隣人はクールな同期でした。

氷萌

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第1章 同期はクールなヤツでした。

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「キミんとこの課長から聞いたぞ!
 広報部のエースだってな!」

「は、はぁ…」


おい、課長(♂)。
エースってなんだ。
何をオッサン達に吹き込んだ?


「期待しているからな!
 しっかり頼んだぞ!」


…なんだろうか。
バカにされている気しかしない。


「七星くん、お酒が入ってないようだ。
 キミも飲みなさい」

「え、えぇ…」


そう言いながら
ビールをグラスに並々注がれる。


「こ、零れそうっす…」


成り行きでテーブルに同席させられ
飲んでは注がれ
半分も入っていながら更に注がれていく…
殺す気ですか、オッサン。


そんな楽しくもない
会社の飲み会は終盤を迎えた頃―――


「さすがに飲みすぎたな…」


スタッフから水を貰い
外の風に当たろうとロビーへと出ていくと
ソファにはすでに先約の姿が見えた。


「あれ、煌月達…?」


早乙女さんがソファに腰掛け
斜め前に煌月が立っている。


「何してんの…?」


近付き声を掛けてみると
すぐに状況が把握出来た。


「あ…七星さん…
 私、なんだか飲みすぎてしまったみたいです…」


そうだと思いましたよ。
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