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そんな話、聞いてませんけど。
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しおりを挟むいったいここはどこ。
私は誰。ここで何しているの。
まさにそんな状態だ。
午前10時頃に出発し
現在の時刻は昼近く。
お腹が空いたけど
食事をする場所もなさそうだし…
まさか今夜は野宿決定?
待て待て。
私は新居を求めて来たのに
どうして野宿する羽目になる?
絶対おかしいでしょ。
成す術を失った私は
とりあえずこの家の住人に話を聞いてみる事に。
どこからどこまでが庭なのか
境界線のない敷地へと足を踏み込み
間近で見た家の大きさと形に驚いた。
”四角い家=一般的”のイメージしかない私にとっては
現実離れの家。
二階建てのようだけど特徴的な形をしているし
外から見るだけでもわかるくらいバルコニーが無駄に広い。
こんな豪邸
金持ちのご夫婦が住んでるに違いない。
さすがだなと謎の納得をしながら
玄関のチャイムを1回押してみると
素敵なメロディー音が聞こえてくる。
音まで金持ちっぽい。
しばらくするとドアが少しだけ開き
中から住人がジロリと睨んできた。
こ、怖ッ。
”来客お断り”って事?
「…誰。」
僅かな隙間から低い声が一言のみ聞こえただけで
一切、顔が見えない。
警戒心が半端じゃない。
「あ、あの…
この辺りに”月影さん”って方が所有している家はありますか…?」
訊ねるこっちが緊張する。
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