隣人はクールな同期でした。

氷萌

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*わだかまり

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この数年ずっと忘れていたのに
どうして記憶を呼び起こしてくれたんだ、この人は。


「どうして今更そんな話を蒸し返すの…」

「今だからだ。
この数年で仕事も生活も落ち着いて
日本に帰る事になって…
俺はセツナに
あの時の事を謝りたかった」

「何それ…」

「俺はずっと
 セツナを忘れられなかった。
 ずっと好きだったんだよ!
 別れた事を後悔したし
 あの時のお前の顔が頭から離れなかったんだッ」

「ふざけないでッ」


感情が高まったせいで
思わず大きな声を出してしまったよ。
だけど今のアタシに
自分を止める余裕なんてなくて。


「アタシの意見も考えも何も聞かずに
自分1人で勝手に別れるって決められて
まさか見送りの当日にそんな事を言われるなんて
誰が想像する?
その現実を受け入れる前にアナタはいなくなって
そして今度は何?
仕事も生活も落ち着いたから
まだアタシを好きだったって気付いたと?
忘れてなかったって?
連絡なんて1度だって来なかったのに
今更そんな虫のイイ話ッ」


あ、やば…
熱が上がりそ…
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