隣人はクールな同期でした。

氷萌

文字の大きさ
上 下
142 / 396
*仕組まれた罠でした。

12

しおりを挟む
その夕方。
課長に呼ばれ言い渡された思い掛けない返答に
アタシは愕然とした―――


「え…
 何もなし…?」


驚きのあまり
瞬きを忘れるくらい。


「副編集長から
『自分が七星をあんな時間に呼び出して
 仕事を手伝わせた』って報告があったんだ」


煌月が…?


「『何もなかったとは言え、誤解を招くような事態にさせた事は
 責任はすべて自分にある』との事だ」

「そんなッ
 それはアタシにも言える事ですッ」


煌月なに言ってんのッ
なんで自分だけ責任被ったのさ!


「煌月は副編集長としての立場もある。
 だから謹慎処分が成されている。
 それに、わかってやれ。
 お前に非がないように守ったのは
 彼自身なんだから」


アイツどうして余計な事ッ
アタシだけお咎めナシって
何してくれてんの!?


「噂好きも多い。
 今後はくれぐれも気を付けるように」


そんな一言でまとめてくれたけど
そんなんでいいワケがない。

…かと言って
煌月には連絡が取れないし
確かめようがない。


納得いかないままこの件は
こんな結果で終わってしまうの?
 
しおりを挟む

処理中です...