隣人はクールな同期でした。

氷萌

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第5章 暑く熱い夏です。

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アタシは被害者です。
ついでにこの状況から
誰か助けてほしいです。


「そうと決まれば
 準備するか!」


だから決まってないってば。
何勝手な事ばっか言ってんのさ。


「ジンくん
 一緒にお昼の準備しよ~」

「なんで俺がお前と…」

「ほらッ!
 早くぅ~」

「ちょッ」


無理やり腕を組まれ
強引に引っ張っていかれてしまった煌月。
…可哀想に。


「俺達も行こっか♪」

「え、“俺達”って…」

「一緒に薪拾いに行こうな~セツナ♪」

「えッ!?」


こっちもこっちで
本日二度目の強制連行。

この2泊3日の社員旅行…
どうなるのか
とてもとても楽しみ…ではなく
かなり心配です。

無事に終わればいいんだけど…―――


PM 1:00――


「コレだけ集めれば十分だな。
 もうこんな時間だし
 そろそろ戻ろうか」

「そうですね。
 早乙女さん達も待っていると思うし」


ちゃっかり共に行動したアタシ達は
持参したビニール袋に集めた薪を入れ下山。


なんだかいつの間にか
『自然っていいよね~』みたいな
和やかな空気に
元カレって意識を忘れていた。


 
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