隣人はクールな同期でした。

氷萌

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第1章 同期はクールなヤツでした。

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「いやいや、酔い潰れないから安心しな。
 ってか潰れた事ないっしょ?
 そんなに弱くないわ」


『余裕、余裕』って
片手をヒラヒラ振りながらビールを喉に流し込んでいると。


「そういう話じゃない」


と、否定され


「いいからやめろ」


ジョッキを取り上げられてしまった。


「え、ちょッ」


アタシの酒を返せッ


「七星、少しは体の事を考えろよな。
 心臓ストップする前にやめとけ。
それでなくても負担の掛かる飲み方ばっかしてんだ。
 また病院戻りになっても知らねぇぞ」

「き、気を付けまーす…」


急に説教されたな…。
立場がなくなり
小さく謝るしかないこの状況…。


「もうあの事故から5年くらい経ってるし
 そんなに心配しなくても…」

「あ?」


うわーぉ。
睨まれたー…。


「まさかお前…
 死にかけた事を忘れたんじゃないよな…?」


死にかけたって
そんなオーバーな…。


――5年前
入社してしばらく経った頃
電車に乗るため駅に向かう途中
信号無視された車に跳ね飛ばされて
体を道路に叩きつけられたって経験があっただけ。

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