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「さぁティナ行こうか。」

馬車から降りる時からシザール様がエスコートしてくれました。
チラッとお兄様の顔を見ると苦虫を噛み潰したような表情をされていますわ。

「よろしくお願いします。」

お城……本当にお城ですわ。
なんて語源力がないのでしょう。
圧倒される感覚を受けながら、案内役の方について進みます。
侵入者を迷わすためでしょうか?
何回も角を曲がらされましたわ。

「ティナ緊張してる?」

お兄様が心配そうな顔をされていました。
緊張?確かに緊張してるのかもしれません。
だって政治の中枢にきてるんですもの。
出かけにラベンダーの精油を染み込ませたハンカチを取り出して香りを吸い込みました。

「お兄様、大丈夫です。」

こんな経験滅多にできませんしね?

「ティナ、着いたよ。」

案内されたのはパーラー。豪華なティーセットが用意されておりました。


「さぁ、クリスティーナ嬢!ようこそ来てくれた。予想以上に美しい。」

この人が宰相ね?

「当たり前です。僕の妹ですから。」

お兄様…上司ですよね?

「お招きいただきありがとうございます。」

挨拶はしなきゃね。

「私の大事な人ですから。お忘れなく。」

シザール様まで。。。
でも肝心の殿下らしき人は居ないみたいです。

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