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そんな話、聞いてませんけど。
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しおりを挟むいきなり殴り掛かってくるんじゃないかって
ヒヤヒヤしながら相手の反応を待っていたが
住人は「あー…」と一言だけ呟き
何かに納得したのかドアを開けてくれた。
聞き覚えのある名前で
警戒心が薄れたのかもしれない。
まぁそれなら良かったななんて思ったけれど
ドアを開けてくれた住人を見て
この家の第一印象並みに衝撃が走った。
大人のご夫婦かと思いきや
170㎝は超えているであろう身長にベージュ系の明るい髪色。
色白の細身で綺麗な二重目の20代くらいの男性なのだ。
そしてなかなかのイケメン。
「こ、こんにちは…」
いろんな意味の衝撃が未だ残る中
挨拶はしないとと思い目を合わせたまま軽く会釈したが
その彼は無表情にこちらを見つめるだけ。
警戒が解けたんじゃないの?
開けたのなら何か言ってよ。
「あ、あの…それで――」
「キミかぁ、了解」
とにかく用件を話そうとしたけれど
彼に遮られてしまった。
そして何が”了解”?
まったく意味不明な納得に
私は瞬きを数回。
こっちは何も了解出来てないんですけど…
「入れば?」
「え…、は?」
状況が呑み込めないのに”家に入れ”とのよくわからない誘いを受け、
思わず悪い反応をしてしまった。
すると彼の表情からも嫌悪感が・・・・
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