上 下
56 / 115
最も厄介?な、この大家。

12

しおりを挟む

タオル1枚で階段から転げ落ちて
男に見られるなんて…恥さらし行為。

穴があったら
今すぐ入りたい…

目の前では
何事かと驚いた様子の壱琉。

そんな彼に『バカだ』と笑われるのを覚悟で
私は声を張った。

「こんな時にシャワーなんて浴びたのは悪かったと思う!服も着ないでウロウロするとか…子供みたいだって事もわかってるから!!」

何を言い訳にしているのか
何に対して主張したいのか
自分でも意味不明だ。

「なに熱くなってんだよ。
 俺はまだ何も言ってねーだろ」

私があんまり勢いよく言うものだから
困惑した表情で頭を掻いている。

「た、確かにそうなんだけど…」

冷静にそんな事を言われてしまうと
返って、もっと恥ずかしい。

まぁでも…
帰ってきてくれた事にはホッとしている。
やっぱり独りより
誰かがいてくれた方が心強いから。

「それで?
 なんでそんな所に座り込んでんだよ。
 まさか停電に驚いて腰を抜かしたか?」

『ははっ』と薄ら笑いを浮かべる壱琉は
やっぱり馬鹿にしているようにしか見えず
私はすぐに否定をした。

「違います。
 停電したからブレーカーのところまで行こうとしたら、暗くてよく見えなくて階段を踏み外したんです」

言いながら
自分の発言にハッとしてしまった。




しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

運命の歯車が壊れるとき

和泉鷹央
恋愛
 戦争に行くから、君とは結婚できない。  恋人にそう告げられた時、子爵令嬢ジゼルは運命の歯車が傾いで壊れていく音を、耳にした。    他の投稿サイトでも掲載しております。

結構な性欲で

ヘロディア
恋愛
美人の二十代の人妻である会社の先輩の一晩を独占することになった主人公。 執拗に責めまくるのであった。 彼女の喘ぎ声は官能的で…

[R18] 激しめエロつめあわせ♡

ねねこ
恋愛
短編のエロを色々と。 激しくて濃厚なの多め♡ 苦手な人はお気をつけくださいませ♡

娼館で元夫と再会しました

無味無臭(不定期更新)
恋愛
公爵家に嫁いですぐ、寡黙な夫と厳格な義父母との関係に悩みホームシックにもなった私は、ついに耐えきれず離縁状を机に置いて嫁ぎ先から逃げ出した。 しかし実家に帰っても、そこに私の居場所はない。 連れ戻されてしまうと危惧した私は、自らの体を売って生計を立てることにした。 「シーク様…」 どうして貴方がここに? 元夫と娼館で再会してしまうなんて、なんという不運なの!

夫が寵姫に夢中ですので、私は離宮で気ままに暮らします

希猫 ゆうみ
恋愛
王妃フランチェスカは見切りをつけた。 国王である夫ゴドウィンは踊り子上がりの寵姫マルベルに夢中で、先に男児を産ませて寵姫の子を王太子にするとまで嘯いている。 隣国王女であったフランチェスカの莫大な持参金と、結婚による同盟が国を支えてるというのに、恩知らずも甚だしい。 「勝手にやってください。私は離宮で気ままに暮らしますので」

6年後に戦地から帰ってきた夫が連れてきたのは妻という女だった

白雲八鈴
恋愛
 私はウォルス侯爵家に15歳の時に嫁ぎ婚姻後、直ぐに夫は魔王討伐隊に出兵しました。6年後、戦地から夫が帰って来ました、妻という女を連れて。  もういいですか。私はただ好きな物を作って生きていいですか。この国になんて出ていってやる。  ただ、皆に喜ばれる物を作って生きたいと願う女性がその才能に目を付けられ周りに翻弄されていく。彼女は自由に物を作れる道を歩むことが出来るのでしょうか。 番外編 謎の少女強襲編  彼女が作り出した物は意外な形で人々を苦しめていた事を知り、彼女は再び帝国の地を踏むこととなる。  私が成した事への清算に行きましょう。 炎国への旅路編  望んでいた炎国への旅行に行く事が出来ない日々を送っていたが、色々な人々の手を借りながら炎国のにたどり着くも、そこにも帝国の影が・・・。  え?なんで私に誰も教えてくれなかったの?そこ大事ー! *本編は完結済みです。 *誤字脱字は程々にあります。 *なろう様にも投稿させていただいております。

可愛がってあげたい、強がりなきみを。 ~国民的イケメン俳優に出会った直後から全身全霊で溺愛されてます~

泉南佳那
恋愛
※『甘やかしてあげたい、傷ついたきみを』 のヒーロー、島内亮介の兄の話です! (亮介も登場します(*^^*)) ただ、内容は独立していますので この作品のみでもお楽しみいただけます。 ****** 橋本郁美 コンサルタント 29歳 ✖️ 榊原宗介 国民的イケメン俳優 29歳 芸能界に興味のなかった郁美の前に 突然現れた、ブレイク俳優の榊原宗介。 宗介は郁美に一目惚れをし、猛アタックを開始。 「絶対、からかわれている」 そう思っていたが郁美だったが、宗介の変わらない態度や飾らない人柄に惹かれていく。 でも、相手は人気絶頂の芸能人。 そう思って、二の足を踏む郁美だったけれど…… ****** 大人な、 でもピュアなふたりの恋の行方、 どうぞお楽しみください(*^o^*)

処理中です...