87 / 92
05-Chorus
085話-探し人は何処
しおりを挟む
俺はつい先日までお世話になった王城前へと『転移』すると、門の衛兵に陛下から預かっていた入城許可書を見せる。
二人組の衛兵は許可書に目を向け、俺の顔をじっと見ると「どうぞお入りください」とすんなりと通してもらえた。
「ありがとうございます」
目的は陛下と飲んだ時にお世話になったメイドのミラさん。
彼女の尖った耳は少なくとも森人族である証だったのだが、彼女は「戦争で住むところが無くなりこの城で雇って貰えた」と酔った拍子に口にしていたのだ。
城の長い廊下を歩き、すれ違ったメイドさんにミラの行方を聞くとこの時間なら裏庭で洗濯をしていると聞き、何度か迷子になりながらも水場のある裏庭へと辿り着いた。
「ミラ!」
「え? あらユキ様、どうなされたのですか?」
ミラが耳をピクんとさせて洗濯物を片手に振り返る。
周りにいた他のメイドさんが「だれ?」という表情を向けてきたのだが、すぐにミラが「陛下のお客様です」と言うと全員が一斉に作業の手を止め頭を下げてきた。
皆さんに突然きて申し訳ないと謝り、ミラと二人で裏庭の隅にあったベンチへと移動した。
「ミラにお願いがあるんだけど……」
「私でだけ出来ることでしたら、お申し付けください」
「ミラは、森人族だよね?」
「……よくお気づきになりましたね」
「なんとなく予感がしたから確認しに来ただけだったんだけど、改めて見てはっきりとわかったよ」
「特に人間には見分けがつきにくいんですが……ユキ様はよく見てらっしゃいますね」
森人族に比べると、エイミーと同じで耳の先が少しだけ尖っているのだ。
というより、森人族は耳の尖が無くなり丸みがあると言った方が正しいだろう。
「ミラに一つお願いがあるんだ……さっき俺の仲間が舞台が終わった途端こつ然と消えたんだ」
俺は先程の状況とアイリスから聞いた可能性について包み隠さずミラへ伝えた。
「つまり、精霊魔法の痕跡を探してて欲しいと。そしてその女性……すいません、その森人族の女性のお名前はなんと?」
「…………エイミーっていう名前なんだけど」
同じ森人族、そしておそらく同じ国に住んでいたであろうミラの質問に俺は隠さずにエイミーの名を伝えた。
「エイミー……もしやエイミー・エクルース……さま……?」
「ごめん、俺たちは記憶をなくして森を彷徨ってた彼女を保護しただけで、フルネームは本人も知らないんだ」
「そのエイミー……様は……も、もしかしたら行方不明になっている森人族の……今は亡きエクルース国の王女の可能性が……」
ミラが信じられないといった様子でハラハラと涙をこぼし始める。
もちろん、俺はエイミーの本名を知っているが、あえて伝えなかった。
そしてミラの口から出たエイミーの本名は俺が知っているそれと一致する。
「……生きて……おられたのですね……うぅっ……」
「ごめんミラ、その可能性もあるけれど、今その彼女が姿を消したんだ。大事な仲間なんだ。彼女を探すのを手伝って欲しい」
俺が舞台に上げたせいで、仲間か敵かは分からないがその存在がバレて連れ去られたのだと思うと何がなんでも見つけ出さなければならない。
自分の浅はかさと、いざという時何もできない歯痒さに奥歯を噛みしめながらミラに懇願するようにお願いする。
「当然お手伝いいたします! ユキ様、一人メイドのものを連れて行ってもよろしいでしょうか?」
「仕事仲間? もしかして森人族の人?」
「いえ、彼女は犬人族なのですが人探しに特化した魔技を持っております」
「――っ! ぜ、是非お願いします!」
「承知いたしました。すぐに用意いたします。 ケイ! すぐにマーガレットを呼んできてっ! 最優先!」
扉近くにいたメイドさんがミラの大声にビクッとして手にしていた籠を落としてしまうが、最優先の仕事を言い渡されたメイドさんはすぐに振り返り扉の奥へと戻って行った。
近くに居た他のメイドさんが籠を広い、他のメイドへと手渡す。
「メイ! 洗濯終わったら私の代わりに詰所お願い! 人手が足らなかったらロイから借りて頂戴!」
ミラはあたりにいるメイドさんたちにパキパキと仕事の振替と、お礼を伝えていく。
(……すげぇなぁ……やっぱりミラはメイドの一番偉い人なんじゃないか?)
「ミラ様! お呼びですか?」
ミラのテキパキとした様子を眺めていると茶髪ロングヘアーのメイドさんがミラに駆け寄ってきた。
先程ミラが言っていたマーガレットさんだろう。
聞いていた通りの犬人族のようで、頭の上からツンと尖った三角形の耳。
腰のあたりからふさふさのしっぽが生えていた。
「ごめん、マーガレット、人探しを探したいの。今すぐ」
「はい、仕事は交代してもらいましたから大丈夫です」
「ありがとう、こちらの『荒野の星』座長のユキ様からの依頼よ」
ミラに紹介され「よろしくおねがいします」と頭を下げ、焦るミラと状況をまだはっきり理解していないマーガレットさんを連れ、噴水広場まで戻ったのだった。
――――――――――――――――――――
「すいません、エイミーという森人族の女性見ませんでしたか?」
「そうですか……ありがとうございます!」
「ごめんなさい、今人を探してて」
広場ではアイナたちがまだ解散しきっていなかったファンの人たちや通行人に次々と声をかけていてくれていた。
アイリスたちは俺の幻影一体と共に宿に戻っているようだ。
「あっ! ユキ!」
「ごめんおまたせ。こちらミラさんとマーガレットさん。今回無理言ってエイミーを探してもらうのを手伝ってもらえることになった」
「…………これは」
俺が戻ったことに気づいたアイナとケレスが駆け寄って来たのでミラさんとマーガレットさんを紹介したのだが、あの礼儀正しいミラさんが俺の言葉に気づいていないような素振りであたりを見回し始めた。
「……ミラ?」
「あっ、こ、これは大変失礼いたしました。ミラと申します。……微力ながらお手伝いをさせていただきます」
「すいません、よろしくお願いいたします。ユキの……私達の大切な仲間を見つけてください」
アイナたちとの挨拶をしている間も、ミラがしきりに耳をピクピクと動かしている。
そして数秒……突如ミラがなにかに気づいたような表情になり、俺の腕を掴んだ。
「――っ!? だめっ、ユキ様! なるべく遠くへ私を飛ばしてください! 早くっ!」
「!? てっ『転移』!!」
普段の鉄面皮のような彼女がひどく焦った表情で言われ、俺は咄嗟にミラとマーガレットさんを連れ脳内に浮かんだ場所へ向かって咄嗟に『転移』を使った。
――――――――――――――――――――
慌てて転移したため、目を開くとアペンドの街を見渡せる丘の上に立っていた。
マーガレットさんは何が起こったのか理解できておらず、あたりをキョロキョロを見回しながら鼻をスンスンと鳴らしている。
突然転移してしまったので、噴水広場には幻影を向かわせアイナたちに事情を説明しておくことにした。
「はっ、はぁっ、はぁ……申し訳ございません」
「いや、それはいいんだけど、どうしたの?」
「確かにあの場所には精霊魔法……『森の記憶』と呼ばれている魔法が展開されておりました。私自身に効力が及ぶ前に転移いたしました」
「『森の記憶』……?」
「はい、特定の場所に居る生物から、対象人物の記憶を忘却させる精霊魔法です。これは中心ほど濃く忘却までの速度が早く、離れればその速度は薄まりますが、一度発動すると術者が生きている限り、指定された人物のことを思い出すことはありません……」
「……そんなとんでも魔法ありなんですか?」
「私達の国……エクルースでは禁呪とされております。使用したものは一族郎党全員死罪となるほどのものだとご理解ください」
「……」
「マーガレット、念のため私が魔法障壁を貴方に展開します。それからユキ様の魔技でもう一度あの場所に送り返すので、障壁が切れる前に探知をお願い。私はこの場に居ますので、探知を飛ばしたら一度戻ってきてくれる?」
「はっ、承知いたしました。対象は? 何か持ち物とかありますか?」
「ユキ様……」
「ごめん、エイミーの持ち物は何も……」
「解りました。マーガレット、対象は『二人組以上の森人族』でお願い。そう多くはないはずよ」
「承知いたしました」
「じゃぁいくわよ――fac simire――albos―soror――『樹木の姉妹』
ミラが言葉を紡ぐとマーガレットの身体が緑色の光に包まれて直ぐに何事もなかったかのように収まる。
「ユキ様、お願いいたします」
「わかった。すぐに戻るね。マーガレットさん」
「はい、よろしくお願いいたします」
俺は再び『転移』を発動し、とんぼ返りで噴水広場へと戻ることとなった。
――――――――――――――――――――
「『後ろの狼はすべてを奪う』――」
転移が完了し視界が戻ってきた瞬間、マーガレットさんは手を振り上げ魔技を展開する。
マーガレットさんの手を中心にして、何やら白い魔力の塊が現れ、それが水面に物を落とされた時のようにパァッと円状に広がっていく。
目を閉じたままのマーガレットさんがその状態で目を閉じ耳をピクピクと動かし辺りを探るような素振りを見せる。
「ユキ」
「アイナ、さっきはいきなりごめんね」
「いいよ……これ探索系?」
「詳しくは解らないけれど人探しに特化した魔技だって言ってた」
アイナの後ろにやってきたリーチェが心配そうにマーガレットさんを見つめる。
そしてそれから、数十秒経過したところでマーガレットさんが「終わりました!」と報告してくる。
「ありがとう! じゃぁミラのところへ戻っていい?」
「はっ、大丈夫です」
「アイナ、皆を集めてくれる? ちょっとこの場所から移動する」
「わかった!」
マーガレットさんの捜査が完了し、アイナがケレスとクルジュナ、ヴァルを呼んでくれる。
そして全員集まると再びマーガレットさんと共にアペンドへと『転移』した。
二人組の衛兵は許可書に目を向け、俺の顔をじっと見ると「どうぞお入りください」とすんなりと通してもらえた。
「ありがとうございます」
目的は陛下と飲んだ時にお世話になったメイドのミラさん。
彼女の尖った耳は少なくとも森人族である証だったのだが、彼女は「戦争で住むところが無くなりこの城で雇って貰えた」と酔った拍子に口にしていたのだ。
城の長い廊下を歩き、すれ違ったメイドさんにミラの行方を聞くとこの時間なら裏庭で洗濯をしていると聞き、何度か迷子になりながらも水場のある裏庭へと辿り着いた。
「ミラ!」
「え? あらユキ様、どうなされたのですか?」
ミラが耳をピクんとさせて洗濯物を片手に振り返る。
周りにいた他のメイドさんが「だれ?」という表情を向けてきたのだが、すぐにミラが「陛下のお客様です」と言うと全員が一斉に作業の手を止め頭を下げてきた。
皆さんに突然きて申し訳ないと謝り、ミラと二人で裏庭の隅にあったベンチへと移動した。
「ミラにお願いがあるんだけど……」
「私でだけ出来ることでしたら、お申し付けください」
「ミラは、森人族だよね?」
「……よくお気づきになりましたね」
「なんとなく予感がしたから確認しに来ただけだったんだけど、改めて見てはっきりとわかったよ」
「特に人間には見分けがつきにくいんですが……ユキ様はよく見てらっしゃいますね」
森人族に比べると、エイミーと同じで耳の先が少しだけ尖っているのだ。
というより、森人族は耳の尖が無くなり丸みがあると言った方が正しいだろう。
「ミラに一つお願いがあるんだ……さっき俺の仲間が舞台が終わった途端こつ然と消えたんだ」
俺は先程の状況とアイリスから聞いた可能性について包み隠さずミラへ伝えた。
「つまり、精霊魔法の痕跡を探してて欲しいと。そしてその女性……すいません、その森人族の女性のお名前はなんと?」
「…………エイミーっていう名前なんだけど」
同じ森人族、そしておそらく同じ国に住んでいたであろうミラの質問に俺は隠さずにエイミーの名を伝えた。
「エイミー……もしやエイミー・エクルース……さま……?」
「ごめん、俺たちは記憶をなくして森を彷徨ってた彼女を保護しただけで、フルネームは本人も知らないんだ」
「そのエイミー……様は……も、もしかしたら行方不明になっている森人族の……今は亡きエクルース国の王女の可能性が……」
ミラが信じられないといった様子でハラハラと涙をこぼし始める。
もちろん、俺はエイミーの本名を知っているが、あえて伝えなかった。
そしてミラの口から出たエイミーの本名は俺が知っているそれと一致する。
「……生きて……おられたのですね……うぅっ……」
「ごめんミラ、その可能性もあるけれど、今その彼女が姿を消したんだ。大事な仲間なんだ。彼女を探すのを手伝って欲しい」
俺が舞台に上げたせいで、仲間か敵かは分からないがその存在がバレて連れ去られたのだと思うと何がなんでも見つけ出さなければならない。
自分の浅はかさと、いざという時何もできない歯痒さに奥歯を噛みしめながらミラに懇願するようにお願いする。
「当然お手伝いいたします! ユキ様、一人メイドのものを連れて行ってもよろしいでしょうか?」
「仕事仲間? もしかして森人族の人?」
「いえ、彼女は犬人族なのですが人探しに特化した魔技を持っております」
「――っ! ぜ、是非お願いします!」
「承知いたしました。すぐに用意いたします。 ケイ! すぐにマーガレットを呼んできてっ! 最優先!」
扉近くにいたメイドさんがミラの大声にビクッとして手にしていた籠を落としてしまうが、最優先の仕事を言い渡されたメイドさんはすぐに振り返り扉の奥へと戻って行った。
近くに居た他のメイドさんが籠を広い、他のメイドへと手渡す。
「メイ! 洗濯終わったら私の代わりに詰所お願い! 人手が足らなかったらロイから借りて頂戴!」
ミラはあたりにいるメイドさんたちにパキパキと仕事の振替と、お礼を伝えていく。
(……すげぇなぁ……やっぱりミラはメイドの一番偉い人なんじゃないか?)
「ミラ様! お呼びですか?」
ミラのテキパキとした様子を眺めていると茶髪ロングヘアーのメイドさんがミラに駆け寄ってきた。
先程ミラが言っていたマーガレットさんだろう。
聞いていた通りの犬人族のようで、頭の上からツンと尖った三角形の耳。
腰のあたりからふさふさのしっぽが生えていた。
「ごめん、マーガレット、人探しを探したいの。今すぐ」
「はい、仕事は交代してもらいましたから大丈夫です」
「ありがとう、こちらの『荒野の星』座長のユキ様からの依頼よ」
ミラに紹介され「よろしくおねがいします」と頭を下げ、焦るミラと状況をまだはっきり理解していないマーガレットさんを連れ、噴水広場まで戻ったのだった。
――――――――――――――――――――
「すいません、エイミーという森人族の女性見ませんでしたか?」
「そうですか……ありがとうございます!」
「ごめんなさい、今人を探してて」
広場ではアイナたちがまだ解散しきっていなかったファンの人たちや通行人に次々と声をかけていてくれていた。
アイリスたちは俺の幻影一体と共に宿に戻っているようだ。
「あっ! ユキ!」
「ごめんおまたせ。こちらミラさんとマーガレットさん。今回無理言ってエイミーを探してもらうのを手伝ってもらえることになった」
「…………これは」
俺が戻ったことに気づいたアイナとケレスが駆け寄って来たのでミラさんとマーガレットさんを紹介したのだが、あの礼儀正しいミラさんが俺の言葉に気づいていないような素振りであたりを見回し始めた。
「……ミラ?」
「あっ、こ、これは大変失礼いたしました。ミラと申します。……微力ながらお手伝いをさせていただきます」
「すいません、よろしくお願いいたします。ユキの……私達の大切な仲間を見つけてください」
アイナたちとの挨拶をしている間も、ミラがしきりに耳をピクピクと動かしている。
そして数秒……突如ミラがなにかに気づいたような表情になり、俺の腕を掴んだ。
「――っ!? だめっ、ユキ様! なるべく遠くへ私を飛ばしてください! 早くっ!」
「!? てっ『転移』!!」
普段の鉄面皮のような彼女がひどく焦った表情で言われ、俺は咄嗟にミラとマーガレットさんを連れ脳内に浮かんだ場所へ向かって咄嗟に『転移』を使った。
――――――――――――――――――――
慌てて転移したため、目を開くとアペンドの街を見渡せる丘の上に立っていた。
マーガレットさんは何が起こったのか理解できておらず、あたりをキョロキョロを見回しながら鼻をスンスンと鳴らしている。
突然転移してしまったので、噴水広場には幻影を向かわせアイナたちに事情を説明しておくことにした。
「はっ、はぁっ、はぁ……申し訳ございません」
「いや、それはいいんだけど、どうしたの?」
「確かにあの場所には精霊魔法……『森の記憶』と呼ばれている魔法が展開されておりました。私自身に効力が及ぶ前に転移いたしました」
「『森の記憶』……?」
「はい、特定の場所に居る生物から、対象人物の記憶を忘却させる精霊魔法です。これは中心ほど濃く忘却までの速度が早く、離れればその速度は薄まりますが、一度発動すると術者が生きている限り、指定された人物のことを思い出すことはありません……」
「……そんなとんでも魔法ありなんですか?」
「私達の国……エクルースでは禁呪とされております。使用したものは一族郎党全員死罪となるほどのものだとご理解ください」
「……」
「マーガレット、念のため私が魔法障壁を貴方に展開します。それからユキ様の魔技でもう一度あの場所に送り返すので、障壁が切れる前に探知をお願い。私はこの場に居ますので、探知を飛ばしたら一度戻ってきてくれる?」
「はっ、承知いたしました。対象は? 何か持ち物とかありますか?」
「ユキ様……」
「ごめん、エイミーの持ち物は何も……」
「解りました。マーガレット、対象は『二人組以上の森人族』でお願い。そう多くはないはずよ」
「承知いたしました」
「じゃぁいくわよ――fac simire――albos―soror――『樹木の姉妹』
ミラが言葉を紡ぐとマーガレットの身体が緑色の光に包まれて直ぐに何事もなかったかのように収まる。
「ユキ様、お願いいたします」
「わかった。すぐに戻るね。マーガレットさん」
「はい、よろしくお願いいたします」
俺は再び『転移』を発動し、とんぼ返りで噴水広場へと戻ることとなった。
――――――――――――――――――――
「『後ろの狼はすべてを奪う』――」
転移が完了し視界が戻ってきた瞬間、マーガレットさんは手を振り上げ魔技を展開する。
マーガレットさんの手を中心にして、何やら白い魔力の塊が現れ、それが水面に物を落とされた時のようにパァッと円状に広がっていく。
目を閉じたままのマーガレットさんがその状態で目を閉じ耳をピクピクと動かし辺りを探るような素振りを見せる。
「ユキ」
「アイナ、さっきはいきなりごめんね」
「いいよ……これ探索系?」
「詳しくは解らないけれど人探しに特化した魔技だって言ってた」
アイナの後ろにやってきたリーチェが心配そうにマーガレットさんを見つめる。
そしてそれから、数十秒経過したところでマーガレットさんが「終わりました!」と報告してくる。
「ありがとう! じゃぁミラのところへ戻っていい?」
「はっ、大丈夫です」
「アイナ、皆を集めてくれる? ちょっとこの場所から移動する」
「わかった!」
マーガレットさんの捜査が完了し、アイナがケレスとクルジュナ、ヴァルを呼んでくれる。
そして全員集まると再びマーガレットさんと共にアペンドへと『転移』した。
0
お気に入りに追加
8
あなたにおすすめの小説
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
性的に襲われそうだったので、男であることを隠していたのに、女性の本能か男であることがバレたんですが。
狼狼3
ファンタジー
男女比1:1000という男が極端に少ない魔物や魔法のある異世界に、彼は転生してしまう。
街中を歩くのは女性、女性、女性、女性。街中を歩く男は滅多に居ない。森へ冒険に行こうとしても、襲われるのは魔物ではなく女性。女性は男が居ないか、いつも目を光らせている。
彼はそんな世界な為、男であることを隠して女として生きる。(フラグ)
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる