5 / 50
心が動くとき
しおりを挟む
あのキスの日から
数か月
栞が気になってならない
毎日のように家にいる栞は
だいたい涼太の部屋にいるけども
一緒に夕食をとる日もあって
だけど
彼は今までと何も変わらない様子で
私だけがドキドキしながらそこにいた
「最近さ
ねぇちゃん無口だよね?
まえは一日であったどうでもいい事をダラダラ話してたくせに」涼太
涼太は最近、生意気な口調で私をイジル
小さい頃は私についてまわっていたのに
成長を感じるというよりは
少しムカつく存在
「どうでもいい事を話して悪かったわね!!」悠
私は不機嫌な顔になってしまうけど
涼太はニヤニヤした表情でからかう
「あっそうだ!!彼氏とはどうなってるの?
キスくらいできた?」涼太
”キス”という言葉に思わず栞を見てしまう
何も動じず食事をしている栞を見て
直ぐに目をそらしたけど私は一瞬で顔が赤くなる
「彼氏って・・・彼氏なんていないし
いても弟に言わないし!!」悠
「照れてんじゃね~よ
キモイな!!
別にいい年齢なんだから彼氏がいてもおかしくないだろ?
って言うか
これまでずっと居ない方が問題だったよな」涼太
涼太は栞に同意を求める
栞は丁寧に魚の小骨を取りながら
「悠ちゃんの魅力に気が付かない男が多いんだよ」栞
そう言うと栞はこちらを見てにっこり笑う
冷静な笑顔に私はまた目をそらす
「魅力?あるかな?
顔の割には子供っぽいしな~
お勉強しすぎて頭堅そうだしな~
付き合っても面白くなさそう!!
そそらない!!
あっ!いい言葉があった!!
根暗でムッツリな女!!」涼太
私は弟の言葉に若干ショックを受ける
だって結構あたっているから・・・
昔からそうだった
友達に恋人ができたら平然な顔をしながら
実は、心底うらやましかった
中・高と全くモテなかったから
男子から「おはよう」と声をかけられるだけで
トキメク事も多々あった
それで
勝手に目で追ったりして
よくも知らないその人の人間性を探るような妄想をして
恋したような気分になって
だけど
その人にはちゃんと彼女がいることが分かると
勝手に失恋をした
一方的で盛り上がっただけだから
二日くらい落ち込んで
お気に入りの恋愛漫画を猛烈に読んで
泣いたりして
すぐに立ち直れた
弟はそんな私を冷静に分析している
そして解析している
驚いた
私が何も言い返せないでいると涼太はたたみかける様に
「彼氏できたの隠したって無駄だから!
最近はスマホを気持ち悪い顔でニヤニヤしながら見てるから
バレバレだし
そんな事くらいその年齢で隠そうとしてるところが
またキモイから!!」涼太
私は弟に何度キモイといわれるのだろうか?
そんなに気持ちの悪い顔でスマホを見つめていたのだろうか?
我ながら情けない
「でもさ
悠ちゃんはそんなピュア~なところが可愛いんだよ
とってもお姉さんなのに
可愛いと俺はおもってるよ」栞
栞は涼太に言いながらも何故か私を真っすぐに見つめてほほ笑んだ
えっ?何なのこの優しさ!!
何なのこの包容力のある眼差し
また
頬が赤らんだ
私はどうかしている
中学生にこんなにドキドキさせられるなんて
やはり涼太の言う通り
私ってキモイのかもしれない
栞の言葉が気になってしまう
栞から目をそらしてしまう
栞の存在に動揺してしまう
胸の高鳴りが止まらなくて・・・息が苦しくなってしまう
これは
あのキスのせいだ
絶対にそうだ!!
私がおかしいのではない
あんなに不意に
優しく大人っぽくキスされたら
誰だってこんな風にポンコツになってしまうはずだ!!
私は栞の柔らかく温かい唇とふんわり優しい香り
そして
中2のくせに
普段からは想像もできないくらい大人っぽく男らしい一面が
忘れられない
心に焼き付いているのが
今更、気付いた
最近、純一郎からのメールの返事が億劫になっていた
数か月
栞が気になってならない
毎日のように家にいる栞は
だいたい涼太の部屋にいるけども
一緒に夕食をとる日もあって
だけど
彼は今までと何も変わらない様子で
私だけがドキドキしながらそこにいた
「最近さ
ねぇちゃん無口だよね?
まえは一日であったどうでもいい事をダラダラ話してたくせに」涼太
涼太は最近、生意気な口調で私をイジル
小さい頃は私についてまわっていたのに
成長を感じるというよりは
少しムカつく存在
「どうでもいい事を話して悪かったわね!!」悠
私は不機嫌な顔になってしまうけど
涼太はニヤニヤした表情でからかう
「あっそうだ!!彼氏とはどうなってるの?
キスくらいできた?」涼太
”キス”という言葉に思わず栞を見てしまう
何も動じず食事をしている栞を見て
直ぐに目をそらしたけど私は一瞬で顔が赤くなる
「彼氏って・・・彼氏なんていないし
いても弟に言わないし!!」悠
「照れてんじゃね~よ
キモイな!!
別にいい年齢なんだから彼氏がいてもおかしくないだろ?
って言うか
これまでずっと居ない方が問題だったよな」涼太
涼太は栞に同意を求める
栞は丁寧に魚の小骨を取りながら
「悠ちゃんの魅力に気が付かない男が多いんだよ」栞
そう言うと栞はこちらを見てにっこり笑う
冷静な笑顔に私はまた目をそらす
「魅力?あるかな?
顔の割には子供っぽいしな~
お勉強しすぎて頭堅そうだしな~
付き合っても面白くなさそう!!
そそらない!!
あっ!いい言葉があった!!
根暗でムッツリな女!!」涼太
私は弟の言葉に若干ショックを受ける
だって結構あたっているから・・・
昔からそうだった
友達に恋人ができたら平然な顔をしながら
実は、心底うらやましかった
中・高と全くモテなかったから
男子から「おはよう」と声をかけられるだけで
トキメク事も多々あった
それで
勝手に目で追ったりして
よくも知らないその人の人間性を探るような妄想をして
恋したような気分になって
だけど
その人にはちゃんと彼女がいることが分かると
勝手に失恋をした
一方的で盛り上がっただけだから
二日くらい落ち込んで
お気に入りの恋愛漫画を猛烈に読んで
泣いたりして
すぐに立ち直れた
弟はそんな私を冷静に分析している
そして解析している
驚いた
私が何も言い返せないでいると涼太はたたみかける様に
「彼氏できたの隠したって無駄だから!
最近はスマホを気持ち悪い顔でニヤニヤしながら見てるから
バレバレだし
そんな事くらいその年齢で隠そうとしてるところが
またキモイから!!」涼太
私は弟に何度キモイといわれるのだろうか?
そんなに気持ちの悪い顔でスマホを見つめていたのだろうか?
我ながら情けない
「でもさ
悠ちゃんはそんなピュア~なところが可愛いんだよ
とってもお姉さんなのに
可愛いと俺はおもってるよ」栞
栞は涼太に言いながらも何故か私を真っすぐに見つめてほほ笑んだ
えっ?何なのこの優しさ!!
何なのこの包容力のある眼差し
また
頬が赤らんだ
私はどうかしている
中学生にこんなにドキドキさせられるなんて
やはり涼太の言う通り
私ってキモイのかもしれない
栞の言葉が気になってしまう
栞から目をそらしてしまう
栞の存在に動揺してしまう
胸の高鳴りが止まらなくて・・・息が苦しくなってしまう
これは
あのキスのせいだ
絶対にそうだ!!
私がおかしいのではない
あんなに不意に
優しく大人っぽくキスされたら
誰だってこんな風にポンコツになってしまうはずだ!!
私は栞の柔らかく温かい唇とふんわり優しい香り
そして
中2のくせに
普段からは想像もできないくらい大人っぽく男らしい一面が
忘れられない
心に焼き付いているのが
今更、気付いた
最近、純一郎からのメールの返事が億劫になっていた
0
お気に入りに追加
13
あなたにおすすめの小説
ヤリたい男ヤラない女〜デキちゃった編
タニマリ
恋愛
野獣のような男と付き合い始めてから早5年。そんな彼からプロポーズをされ同棲生活を始めた。
私の仕事が忙しくて結婚式と入籍は保留になっていたのだが……
予定にはなかった大問題が起こってしまった。
本作品はシリーズの第二弾の作品ですが、この作品だけでもお読み頂けます。
15分あれば読めると思います。
この作品の続編あります♪
『ヤリたい男ヤラない女〜デキちゃった編』
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
極上エリートとお見合いしたら、激しい独占欲で娶られました 俺様上司と性癖が一致しています
如月 そら
恋愛
旧題:俺様上司とお見合いしました❤️
🍀書籍化・コミカライズしています✨
穂乃香は、榊原トラストという会社の受付嬢だ。
会社の顔に相応しい美麗な顔の持ち主で、その事にも誇りを持っていた。
そんなある日、異動が決定したと上司から告げられる。
異動先は会社の中でも過酷なことで有名な『営業部』!!
アシスタントとしてついた、桐生聡志はトップセールスで俺様な上司。
『仕事出来ないやつはクズ』ぐらいの人で、多分穂乃香のことは嫌い。
だったら、こんなお仕事、寿退社で辞めてやるっ!と応じたお見合いの席には……。
🍀2月にコミックス発売、3月に文庫本発売して頂きました。2024年3月25日~お礼のショートストーリーを連載中です。
幼なじみとセックスごっこを始めて、10年がたった。
スタジオ.T
青春
幼なじみの鞠川春姫(まりかわはるひめ)は、学校内でも屈指の美少女だ。
そんな春姫と俺は、毎週水曜日にセックスごっこをする約束をしている。
ゆるいイチャラブ、そしてエッチなラブストーリー。
極上の一夜で懐妊したらエリートパイロットの溺愛新婚生活がはじまりました
白妙スイ@書籍&電子書籍発刊!
恋愛
早瀬 果歩はごく普通のOL。
あるとき、元カレに酷く振られて、1人でハワイへ傷心旅行をすることに。
そこで逢見 翔というパイロットと知り合った。
翔は果歩に素敵な時間をくれて、やがて2人は一夜を過ごす。
しかし翌朝、翔は果歩の前から消えてしまって……。
**********
●早瀬 果歩(はやせ かほ)
25歳、OL
元カレに酷く振られた傷心旅行先のハワイで、翔と運命的に出会う。
●逢見 翔(おうみ しょう)
28歳、パイロット
世界を飛び回るエリートパイロット。
ハワイへのフライト後、果歩と出会い、一夜を過ごすがその後、消えてしまう。
翌朝いなくなってしまったことには、なにか理由があるようで……?
●航(わたる)
1歳半
果歩と翔の息子。飛行機が好き。
※表記年齢は初登場です
**********
webコンテンツ大賞【恋愛小説大賞】にエントリー中です!
完結しました!
鬼上司の執着愛にとろけそうです
六楓(Clarice)
恋愛
旧題:純情ラブパニック
失恋した結衣が一晩過ごした相手は、怖い怖い直属の上司――そこから始まる、らぶえっちな4人のストーリー。
◆◇◆◇◆
営業部所属、三谷結衣(みたに ゆい)。
このたび25歳になりました。
入社時からずっと片思いしてた先輩の
今澤瑞樹(いまさわ みずき)27歳と
同期の秋本沙梨(あきもと さり)が
付き合い始めたことを知って、失恋…。
元気のない結衣を飲みにつれてってくれたのは、
見た目だけは素晴らしく素敵な、鬼のように怖い直属の上司。
湊蒼佑(みなと そうすけ)マネージャー、32歳。
目が覚めると、私も、上司も、ハダカ。
「マジかよ。記憶ねぇの?」
「私も、ここまで記憶を失ったのは初めてで……」
「ちょ、寒い。布団入れて」
「あ、ハイ……――――あっ、いやっ……」
布団を開けて迎えると、湊さんは私の胸に唇を近づけた――。
※予告なしのR18表現があります。ご了承下さい。
【完結】やさしい嘘のその先に
鷹槻れん
恋愛
妊娠初期でつわり真っ只中の永田美千花(ながたみちか・24歳)は、街で偶然夫の律顕(りつあき・28歳)が、会社の元先輩で律顕の同期の女性・西園稀更(にしぞのきさら・28歳)と仲睦まじくデートしている姿を見かけてしまい。
妊娠してから律顕に冷たくあたっていた自覚があった美千花は、自分に優しく接してくれる律顕に真相を問う事ができなくて、一人悶々と悩みを抱えてしまう。
※30,000字程度で完結します。
(執筆期間:2022/05/03〜05/24)
✼••┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈••✼
2022/05/30、エタニティブックスにて一位、本当に有難うございます!
✼••┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈••✼
---------------------
○表紙絵は市瀬雪さまに依頼しました。
(作品シェア以外での無断転載など固くお断りします)
○雪さま
(Twitter)https://twitter.com/yukiyukisnow7?s=21
(pixiv)https://www.pixiv.net/users/2362274
---------------------
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる