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第二王子と…

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「えっとこれはどうした事でしょうか?」
王様の御前であるのにもかかわらず、私は軽くパニック状態でした。

「リアム、落ち着きなさい。」

アデル様に声をかけられハッとする私。

「大変申し訳ありませんでした。」

アデル様のお陰で冷静になる私。
「リアム、驚かせて悪かった。先日は訳あってこの姿で街を歩いていたら……つい護衛から離れてしまいそのタイミングで事件に巻き込まれてしまったんだ。助けて貰って感謝しているよ。」

この姿?ってと疑問が浮かぶが、
「第二王子が世話になったな。」
王様に感謝を述べられ、疑問は頭の片隅へ追いやられる。
「恐縮です。」
「リアム、アラン家は確か数年前娘が攫われそうになった事件があったと記憶しているが?」
王様は世間では忘れられている事件をおぼえている様だ。
「その通りでございます。」
「あれから娘の姿を社交界でも見る事がないと聞くが、どうしている?」
なんて答えたらいいんだろう。
「妹は……あれ以来引きこもっております。」
これしか言いようが無いよね。
「そうか。」
重い雰囲気の中、
「発言をしても良いでしょうか?」
今度は私から話を振る。
「良いぞ。」
と頷く王様。
「先日捕まったもの達は、妹の誘拐事件に関わったもの達でしたか?」
これが私の1番知りたかった事だ。
私の問いに答えてくれたのは王子だった。
「残念ながら、捕まえたもの達は下っ端で、全体に何をしている組織だかも知らないもの達だったよ。だからただ、上のものが指示する様に動いていたらしい。」
「そう……ですか。」
もう少し確信に迫れるんじゃないかと期待してしただけにガッカリしてしまった。
「リアムは妹を誘拐しようとした犯人を探しているのか?」
王子が聞く。
「はい。あの事件はアラン家にとって最悪の出来事でした。そして最近、あの事件が魔力持ちの子どもを攫う目的で、今も同じような事件が続いていると知り、是非捕まえたい!と強く思っています。」
あの事件のせいでリアムは今も目覚めない。
絶対に許せない!
「では、特別にフィンドレイと共に犯人を探す任務を与えよう。」
「フィンドレイ?えっと……」
「私だよ。リアム。よろしく。」
「フィンが?フィンドレイ?って王子様と犯人探しをするんですか?」
もうびっくりし過ぎてちゃんとした言葉が使えない!
「すまぬな。護衛にアデルもつけるから!」
王様それはどういう話でしょうか?
「フィンドレイもどうしてもこの事件を解決したいと考えている1人だ。しかし第2王子と言う立場である為なるべく危険な目にはあって欲しくないんだが……言うことを聞かないから、先日の君の勇姿を聞いて護衛も兼ねてという話だ。」

王様……止めたいけれど止められないからよろしく!って事ですかね?

「君も犯人を探しているならちょうど良い話だろ?」
とフィン。いやフィンドレイ様。
思わずアデル様を見ると、頷いている。
多分アデル様はこの話を先に聞いていたんだろうな。
「あの、僕だけでは正直心許ないので、僕の魔法の師匠も一緒にお願いしても良いでしょうか?」
「それって…もしかして…」
アデル様が感づいたようです。
「もちろん本人にも打診して見ないとですが…」
被せて言う。
「君が信頼している相手なら…本人が了解したら是非会ってみよう。」
王子も了解してくれたので安心する。帰ったらハルトを誘ってみよう。

「ではその君の師匠の返答を聞いてから詳しいことは話すことにしよう。」
「はい。」
「ところで……妹の名は何というのだ?」
何故私の名前が出てくるんだ?
「妹の名はエレナですが……。」
「そうか。美しく育っているんだろうな……。部屋から出られないとは気の毒だな…。」
いや……目の前に居るんですがね。
なんかすみません。って気持ちになりながら、ふと何故10歳程度の王子にこんな質問をされたのか?と
王宮を後にしてから思ったが、もう確かめようがないですね。
とりあえずアデル様に、
「王子様、なんか年下と思えない雰囲気でしたね。いや、見た目はもちろん10歳位にしか見えませんでしたが。やっぱり高貴なお方だからですかね?」
と言うと、
「どうなんでしょうね?」
となんかはぐらかされてしまいました。
「と言うかアデル様、今日の流れ、知っていましたね?」
「わかりましたか?でも君もまさか弟を巻き込もうと思うなんてびっくりしましたよ。」
なんだかもう今日は大変疲れました。
それでも思ったよりも早い段階で、事件の捜査に公式に加われる訳だから大収穫ね。
近いうちにリアムに会いに行かなきゃね。
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