上 下
9 / 27

始まる魔法の授業で思わぬ収穫

しおりを挟む
ここは魔法訓練施設。
これから私にとっては初の魔法の授業が始まる。

先生はなんと担任のカール先生だった。

そしてハルト。
そしてそして上級生が3人。

「今日からこのクラスに加わる1年のアラン・リアム君だ。」
カール先生により紹介される。

「リアムと呼んでください。最近魔法が使える様になったばかりです。よろしくお願いします!」
すると
「僕はグレイン・オルガ-ノ3年だよ。よろしく。」
ニッコリ笑う先輩は銀髪の長髪を後ろで一本に縛ったスタイル。に優しい目をした方です。

「俺はクシュール・ケイン3年よろしく。」
茶色い髪に少し釣り目のイケメンさんです。

「随分可愛い子が来たね。僕は後ウェスター・ジュークだよ。よろしくね。」
身長150センチ位で耳元までかかるふゎっとした髪型が似合うりかわいい雰囲気の先輩です。

「グレイン先輩に、クシュール先輩、ウェスター先輩ですね!改めましてよろしくお願いします。」

笑顔で挨拶が基本です!
でも何故か先輩方はむせたり赤面したり驚いた顔をしています。


そんな時、カール先生が手をたたく。
「さて、自己紹介が済んだところで授業をしよう。」
そこで授業が始まった。
「まずは君がどれほどの魔力の持ち主かだな。」
クシュール先輩が言う。
それは私が知りたいところだわ。

「彼は光、風、火・水魔法が今のところ使えますよ。」
ハルトが先輩に言う。
「随分魔力は高い可能性が高いな。」

「魔力を使えるという事はこの国で貴重な存在だ。しかし使い方を誤ると大変なことになってしまう。
それに、この力を悪用しようと近付いて来る者もいるから注意しなければならない。」
「悪用ですか?」
「そうだよ。それに…数年前から子どもが攫われる事件が瀕発しているが、それは魔力持ちを探してるって話だ。」
えっ?攫われる?
「それって有名な話?」
「いや、余りおおっぴらには公表されていない話だよ。ただの誘拐事件で処理されているはずだよ。」
「そうですか……犯人は捕まっているんですか?」
「残念ながら捕まっていないよ。」

なんて事……もしかして、あの時の犯人達は私だけでなく多くの子を誘拐して回ってるって事かしら?

大事なリアムを傷つけた犯人は絶対捕まえたいわ!

「リアム?どうした?」

考え込んでいた私を心配そうにグレイン先輩が覗き込む。
「いえ大丈夫です!進めて下さい。」
授業中だった。
「そう言う事情だから、この授業はしっかり受けて貰いたいって話だ。」
カール先生が言う。
「つまり、僕が強い魔法使いになれたら、いつかこの犯人達を捕まえる任務が与えられるかも知れないってことですか?」
「あぁ、そう言う可能性もあるかも知れない。」


それならしっかり学んで強くならなきゃね。



ここに来て手掛かりが貰えるなんて思ってなかった。
「まず、魔力を持っているからと言って全ての魔法が使えるわけではない。
適性がないものは練習しても使えない場合もある。
ただ1番大事なのはイメージしてそれを如何に具現化出来るか?って事だよ。
君は、まだ発展途上だから適正はゆっくり見ていこう。」
とカール先生。
「わかりました。」
「ではリアム君以外はいつもの様に訓練していてくれ。
ではリアム君は僕と一緒にこっちだ。」
カール先生に誘導されるまま移動する。
「はい。」
「じゃあまず何かやって見せてくれるかい?」
カール先生から課題が出される。
え~さっきイメージするのが大事って言ってたよね?
それならやったことないけどやってみたいことはある!
カバンに入ってるあれを使おう。



「じゃあ……コップを取り出します。」
「えっ?」
「ウォーター&フリーズ」
コップに向かって技を繰り出す。
コップの中に水が入り、すぐに凍る。
「もういっちょ、ウォーター!」
カランッ
コップの中身が音を立てる。
「氷水です。」
「……」
カール先生無言です。

遠くで笑い声が聞こえてきます。
先輩方から注目されていたようです。

「あれ?こういう事では無かったですかね?」

「いや、今までこんな事をする生徒は居なかったから。うん、じゃ次行ってみようか。出来ればもう少し派手目で良いから。」
派手目?それって火とかかな?イメージね!
「では、ファイヤーソード!」
私の手には火で 出来た短めの剣が握られていた。
「やれば出来るじゃん」

って先輩が言ってるのが聞こえます。
「イメージでとアドバイスが貰えたので…後はハルトに教わった空中浮遊も出来ますよ。」
そう言ってから、
「レビテーション!」
浮遊して動くそして花壇の上まで行き、
「ウォーターシャワー!」
花壇に水撒きです。
「へぇ~リアム君には驚かされますね。」
カール先生が呟く。

「取り敢えずこんな感じですかね。
どちらかと言うと生活に関わるところで使えたら便利だな~って思うものの方がイメージわきやすいです。」

地上に無事に降り立った私はカール先生に現状を報告する。
「君、種類の異なる魔法を同時に使えるんだね。」
先生からは思ってもいなかった言葉をかけられた。
「それはどう言う意味ですか?」
「大抵同じジャンルの魔法は重ねて使える人はいるけれど、今みたいに風と水を両方いっぺんにはかなり難易度が高いんだよ。おまけに立て続けに魔法を繰り出したが、君は全然疲労していないようだし…大したものだよ。」
なんか気が付けば褒められている?
でも全然普通がわからないからな……

そんなこんなで今日の魔法の授業は終わりとなった。


「リアム君は大物のようだね。初心者とは思えない技だったよ。」
とグレイン先輩。
「まぁ、まさか空中浮遊からの水撒きだとは思ってもみなかったけどな。」
とクシュール先輩。
「攻撃魔法はこれから教えてあげるね。」
とウェスター先輩。
「放課後特訓だ。」
とハルト。

皆様にそれぞれお言葉を頂きました。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

【完結】異世界転移したら騎士団長と相思相愛になりました〜私の恋を父と兄が邪魔してくる〜

伽羅
恋愛
愛莉鈴(アリス)は幼馴染の健斗に片想いをしている。 ある朝、通学中の事故で道が塞がれた。 健斗はサボる口実が出来たと言って愛莉鈴を先に行かせる。 事故車で塞がれた道を電柱と塀の隙間から抜けようとすると妙な違和感が…。 気付いたら、まったく別の世界に佇んでいた。 そんな愛莉鈴を救ってくれた騎士団長を徐々に好きになっていくが、彼には想い人がいた。 やがて愛莉鈴には重大な秘密が判明して…。

婚約破棄されたら魔法が解けました

かな
恋愛
「クロエ・ベネット。お前との婚約は破棄する。」 それは学園の卒業パーティーでの出来事だった。……やっぱり、ダメだったんだ。周りがザワザワと騒ぎ出す中、ただ1人『クロエ・ベネット』だけは冷静に事実を受け止めていた。乙女ゲームの世界に転生してから10年。国外追放を回避する為に、そして后妃となる為に努力し続けて来たその時間が無駄になった瞬間だった。そんな彼女に追い打ちをかけるかのように、王太子であるエドワード・ホワイトは聖女を新たな婚約者とすることを発表した。その後はトントン拍子にことが運び、冤罪をかけられ、ゲームのシナリオ通り国外追放になった。そして、魔物に襲われて死ぬ。……そんな運命を辿るはずだった。 「こんなことなら、転生なんてしたくなかった。元の世界に戻りたい……」 あろうことか、最後の願いとしてそう思った瞬間に、全身が光り出したのだ。そして気がつくと、なんと前世の姿に戻っていた!しかもそれを第二王子であるアルベルトに見られていて……。 「……まさかこんなことになるなんてね。……それでどうする?あの2人復讐でもしちゃう?今の君なら、それができるよ。」 死を覚悟した絶望から転生特典を得た主人公の大逆転溺愛ラブストーリー! ※最初の5話は毎日18時に投稿、それ以降は毎週土曜日の18時に投稿する予定です

一宿一飯の恩義で竜伯爵様に抱かれたら、なぜか監禁されちゃいました!

当麻月菜
恋愛
宮坂 朱音(みやさか あかね)は、電車に跳ねられる寸前に異世界転移した。そして異世界人を保護する役目を担う竜伯爵の元でお世話になることになった。 しかしある日の晩、竜伯爵当主であり、朱音の保護者であり、ひそかに恋心を抱いているデュアロスが瀕死の状態で屋敷に戻ってきた。 彼は強い媚薬を盛られて苦しんでいたのだ。 このまま一晩ナニをしなければ、死んでしまうと知って、朱音は一宿一飯の恩義と、淡い恋心からデュアロスにその身を捧げた。 しかしそこから、なぜだかわからないけれど監禁生活が始まってしまい……。 好きだからこそ身を捧げた異世界女性と、強い覚悟を持って異世界女性を抱いた男が異世界婚をするまでの、しょーもないアレコレですれ違う二人の恋のおはなし。 ※いつもコメントありがとうございます!現在、返信が遅れて申し訳ありません(o*。_。)oペコッ 甘口も辛口もどれもありがたく読ませていただいてます(*´ω`*) ※他のサイトにも重複投稿しています。

前世では美人が原因で傾国の悪役令嬢と断罪された私、今世では喪女を目指します!

鳥柄ささみ
恋愛
美人になんて、生まれたくなかった……! 前世で絶世の美女として生まれ、その見た目で国王に好かれてしまったのが運の尽き。 正妃に嫌われ、私は国を傾けた悪女とレッテルを貼られて処刑されてしまった。 そして、気づけば違う世界に転生! けれど、なんとこの世界でも私は絶世の美女として生まれてしまったのだ! 私は前世の経験を生かし、今世こそは目立たず、人目にもつかない喪女になろうと引きこもり生活をして平穏な人生を手に入れようと試みていたのだが、なぜか世界有数の魔法学校で陽キャがいっぱいいるはずのNMA(ノーマ)から招待状が来て……? 前世の教訓から喪女生活を目指していたはずの主人公クラリスが、トラウマを抱えながらも奮闘し、四苦八苦しながら魔法学園で成長する異世界恋愛ファンタジー! ※第15回恋愛大賞にエントリーしてます! 開催中はポチッと投票してもらえると嬉しいです! よろしくお願いします!!

夫に離縁が切り出せません

えんどう
恋愛
 初めて会った時から無口で無愛想な上に、夫婦となってからもまともな会話は無く身体を重ねてもそれは変わらない。挙げ句の果てに外に女までいるらしい。  妊娠した日にお腹の子供が産まれたら離縁して好きなことをしようと思っていたのだが──。

【完結】殿下、自由にさせていただきます。

なか
恋愛
「出て行ってくれリルレット。王宮に君が住む必要はなくなった」  その言葉と同時に私の五年間に及ぶ初恋は終わりを告げた。  アルフレッド殿下の妃候補として選ばれ、心の底から喜んでいた私はもういない。  髪を綺麗だと言ってくれた口からは、私を貶める言葉しか出てこない。  見惚れてしまう程の笑みは、もう見せてもくれない。  私………貴方に嫌われた理由が分からないよ。  初夜を私一人だけにしたあの日から、貴方はどうして変わってしまったの?  恋心は砕かれた私は死さえ考えたが、過去に見知らぬ男性から渡された本をきっかけに騎士を目指す。  しかし、正騎士団は女人禁制。  故に私は男性と性別を偽って生きていく事を決めたのに……。  晴れて騎士となった私を待っていたのは、全てを見抜いて笑う副団長であった。     身分を明かせない私は、全てを知っている彼と秘密の恋をする事になる。    そして、騎士として王宮内で起きた変死事件やアルフレッドの奇行に大きく関わり、やがて王宮に蔓延る謎と対峙する。  これは、私の初恋が終わり。  僕として新たな人生を歩みだした話。  

異世界で等価交換~文明の力で冒険者として生き抜く

りおまる
ファンタジー
交通事故で命を落とし、愛犬ルナと共に異世界に転生したタケル。神から授かった『等価交換』スキルで、現代のアイテムを異世界で取引し、商売人として成功を目指す。商業ギルドとの取引や店舗経営、そして冒険者としての活動を通じて仲間を増やしながら、タケルは異世界での新たな人生を切り開いていく。商売と冒険、二つの顔を持つ異世界ライフを描く、笑いあり、感動ありの成長ファンタジー!

チートな幼女に転生しました。【本編完結済み】

Nau
恋愛
道路に飛び出した子供を庇って死んだ北野優子。 でもその庇った子が結構すごい女神が転生した姿だった?! 感謝を込めて別世界で転生することに! めちゃくちゃ感謝されて…出来上がった新しい私もしかして規格外? しかも学園に通うことになって行ってみたら、女嫌いの公爵家嫡男に気に入られて?! どうなる?私の人生! ※R15は保険です。 ※しれっと改正することがあります。

処理中です...