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そして冒頭にもどる。



「お前との婚約を破棄する!俺はお前みたいなやつが隣に立つなんて許せない!キャロルの様な可愛いさが必要なんだ!お前の様な醜く太った女とは一緒にいれない。」




なんだか外人の若い男の子が叫んでるなぁ。ってはじめは思った。
まさか私に対して言ってるなんて思いもしなかったっけ。

そうして一気に入ってきた情報。
えっと私は?朱里じゃなくクリスティーナ?
下を向くと爪先が隠れるほどのおなかのでっぱり!
手を握るとぷにぷにしてる?
あれ?
なんかデジャブ?
握った手を顔に持ってきて、開いた手で頬を触ると…ポヨン。
…まさか…私肥ってる?
「私、ちょっと急用を思い出しましたので、失礼します!」
そう言って出口に向かって走り出した。
正確には走ったつもりだがスピードは出ていない。
自分なりに急いではみる。
あまりの身体の重さに汗が出てくる。
後ろから声がする。
「おい、話は終わってないぞ!」
私としてはどうでも良い。振り返り
「婚約破棄ですよね?勝手にどうぞ。私はそんな事より確認しなきゃいけない事が出来ましたので!」
そう言い捨て、今度は振り向かず会場を去った。




私が会場から出るとうちの使用人が慌てて走り寄ってきた。
「お嬢様、如何なされましたか?」
本当に心配してくれているみたい。
「急いで帰ります。」
一言伝えると、
「承知いたしました。」
といい扉全開の馬車に乗せてくれた。
はじめての馬車な気がする。
乗り込む時身体が重かった。

いったい何が起きているのか?
まるでファンタジー小説の中みたい。
…小説?
あれ?
クリスティーナ…なんだか記憶してる名前な気もする…
それに…私もしかしてめちゃくちゃおデブじゃない?
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