隣人はクールな同期でした。

氷萌

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第2章 再会とは酷なモノです。

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「あれ。
 思ったより嬉しそうに戻ってきたじゃん」


デスクに戻ると
煌月はアタシの反応を見るなり
意外そうな表情を浮かべている。


「まーね。
 残念ながら説教じゃなかった」


なんとも清々しい気持ちの良い朝だ!
こういう日は例え遅刻しても
全部チャラになるくらい気分がいい!←いや遅刻はダメだろ。


「さっそく編集部に行って
 仕事に取り掛からないとな」


張り切るアタシだが
隣で煌月に…


「…編集部に行くなら
 覚悟しといた方がいいぞ」


なぜか
かなり意味深な忠告をされた。


「何…なんかあるの?」

「…さぁな。
 自分の目で確かめな」


なんだそれ…
めちゃくちゃ気持ち悪い濁し方…


「なんかホラー要素でもあるんだか」


サボり中の煌月を広報部に放置し←人聞きが悪い。
課長(♂)から手渡された新しい仕事の資料を持って
編集部へと向かうと
なぜか女性社員達が挙(こぞ)って編集室の前に群がっていた。

何?
この騒ぎは。


「…どうしたんすか?」


近くにいた女性社員に
とりあえず聞いてみた、が。

想像以上の返答が返ってきた―――



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