隣人はクールな同期でした。

氷萌

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第5章 暑く熱い夏です。

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まさか2人がそんな会話をしているなんて
夢にも思ってなかったアタシは――



「早乙女さん!
 ちょっと待ってってばッ!」


山の中へ中へと
早いペースで進んでいく早乙女さんを追い掛けていた。



見失ったらマズイとは思うけど
ついて行くのが精一杯。

どっからそのスタミナが湧き出てくるの。


「ジンくんなんて…
 大っ嫌い…」


やっと立ち止まってくれたと思ったら
今度は泣きじゃくってしまっている。


「喧嘩がしたかったワケじゃないのに…
 私…」

「早乙女さん…」


誰よりも愛しているのに
だからこそ上手く伝えられなくて空回りする。
素直になるとか
優しくするとか
言い方1つだって
このコは不器用なんだ。

そんなの
あの男が理解するワケないっか…


「煌月も
 悪気があって言ったんじゃないと思うよ?
 ほらアイツって
 不器用な男じゃん?」


って
一応フォローしてみたんだけど…


「七星さんは…
 私なんかよりもジンくんを理解してるんだね…
 やっぱ私なんて…」


あっちゃー…
逆効果だったか…

アタシも本当バカ。
逆に傷つけてどうすんの。


「もういいモン!!」


また突然走り出す早乙女さん。

待って、そっちは崖ッ


「早乙女さん!
 危ないッッ!」

「え…―――」




 
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