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03-Bridge
053話-犯人発見の知らせ
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幻術の俺が見ている視界を確認すると、そこに映るのは寂れた村と呼んだ方がしっくりくるような街の酒場だった。
どうやら窓から中を覗き込んでいるらしい。
酒場の中央にある丸テーブルに座る五人組。
両手腕に女の子を抱き、酒瓶から酒を飲ませている。
気になるのは酒場が妙にボロボロだということだ。
真っ二つに割れてしまっているテーブルが転がっていたり、壊れた椅子が放置されている。
カウンターも真ん中から破壊されており、床にもべっとりとなにかの液体が溢れた後がシミになって広がっていた。
五人組の男がそれぞれ両手に抱いている女の子のうち何人かはこの酒場の給仕のようだが、残りは服装が少し違う。
ボロボロの奴隷服のようなものを着させられ、首には金属の首輪をはめられていた。
全員、死んだような目で必死に作り笑いを浮かべながら男に酒を飲ませたり、ツマミを食べさせたりしているようだった。
俺は奥歯をギリっと噛み締め、『真実の鏡』により手帳に記入された男どものステータスを確認する。
――――――――――――――――――――
名前:アドルフ
年齢:38歳
種族:真人種-人間族
身体:180cm 黒髪、茶目
職業:道化商会
魔技:『腐肉の華』
称号:殺人、誘拐、強姦、屍姦、強盗、詐欺
――――――――――――――――――――
名前:アレックス
年齢:42歳
種族:真人種-人間族
身体:171cm 黒髪、茶目
職業:道化商会
魔技:『月長石』
称号:殺人、誘拐、強姦、屍姦、強盗、詐欺
――――――――――――――――――――
名前:ディック
年齢:29歳
種族:真人種-人間族
身体:178cm 黒髪、茶目
職業:道化商会
魔技:『見世物小屋』
称号:殺人、誘拐、強姦、屍姦、強盗、詐欺
――――――――――――――――――――
名前:ファース
年齢:51歳
種族:真人種-人間族
身体:168cm 黒髪、茶目
職業:道化商会
魔技:
称号:殺人、誘拐、強姦、屍姦、強盗、詐欺
――――――――――――――――――――
名前:シモン
年齢:47歳
種族:真人種-人間族
身体:181cm 黒髪、茶目
職業:道化商会
魔技:
称号:殺人、誘拐、強姦、屍姦、強盗、詐欺
――――――――――――――――――――
この魔技も幻影の俺が使いまくったせいかわからないが、前はわからなった「称号」という項目が表示されるようになっていた。
先日、アペントの街に向かう途中、森の中で出会った狼から手に入れた『賢者の言葉』という魔技のおかげで全ての文字が読めるようになっていた。
だが、この場合あまり読みたいような内容ではなかった。
全員が殺人から誘拐と、一線級の悪人であることがすぐに分かる。
それと全員が職業欄に「道化商会」と書かれているので、これが奴らのギルドか所属している組織だろう。
五人のうち三人に魔技の表記がある。
だが文字は読めるが、やはり名前だけでは効果がわからないのは辛い。
この鑑定魔技も使っているうちに効果まで解るようになると期待しながら、酒場の窓から中を覗き込んでいる自分の幻影に話しかける。
「どうする?」
『今すぐ始末したいが……一人じゃな……女の子に危険が及ぶ可能性もあるし。あ、そうだ、囮捜査といこうか』
「なんかされたらどうするよ」
『そんときゃ、この身体を一度消せばいいさ。あとは座長の魔技で飛んでこれるだろ?』
「まぁその通りなんだけど……最近こういうの多くないか?」
『ははっ、せっかくの見た目なんだ、有効活用すればいいさ』
ともかくターゲットが見つかったので、俺は残りの幻影を消し魔力を温存する。
ついでにいうと、見つけてしまったからにはなるようにしかならないから、一旦は自分の幻影に任せよう。
俺があの場にいてもやることは変わらないだろう。
(でもやっぱり本体の俺より思い切りがいいというか感情に素直なんだよな)
『変装の魔技も手に入れたいな』
「確かに便利そうだ」
『この身体の上にさらに幻影を乗っけれないのか?』
「どうだろうか……あとで試してみるか」
ちなみに自分自身と会話を続けているのだが、結局脳内で考えていることは筒抜けなのであまり意味はない。
単純に思考整理というか、その程度の理由だった。
『あいつらが酒場でおっ始めるまえにやるか』
「潰してしまうと、アイテムボックス的な魔具が分からないしな……程々にな」
俺は幻影に全て任せて教会の屋根の上でその様子を眺めることにしたのだが、やめておいた。
やはり、ああいう外道には直接引導を渡したい。
アイテムボックスからフード付きのマントを取り出し、顔が見えないようにすっぽりと被る。
「――『全ては夢の近く』」
幻影を酒場の裏手に移動させると、その場所を目指して跳躍したのだった。
どうやら窓から中を覗き込んでいるらしい。
酒場の中央にある丸テーブルに座る五人組。
両手腕に女の子を抱き、酒瓶から酒を飲ませている。
気になるのは酒場が妙にボロボロだということだ。
真っ二つに割れてしまっているテーブルが転がっていたり、壊れた椅子が放置されている。
カウンターも真ん中から破壊されており、床にもべっとりとなにかの液体が溢れた後がシミになって広がっていた。
五人組の男がそれぞれ両手に抱いている女の子のうち何人かはこの酒場の給仕のようだが、残りは服装が少し違う。
ボロボロの奴隷服のようなものを着させられ、首には金属の首輪をはめられていた。
全員、死んだような目で必死に作り笑いを浮かべながら男に酒を飲ませたり、ツマミを食べさせたりしているようだった。
俺は奥歯をギリっと噛み締め、『真実の鏡』により手帳に記入された男どものステータスを確認する。
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名前:アドルフ
年齢:38歳
種族:真人種-人間族
身体:180cm 黒髪、茶目
職業:道化商会
魔技:『腐肉の華』
称号:殺人、誘拐、強姦、屍姦、強盗、詐欺
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名前:アレックス
年齢:42歳
種族:真人種-人間族
身体:171cm 黒髪、茶目
職業:道化商会
魔技:『月長石』
称号:殺人、誘拐、強姦、屍姦、強盗、詐欺
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名前:ディック
年齢:29歳
種族:真人種-人間族
身体:178cm 黒髪、茶目
職業:道化商会
魔技:『見世物小屋』
称号:殺人、誘拐、強姦、屍姦、強盗、詐欺
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名前:ファース
年齢:51歳
種族:真人種-人間族
身体:168cm 黒髪、茶目
職業:道化商会
魔技:
称号:殺人、誘拐、強姦、屍姦、強盗、詐欺
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名前:シモン
年齢:47歳
種族:真人種-人間族
身体:181cm 黒髪、茶目
職業:道化商会
魔技:
称号:殺人、誘拐、強姦、屍姦、強盗、詐欺
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この魔技も幻影の俺が使いまくったせいかわからないが、前はわからなった「称号」という項目が表示されるようになっていた。
先日、アペントの街に向かう途中、森の中で出会った狼から手に入れた『賢者の言葉』という魔技のおかげで全ての文字が読めるようになっていた。
だが、この場合あまり読みたいような内容ではなかった。
全員が殺人から誘拐と、一線級の悪人であることがすぐに分かる。
それと全員が職業欄に「道化商会」と書かれているので、これが奴らのギルドか所属している組織だろう。
五人のうち三人に魔技の表記がある。
だが文字は読めるが、やはり名前だけでは効果がわからないのは辛い。
この鑑定魔技も使っているうちに効果まで解るようになると期待しながら、酒場の窓から中を覗き込んでいる自分の幻影に話しかける。
「どうする?」
『今すぐ始末したいが……一人じゃな……女の子に危険が及ぶ可能性もあるし。あ、そうだ、囮捜査といこうか』
「なんかされたらどうするよ」
『そんときゃ、この身体を一度消せばいいさ。あとは座長の魔技で飛んでこれるだろ?』
「まぁその通りなんだけど……最近こういうの多くないか?」
『ははっ、せっかくの見た目なんだ、有効活用すればいいさ』
ともかくターゲットが見つかったので、俺は残りの幻影を消し魔力を温存する。
ついでにいうと、見つけてしまったからにはなるようにしかならないから、一旦は自分の幻影に任せよう。
俺があの場にいてもやることは変わらないだろう。
(でもやっぱり本体の俺より思い切りがいいというか感情に素直なんだよな)
『変装の魔技も手に入れたいな』
「確かに便利そうだ」
『この身体の上にさらに幻影を乗っけれないのか?』
「どうだろうか……あとで試してみるか」
ちなみに自分自身と会話を続けているのだが、結局脳内で考えていることは筒抜けなのであまり意味はない。
単純に思考整理というか、その程度の理由だった。
『あいつらが酒場でおっ始めるまえにやるか』
「潰してしまうと、アイテムボックス的な魔具が分からないしな……程々にな」
俺は幻影に全て任せて教会の屋根の上でその様子を眺めることにしたのだが、やめておいた。
やはり、ああいう外道には直接引導を渡したい。
アイテムボックスからフード付きのマントを取り出し、顔が見えないようにすっぽりと被る。
「――『全ては夢の近く』」
幻影を酒場の裏手に移動させると、その場所を目指して跳躍したのだった。
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