隣人はクールな同期でした。

氷萌

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*収束なはずです。

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まさか逆ギレして喧嘩する事じゃないっしょ?
最善の策がそれしか思い浮かばなくて
そうなったら他の選択肢とかは考えてなかったんだよ。


「今回のお前
 やたらと他のヤツの言葉に左右されてんな」

「…マジ?」

「噂もそうだけど
 そんな事に翻弄されるような女だったか?」

「それは…」


煌月の言う通りかもしれない。
今まで気にもならなかったはずなのに
今回は知らず知らずのうちに悩んだり迷ったり
挙句の果てに食欲までなくなって大量飲酒に走って。


「そんなに独りで抱えてたのか?」

「そんな事…は…」


ただすごく
早乙女さんの気持ちだとか
煌月だけが処分食らったのとか
陽向さんはアタシのために彼女と話をしてくれたのに
何もせずにいた自分が、許せなかった。


「変…だな、本当…
 引っ越しとか考えて…」

「七星…?」

「アタシ…
 アンタと離れたくないんだと、思う」

「…え?」


偶然隣に住んでるただの同期だけど
なんだかんだ言いながらも毎日バカ言って
“男友達”みたいに気が楽な存在で
恋愛とかよくわかんないけど…
居心地がいいんだ。
 
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