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無口なキミは、氷のよう。
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しおりを挟む見た目が若いなって思ったのは
髪型とか肌質とか…
あ、なるほど。それか。
「ちなみにここの大家の年齢って…?」
「…俺達と同じくらいじゃない?
よく知らないけど。」
一緒に住んでるのによく知らないって
さすがにそれくらいはわかるでしょ。
と言うより、知っていようよ。
本当に他人に興味がないのかい。
あー…ダメだ。
心の声が止まらない。
「いつからここに住んでるの?
ずっと彼と2人で暮らしているの?」
「…。」
1度だけ目を合わせてくれたけど
すぐに目を逸らされて
それっきり答えてくれなくなった。
『聞かないで』って事なのかな。
まぁ、人には言いたくない事の1つや2つ・・・
絶対もっとあるよね、この人。
「ところでこの辺りで買い物が出来そうな場所ってある?」
『いろいろと揃えたいし』と付け加え
食べ終わった食器をシンクに片付けながら
氷彗に聞いてみたのだけど
彼は黙々と食べてから少しして呟く。
「丘を降らないと店なんてない。
車が必要」
「…え、マジ?」
氷彗の言葉に
洗い物をしていた手が止まってしまった。
車なんて…私、持ってない。
もっと言えば、免許なんて“ペーパー”だ。
「昨日駅まで歩いて行こうとしてたみたいだけど…もしかして車はないの?」
「え、えぇ…
ペーパードライバーです…」
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