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特別な日(下)
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早川は空いたグラスをウェイターに渡し
おかわりのワインを受け取った
そして
また話の続きが始まった
「彼は少し見ないうちに容姿もそうだけど、話し方も大人っぽくなっていてね
”悠ちゃんの事はもう諦めました
ずっとこだわっていたけど
あなたの言う通り
今の俺には彼女を幸せになんてできない
それが十分わかったので
早川さんは悠ちゃんを幸せにできますか?”
以前に会った時のような敵対心は無くて
彼は僕に素直に聞いていることが分かったから
”できるよ
幸せにする
近々、プロポーズするつもりだよ”
って言ったんだ
悠さんとは真剣なお付き合いをしていたけど
自分の中で
やはり彼の事がどこか引っ掛かっていたから
実はまだ僕にはプロポーズなんて考えは無かったんだ
だけど、彼に対して何か言わなければ!!と焦ってね
そう言ったんだ
そしたら彼は笑顔になってね
”そうですか
そうなんですね・・・それは良かった
悠ちゃん
大切に思われているんですね
よかったです”
って悲しそうに笑ってた
最後には彼から
”俺の大切な人です
ずっとずっと
彼女の事を大切にしてください
宜しくお願いします”
って深々と頭を下げられたよ」早川
早川は困った表情で私を見た
私は彼から目を逸らした
「栞くん、留学するって
もう、行ったんじゃないかな…
これから誰も知らないところへ行って
大きくなって帰ってくるって
その時、君に頑張ったねって褒めてもらいたいって
かっこいい自分になってきますって」早川
早川は何が言いたいのだろう?
どうしてそんな話するのだろう?
私の胸は栞で一杯になってしまうじゃない
栞に会いたい
そんな私の顔を見つめる早川は
少し笑って
「悠さん・・・彼の事
まだ好きみたいだね
困ったな・・・」早川
早川はおもむろに懐から小さな箱を出した
それは
よくテレビなんかで見る光景
箱を開けるとキラキラと輝く石のついた指輪
「右手の方の話
僕は君の事が好きです
これから先もずっと好きです
結婚してください」早川
見つめる早川
困った表情の私を見て
「そう言おうって思った
栞くんに背中を押されたから
君を幸せにするって約束したから
プロポーズしようって決めた
だけど
そんな顔されたら
困るな・・・僕も」早川
彼は私から目を逸らして私の言葉を待っている
なにも言えないでいる私
彼はしばらくして
大きく息を吸って
「夫婦になるって色々あると思うんだ
全てを知る必要は
あったりなかったり
ホントに色々
だけと、スタートくらいは
全てをクリアにして
本当に間違えのない相手なのか?
これでいいのか?
それをしっかり考えて
決断したい
一生の事だから…
栞くんの事を言わなかったら
ずっと僕の中で止めていたら
もしかしたら君は
こんな日にこんな顔しなくてすんだのかもしれない
僕も君から
笑顔で良い返事が聞けたのかもしれない
だけど、やっぱり気になったんだ
彼の思い
あと、君の思い
あやふやなままで決断してもらいたくなかった」早川
私は彼(早川)の誠実な所が好きだ
強く真っ直ぐな…
いつも正しい決断をする彼が好きだ
だから、今日の彼の話は
彼らしいと思った
納得できた
こんな日ぐらい
こんな事
言わないで
隠したまま
心の奥にしまったままにしてもよかったのに…
私はそんな彼の前では
もう自分の気持ちをごまかせない
私も誠実になろう
「早川さん
わたし、栞くんが好きです
たぶん
ずっと…
忘れよう 終わったんだ
と何度も言い聞かせて
思わない努力をしていました
だけど
やっぱり無理
何かの拍子に思ってしまう
あなたが思っていた通りです
ごめんなさい」悠
私は真っ直ぐに早川を見て
彼からのプロポーズを断った
彼は全てを覚悟していたように
何度もうなずいて
指輪をまた懐にしまった
私は深くお辞儀をして彼を見る
彼は険しい顔に無理やり笑顔をつくりながらまた、うなずいた
私は早川を残して店を出た
おかわりのワインを受け取った
そして
また話の続きが始まった
「彼は少し見ないうちに容姿もそうだけど、話し方も大人っぽくなっていてね
”悠ちゃんの事はもう諦めました
ずっとこだわっていたけど
あなたの言う通り
今の俺には彼女を幸せになんてできない
それが十分わかったので
早川さんは悠ちゃんを幸せにできますか?”
以前に会った時のような敵対心は無くて
彼は僕に素直に聞いていることが分かったから
”できるよ
幸せにする
近々、プロポーズするつもりだよ”
って言ったんだ
悠さんとは真剣なお付き合いをしていたけど
自分の中で
やはり彼の事がどこか引っ掛かっていたから
実はまだ僕にはプロポーズなんて考えは無かったんだ
だけど、彼に対して何か言わなければ!!と焦ってね
そう言ったんだ
そしたら彼は笑顔になってね
”そうですか
そうなんですね・・・それは良かった
悠ちゃん
大切に思われているんですね
よかったです”
って悲しそうに笑ってた
最後には彼から
”俺の大切な人です
ずっとずっと
彼女の事を大切にしてください
宜しくお願いします”
って深々と頭を下げられたよ」早川
早川は困った表情で私を見た
私は彼から目を逸らした
「栞くん、留学するって
もう、行ったんじゃないかな…
これから誰も知らないところへ行って
大きくなって帰ってくるって
その時、君に頑張ったねって褒めてもらいたいって
かっこいい自分になってきますって」早川
早川は何が言いたいのだろう?
どうしてそんな話するのだろう?
私の胸は栞で一杯になってしまうじゃない
栞に会いたい
そんな私の顔を見つめる早川は
少し笑って
「悠さん・・・彼の事
まだ好きみたいだね
困ったな・・・」早川
早川はおもむろに懐から小さな箱を出した
それは
よくテレビなんかで見る光景
箱を開けるとキラキラと輝く石のついた指輪
「右手の方の話
僕は君の事が好きです
これから先もずっと好きです
結婚してください」早川
見つめる早川
困った表情の私を見て
「そう言おうって思った
栞くんに背中を押されたから
君を幸せにするって約束したから
プロポーズしようって決めた
だけど
そんな顔されたら
困るな・・・僕も」早川
彼は私から目を逸らして私の言葉を待っている
なにも言えないでいる私
彼はしばらくして
大きく息を吸って
「夫婦になるって色々あると思うんだ
全てを知る必要は
あったりなかったり
ホントに色々
だけと、スタートくらいは
全てをクリアにして
本当に間違えのない相手なのか?
これでいいのか?
それをしっかり考えて
決断したい
一生の事だから…
栞くんの事を言わなかったら
ずっと僕の中で止めていたら
もしかしたら君は
こんな日にこんな顔しなくてすんだのかもしれない
僕も君から
笑顔で良い返事が聞けたのかもしれない
だけど、やっぱり気になったんだ
彼の思い
あと、君の思い
あやふやなままで決断してもらいたくなかった」早川
私は彼(早川)の誠実な所が好きだ
強く真っ直ぐな…
いつも正しい決断をする彼が好きだ
だから、今日の彼の話は
彼らしいと思った
納得できた
こんな日ぐらい
こんな事
言わないで
隠したまま
心の奥にしまったままにしてもよかったのに…
私はそんな彼の前では
もう自分の気持ちをごまかせない
私も誠実になろう
「早川さん
わたし、栞くんが好きです
たぶん
ずっと…
忘れよう 終わったんだ
と何度も言い聞かせて
思わない努力をしていました
だけど
やっぱり無理
何かの拍子に思ってしまう
あなたが思っていた通りです
ごめんなさい」悠
私は真っ直ぐに早川を見て
彼からのプロポーズを断った
彼は全てを覚悟していたように
何度もうなずいて
指輪をまた懐にしまった
私は深くお辞儀をして彼を見る
彼は険しい顔に無理やり笑顔をつくりながらまた、うなずいた
私は早川を残して店を出た
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