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熱さにヤられたのは、夏のせい?
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しおりを挟む「おっと、生着替え中か」
「なッッ!?」
タイミング悪くドアが開き
有ろう事か、そこに立っていたのは壱琉。
「ノックくらいしなさいよッ!!」
途中まで捲りあげていた洋服を慌てて戻し
ささっと身だしなみを整える。
ギリセーフよね!?
この前みたいにオープンするのは
もう絶ッッ対イヤよ!?
「それだけ元気なら大丈夫そうだな」
中に入って扉を閉めると
そこに背中をつけて腕を組んでいる。
まさか出て行かずに居座る気?
「少し暑さにヤられただけだから
もう平気」
「へぇ。氷彗に”お熱”だったのかと思ったけど
違ったのかぁ~」
「ずっとそんな事ばっか!
なんなのッ!?
さっきから何が言いたの!?」
毒の混じった嫌味を言い放つ壱琉にイラっとし
ついムキになって荒い口調になってしまう。
これじゃぁ相手の思うツボ。
「べ~つに?
アンタら見てんのが おもしれーなってだけ」
バカにしたように鼻で笑いながら私の方に近付いてくるから、何かしてくるんじゃないかって、こっちは瞬き1つせず警戒して体を強張らせた。
それなのに壱琉は…
「冗談はそれくらいにしてっと。
さっきも思ったけど
アンタ、夏バテでもしてんだろ?
ずっと具合悪そうだったから」
私の前に立ち
上から見下ろしながら、そんな事を…
って、なんでその事を…?
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