隣人はクールな同期でした。

氷萌

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*戸惑い、揺れ動いています。

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電波はないし
他の使い道と言えば
内臓されているライトで
辺りを照らすくらいしか
今のアタシには思いつかない。
(最近のスマホには
他にもイロイロ機能はあるんだけどね)


だが彼女は突然
思いも寄らない行動に出た。


「七星さん!
 ちょっとうるさいけど
 我慢してねッ」

「え…」


彼女が一言アタシに忠告したかと思ったら
次の瞬間
スマホのスピーカーから
けたたましい警報音が鳴り響いた。

この爆音はまさか…


「防犯…ブザー…?」


マジか・・・

どうしてそんなのがあるのか…
アプリか何かか?
最近のにはそんな機能が常備されているのか?

なんにしても…
この至近距離で聞くと
心臓にまで響く音量だ。

こういう状況じゃなければ
この音は心臓に悪いけれど…。


もしかしたら
この雨で音が掛け消されてしまうと思う。
自然の中では機械音なんて
響かない気がする。

それでも
気付いてもらうキッカケにはなるかもしれない。

それに何より
早乙女さんの勇気に驚かされた。
このコとは思えないほどの
めざましい躍進だから。



 
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