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最も厄介?な、この大家。
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しおりを挟む(怖いから)大人しくジッとしているのが懸命だと判断した私は、早めに家事を済ませる事に。
午後の便で送られてきた郵便物を分けていると
その中に壱琉の祖父・私の以前アパートの元大家からの封筒を見つけた。
あ、そう言えば…
壱琉はここで祖父と暮らしていたって言っていたけれど、その元大家は今はどこにいるのだろう。
この家に引っ越してきてから間もないけど
私は1度も挨拶が出来ていない。
壱琉はあんな性格だから説明もしてくれないし
他人の家庭の事情に口を挟むつもりもないけれど…
「まさか…
まさか、ね」
”悪い予感”
ふと思ってしまった考えは良くない。
こうして郵便物も届いているんだし
きっとアレだ。
『息子夫婦と一緒に住む事になりました』ってヤツだろう。
氷彗の”いいとこのお坊ちゃま”というのも
疑問が幾つか残るし、あの2人は黒いベールに包まれていてやっぱり謎が多い。
*****
『19時頃から局地的で暴風雨に見舞われるでしょう。』
壱琉の脅しのおかげで
朝から天気予報が気になっている私は
掃除の合間にテレビを点けては情報収集。
知っておけば覚悟が出来るでしょ。
…なんの覚悟かわからないけど。
時計は18時を指していて
外はもうほぼ暗い。
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