無彩色なキミに恋をして。

氷萌

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さよならの理由を知らないまま…

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木々や建物1つ1つがカラフルなイルミネーションの灯りで輝き、洋服や洋菓子店もショーケースには特別な日仕様に飾り付けられていて、もう街中はクリスマスムード。


父の関連会社の販売支店にも
さまざまなお客様が来店。

その半分以上の割合は男性で
思い思いに指輪だったりネックレスだったり
大半がアクセサリーを購入していって
お店側のラッピングだって普段以上の気合すら感じる。

年に1度の大イベントって本当凄い。


微笑ましくもあるし
1番には羨ましさもあるけれど
わたしも買ってみたんだ…
燈冴くんに渡すプレゼントを。
誕生石のサファイアが入った腕時計。
彼、9月が誕生日だから…。


燈冴くんが出て行ってしまってからは
一切の音沙汰はなく、父に聞いても『信じて待ちなさい』としか言われない。
だからって電話もしなかったのは
重荷になりたくなかったからなんだけど…

我慢したってクリスマスなんて待ってはくれない――――――


―――
――


「漣さん、こっちの仕事もお願いしても良いかしら?」

「あ、はい。全然大丈夫です」

12月24日、金曜の夜
もちろんわたしは仕事で
早々帰ってしまった他の社員の分まで残業。
プレゼントの代わりに受け取った大量の資料ファイルが山積み。








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