64 / 396
*わだかまり
4
しおりを挟む
それなのにこの男…
「別れていても
熱があるコを放っておく事は出来ないだろ。
お前が心配なんだ」
なんて真剣な顔して言うんだから
逆にこっちが困惑します。
それに心配って…
今そんな事思われても。
だったらもっと
“あの時”に心配してくれても良かったんじゃないのかって…
まぁなんにせよ過去は過去だ。
「微熱くらいで大騒ぎしなくても
本当に平気なので大丈夫です。
じゃぁアタシは部署に戻るので」
飲み終わったコーヒーカップを片付け
給湯室を出ようとすると―――
「待って、セツナ…」
なぜか呼び止められ
反射的に立ち止まってしまった。
イヤな予感しかしないのに…。
「なぁ、セツナ?
あの日の事、ちゃんと話を聞いてほしい」
「だからその話は――」
「避けられてるのはわかってる。
聞きたくないのも、わかる。
だけど、ちゃんと話しておきたいんだ」
アタシが拒否するのをわかっているから
そうさせないように先手を打って
言葉を遮り耳を傾けさせる。
ズルイやり方だよね。
「別れていても
熱があるコを放っておく事は出来ないだろ。
お前が心配なんだ」
なんて真剣な顔して言うんだから
逆にこっちが困惑します。
それに心配って…
今そんな事思われても。
だったらもっと
“あの時”に心配してくれても良かったんじゃないのかって…
まぁなんにせよ過去は過去だ。
「微熱くらいで大騒ぎしなくても
本当に平気なので大丈夫です。
じゃぁアタシは部署に戻るので」
飲み終わったコーヒーカップを片付け
給湯室を出ようとすると―――
「待って、セツナ…」
なぜか呼び止められ
反射的に立ち止まってしまった。
イヤな予感しかしないのに…。
「なぁ、セツナ?
あの日の事、ちゃんと話を聞いてほしい」
「だからその話は――」
「避けられてるのはわかってる。
聞きたくないのも、わかる。
だけど、ちゃんと話しておきたいんだ」
アタシが拒否するのをわかっているから
そうさせないように先手を打って
言葉を遮り耳を傾けさせる。
ズルイやり方だよね。
0
お気に入りに追加
73
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる