今までずっと
気兼ねなく一緒にいたのに…


でもたぶん今のコイツにそれを聞いても
何1つ答えてなんてくれないような
そんな目をしている。


そう考えたら
さっきまでの動揺とパニックで
混乱していた頭は
一気にクールダウンして。


「キスの理由はわかんないけど…
 最後だってのはわかったよ。
 アンタがそうしたいなら
 アタシももう…何も言わない」


言ってしまった。

だって
他に言葉が見つからないから―――

 
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