隣人はクールな同期でした。

氷萌

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*傍にいたいと思いました。

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しれっと何を言い出すの、お母様。


「つ、付き合ってないですよ?
 ただの会社の同期です。
 たまたま隣には住んでいますが…
 まさかアイ…ジンさんがそんな事を?」


そんなまさかねッ
アイツに限って
それだけは絶対ない。


「ううん、何も言ってくれないのよね…」

「そ、そうですか」」


ビッ…クリしたぁ。
そうだわな。
当たり前だけど
ホッとしました。


「でも七星さんの話をするときのあのコ
 ちょっと照れた感じもあったのよ?
 だから好きなのかなぁって」

「照れッ!?」


煌月のヤツ!
なんつー態度してんの!?
母親に何を話して照れてんのッ!?


「いやいやいや、それはないですって。
 そもそも彼には
 早乙女さんという幼馴染がいますし…」

「そうなのよね。
 ヒナコちゃんも良いコよ?
 私達にとったら本当の娘みたいな
 大切な存在」


“娘みたいな、大切な存在”…か。
その親子関係には
血の繋がり以上の絆があるんだよね…


「ジンにもヒナコちゃんにも
 申し訳ない事をしてしまったわ…」

「え…?」

「だって…
 2人の父親の命を
 私が奪ってしまったんだもの…」

「煌月さん…」



 
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