上 下
26 / 115
無口なキミは、氷のよう。

1

しおりを挟む

寝ぼけ眼に見知らぬ白い天井を見つめ
『ここは…あー…そうだった。男の家だ』と
記憶を呼び覚ましたのは今朝の事。

夢、じゃないよね。
当たり前か…。


様々な出来事があり
結果的に男2人とルームシェア+管理人を引き受ける事になったのは、つい昨日の話。

あのあと私は
用意されていた2階の1部屋を案内してもらい
濡れたキャリーバッグから荷物を取り出して乾かす間、ベッドに横になっていた。

すると見事に爆睡。

普通こんな状況に陥ったら
知らない家で眠れるはずなんてないようなものの
私の神経は図太いらしい。
あっという間に眠りに落ちたのだ。
警戒心がないわけじゃないはず。
かなり疲れていたんだという事にしておきたい。


白い薄いカーテンの隙間から差し込んでくる朝日。
空気を吸いたくなって窓も開けてみる。

昨日の悪天候が嘘のように
雲1つない青空と雨の雫でキラキラと光る草木。
涼しげな風が爽やかに流れてくる。

「眺め最高じゃん」

こういう場所は初めてだけど心地いい。
一昨日まで住んでいたボロアパートから比べると
この差は大きいな。


さて、何から始めよう?

壁に掛かっている時計は
朝の7時を指している。

彼等に挨拶もしないとだしと
下の階に降りてから考える事にした。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

運命の歯車が壊れるとき

和泉鷹央
恋愛
 戦争に行くから、君とは結婚できない。  恋人にそう告げられた時、子爵令嬢ジゼルは運命の歯車が傾いで壊れていく音を、耳にした。    他の投稿サイトでも掲載しております。

結構な性欲で

ヘロディア
恋愛
美人の二十代の人妻である会社の先輩の一晩を独占することになった主人公。 執拗に責めまくるのであった。 彼女の喘ぎ声は官能的で…

[R18] 激しめエロつめあわせ♡

ねねこ
恋愛
短編のエロを色々と。 激しくて濃厚なの多め♡ 苦手な人はお気をつけくださいませ♡

娼館で元夫と再会しました

無味無臭(不定期更新)
恋愛
公爵家に嫁いですぐ、寡黙な夫と厳格な義父母との関係に悩みホームシックにもなった私は、ついに耐えきれず離縁状を机に置いて嫁ぎ先から逃げ出した。 しかし実家に帰っても、そこに私の居場所はない。 連れ戻されてしまうと危惧した私は、自らの体を売って生計を立てることにした。 「シーク様…」 どうして貴方がここに? 元夫と娼館で再会してしまうなんて、なんという不運なの!

夫が寵姫に夢中ですので、私は離宮で気ままに暮らします

希猫 ゆうみ
恋愛
王妃フランチェスカは見切りをつけた。 国王である夫ゴドウィンは踊り子上がりの寵姫マルベルに夢中で、先に男児を産ませて寵姫の子を王太子にするとまで嘯いている。 隣国王女であったフランチェスカの莫大な持参金と、結婚による同盟が国を支えてるというのに、恩知らずも甚だしい。 「勝手にやってください。私は離宮で気ままに暮らしますので」

形だけの正妃

杉本凪咲
恋愛
第二王子の正妃に選ばれた伯爵令嬢ローズ。 しかし数日後、側妃として王宮にやってきたオレンダに、王子は夢中になってしまう。 ローズは形だけの正妃となるが……

【完結】亡き冷遇妃がのこしたもの〜王の後悔〜

なか
恋愛
「セレリナ妃が、自死されました」  静寂をかき消す、衛兵の報告。  瞬間、周囲の視線がたった一人に注がれる。  コリウス王国の国王––レオン・コリウス。  彼は正妃セレリナの死を告げる報告に、ただ一言呟く。 「構わん」……と。  周囲から突き刺さるような睨みを受けても、彼は気にしない。  これは……彼が望んだ結末であるからだ。  しかし彼は知らない。  この日を境にセレリナが残したものを知り、後悔に苛まれていくことを。  王妃セレリナ。  彼女に消えて欲しかったのは……  いったい誰か?    ◇◇◇  序盤はシリアスです。  楽しんでいただけるとうれしいです。    

処理中です...