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最も厄介?な、この大家。
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いきなりーーーーーーー
「詩菜」
突然、壱琉の低めの声に呼ばれ
『え?』と反射的に顔を上げると
呼んだ当人はソファの背もたれに手を着いて
苦しげに私に囁いた。
「アンタの体に興味はないはずだけどな…
俺も男だ」
「え…?」
「さすがにそれは…クる」
とーーーーーー
「・・・は?」
何を言ってんだ?コイツは。
愕然とするのも束の間。
「許せ」
そう言って何を仕出かすかと思いきや
顎をグイッとし顔を上に向けさせられ
ヤツの顔面が目の前に…
目の前!?
「ちょッッ!?」
この展開は
かなりヤバい!
近付く彼の胸板を
必死に押して拒絶を図るも
到底、歯が立たない。
『このままだと
勢いに流されてヤられるッ』
諦めそうになった。
その時。
「この非常時に何してるわけ?」
少し離れた場所から耳に入った別の声に
私のSOSが響く。
「氷彗ッ!
助けてッッ!!!」
まるでレ〇プ魔から逃げるように
力いっぱい叫んでいた。
「チッ」
氷彗の登場に悔しさを滲ませながら舌打ちし
ホールドしていた力が弱まり解放してもらえたから
その隙に急いでソファから立ち上がり
痛む右足を引きずりながら壱琉から離れた。
「心配して早く帰ってきたのに
どうしてキミはタオル1枚で
壱琉から襲われかけているのさ」
「えっと…
それは…」
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