隣人はクールな同期でした。

氷萌

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第5章 暑く熱い夏です。

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残された男2人はというと―――


「アイツら
 2人揃って俺をバカ呼ばわりしやがって」

「女子は怒らせると怖いからな~。
 でもちょっと喋ったくらいで
 あんなに大騒ぎするとは…
 お前も振り回されて大変だな」

「はぁ…。
 本当です。
 マジでめんどくさいです」


溜め息を吐きながら
近くにあったキャンプ用チェアに座り
煙草を1本取り出すと
ライターで火を点けた。


「陽向さんもどうです?1本」

「そうだな。
 もらおうかな」


2人で椅子に座りながら一服。


「なぁ…煌月。
 1つ聞いてもいいか?」

「…なんです?」

「お前さ…
 セツナの事、好きか?」

「え…」

「俺さぁ…
 やっぱスゲェ好きなんだ。
 セツナの事が。
 別れて離れ離れになって
 また再会して…
 今のあのコを
 もっと好きになった…」

「…そうですか」

「告白、したんだ」

「え…」

「でも、戸惑ってる姿を見て
 返事は聞けなかった…。
 聞きたくなかった…
 断られるのがわかってたから…」

「陽向さん…」

「今のままでもいいと思ってる」


“セツナの笑顔が見られるなら…”
 
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