隣人はクールな同期でした。

氷萌

文字の大きさ
上 下
69 / 396
*わだかまり

9

しおりを挟む
「お取込み中悪いんだけど」


急に後ろから声がして振り返ると
入口に立っていたのは。


「煌月ッ」


まさか今までの会話
全部聞かれた!?


「七星、今すぐ帰れ。
 まだ顔色が悪い」

「え、いやでも」

「広報課長には伝えておいた。
 『具合悪いみたいで休養室にいる』って。
 そしたらそのまま帰宅させろってさ」


なぜコイツまで勝手な事を…
それに今こんな状況で帰るとか…


「陽向さん
 申し訳ないですが七星との話はまた今度で。
 見ての通り熱がありますし
 また倒れても困るんで」

「あ、あぁ…
 それもそうだな…」


半ば強引な煌月のおかげで
さっきまでの暗黒モードが
一気に消えた感じだ。
邪魔しに来ただけな気もするけど。


「あ、そうだ陽向さん」

「…なんだ?」

「あんまり七星に無理をさせないでください。
 心臓が悪いから負担を掛けさせたくないので」

「え…」


ちょっと!?
何サラっとカミングアウトしてくれた!?
あれだけ口留めしといたのに
あっという間の裏切り!?


しおりを挟む

処理中です...