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03-Bridge
033話-身分証をてにいれた
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手にした買い物袋をドサッと床においたアイナとエイミー、リーチェが不思議そうな複雑そうな表情で入り口に立っていた。
「ケレス? どうしてメスの顔してユキに抱きついて……あれ? ツノどうしたの?」
「アイナ……メスの顔ってなによ、盛りが付いた雌猫じゃあるまいし。これ、ユキが治してくれたのよ!」
「ほ、ほんとっ? ケレスよかったねぇっ!」
アイナではなく心配そうに様子を見ていたエイミーが、俺ごとケレスに両手を回して抱きついてくる。
「うん、うん……もうお嫁に行けないのかと思ったけど……ぐすっ……」
「ケレス……」
「嫁ぎ先も見つかったし……ぐすっ……もう思い残すことはないわ……ぐすっ」
「……嫁ぎ先?」
「私、ユキのお嫁さんになる」
「――はっ!?」
「……はっ、はぁっ!? ケレスあんた寝ぼけてるの?」
「ケレス、そ、そんなっ、だめっ……」
「ケレス……許嫁どうするのよ」
アイナとエイミー、クルジュナが口々に声を上げるが、ケレスは俺に抱きついたまま離れてくれない。
「だいたいあんた、自分より強い人しかダメって、それで許嫁もぶん殴って家飛び出たんでしょうがー!」
「私が手も足も出なかったあの鎖使いを倒した時点で、ユキは私より強いもん」
「だからって、ユキはまた子供だし……それに」
「……それに……? アイナなに?」
「私だって……ユキと……い……」
「えっ、そ、わ、私も……」
「ちょっとみんなストップ!」
アイナに続きエイミーも何か言い始めそうなので、一度言い合いを止める。
このまま続けさせると、色々と俺的にめんどくさいことになりそうだった。
(すでに手遅れかもしれないけれど……)
「と、とりあえず、お昼ご飯食べてしまわない? 座長が帰ってくるまでの間に」
「ユキ、これ」
そう言って紙袋を置いたリーチェが一枚のカードのようなものを取り出してきた。
「……なにこれ?」
怪訝な顔で受け取ったそのカードには文字がびっしりと書かれていたのだが、一文字も読めない。
「ユキの身分証だって、さっき座長に会って渡されたの」
「あ、ありがとう……この町では手に入らないって言ってたのに……」
「首都まで行ってきたんだってさ、座長」
「そうなんだ……あれ? じゃあ座長はまた買い物?」
「座長ならもう行っちゃった。ユキにあとは頼むって」
「……はぁっ!?」
アイナが頭の後ろで両手を組んでしれっとそんなことを言う。
「ちょ……確かにやるって言ったけどもうちょっとこう……」
せめて引き継ぎの挨拶とか、これからの指針とか示してくれるのかと思ったのにすでにこの街から出たそうだ。
「前もふらりと3ヶ月ほど居なくなってたし、気にしないほうがいいよユキ」
「えっと……」
俺は改めて室内を見回す。
アイナ、エイミー、リーチェ、サイラス、ケレス、アイリス、ハンナ、ヘレス。
これからこの8人と俺でこの世界を回ることになった。
まだ知らないことの方が多いこの世界で、果たして俺にはなにができるのだろうか。
「まっ、まだまだ見た目も経験も未熟者ですが……皆さんよろしくお願いします」
――――――――――――――――――――
「ねーねー、ユキ、とりあえずはこれからどうするの?」
「この街の用は終わったしね、あとは適当にぶらぶらと巡業?」
円陣を組むように座り、アイナたちが買ってきてくれた昼食を頂きながら今後の相談をさせてもらっている。
隣にはアイナとケレス。
ぴったりと体を寄せてきて離れてくれない。
(エイミーの目が怖い……クルジュナも久しぶりのゴミを見るような目が……)
アイナの向こう側からエイミーが、ケレスの向こう側からクルジュナの視線が突き刺さる。
この一座「荒野の星」は依頼を受けて動くこともあるがそれ以外は結構自由気ままに街を移動することも多かったそうだ。
今いるあたりにはあまり来たことがないらしく、この街での公演が終わったあとは少し先にある山岳地帯近くにある街へと向かう予定だったとアイナが教えてくれる。
「あの街、大きな湖があるんだよ~」
「あ、そういえばそうだった。温泉もあるらしいし」
ともかく、行き先については俺には判断つかないのでみんなに頼ることにする。
「えっとその前に、演目の内容に関して相談したいんだけど……」
「んー何なに?」
「なぁに~?」
せっかく見目麗しい女の子たちが揃っているんだから、俺としてはぜひ歌とかダンスとかそういう華のあることもしていきたい。
「歌がうまいなーっていう人を指さしてみて」
「はい!」
「やっぱりエイミー」
「アイナもうまいよね」
「ふむ……クルジュナの歌もなかなかだぞ」
それぞれが指を刺す。
アイナはエイミー。
エイミーはリーチェ。
リーチェはケレス。
ケレスはアイリス
サイラスはクルジュナ。
ハンナとヘレスはお互いを指差していた。
「歌の演目を入れてみたらどうかなって思ったんだけれどどう思う?」
「うぅ……人前で?」
「人前で歌うのはちょっと……恥ずかしい」
「さっ、さすがにユキのお願いでも……ケ、ケレスなら頑張るわよね」
「えぇ……わ、私は……その見た目がね……あんまり可愛くないし……」
反応を伺うと全員が人前で歌うことに関しては抵抗があるようだ。
今の一座でうまく行っているのなら、みんなの気が乗らない事はあまりやりたくはないという気持ちもある。
「じゃあ、ごめんこの話は一旦保留で……ごめんね」
「あっ……ユキがやりたいなら、わ、私、やってみる」
エイミーがおずおずと手を上げてくれる。
耳が思いっきり垂れ下がっており真っ赤になっているのをみると相当恥ずかしいみたいだけれど。
「う……じゃ、じゃあ私も……」
エイミーが手を上げて、アイナも手を上げてくれた。
こっちは尻尾がプルプルしている。
(この二人は感情が分かり易くて可愛いなぁ……)
「でも、歌も作らないといけないから、そんなすぐじゃないから……またそのうち相談するね」
「はーい、ユキしつもーん」
アイナが元気よく手をあげる。
「この先『人助け』はどうするの?」
アンナの金色の瞳が真っ直ぐに俺を見つめてくる。
座長の話だとこの国の困っている人々を助けたいというのはアンナが言い出した事だそうだから、やっぱり気になるんだろう。
「えっと、俺はまだ右も左も分からない。だけどみんながやってきたことはなるべく続けていきたいと思ってる」
「じゃあ……」
「でも、俺の手の届く範囲……やっていいこと悪いこと、俺はまだまだ知らないこと……思い出せないことの方が多いから、そういう事が起こったら、都度みんなの意見を聞きたい。それでいいかな」
「うん、座長もそんな感じだったし。私たちも全員を……なんて思い上がったりしていない。でも目についた人だけでも……ね」
「戦いとかは無い方がいいなぁ……」
あんなハラハラする思いはなるべくしたくない。
今回はうまく行ったけれど次も全員が無事とは限らないのだ。
「ふふっ、でもユキすごいね……まだ小さいのに、なんだか座長と話しているみたい」
「そーそー、ほんと私と同い年ぐらい? 実はかなり年上とかじゃないの? 話し方とかたまに役人さんみたいだし」
ハンナとヘレスの言葉に心臓がドキリ跳ねる。
見た目はどう見ても中学生ぽいので、その気持ちはわからないでもない。
中身はおっさんだが、むしろそれを言ったところで信じてもらえないだろうから、このまま押し通すと心に決めたのだ。
「数日だったけど座長に色々と教えてもらったし……あとはわからないけれど、親がそんな仕事だったのかな……」
少し悲しそうな顔をすると、ハンナとヘレスが「しまった」という顔をして慌てて謝られる。
(二人に悪意はないんだけど、突っ込まれたらめんどくさい時はこの方法に限る)
「じゃあ、今日は旅の用意をして、明日出発って感じで良いのかな?」
「いいよー」
「じゃあみんな、ユキの負担にならないように自分できちんとやることやるのよ、サイラスもね」
「クルジュナ……なぜ俺に……」
「サイラスってばたまに食料の買い込みに集中しすぎて他の買い物忘れちゃうでしょ」
「まっ、まぁそんなこともあったかもしれんが……大丈夫だ」
珍しいクルジュナとサイラスの言い合いにクスリとしながら、ふと挨拶に寄らなければならない所を思い出した。
「あ、そうだアイナ、後でちょっとついてきて欲しいところがあるんだけれど」
「ん? 何なにっ!? いーよ! すぐ行く?」
「す、少し休憩してからで大丈夫」
「む~、私も行きたい~」
「ケレス、馬の食料調達係でしょー? あと修理用の釘もこの間使い切ったって言ってたじゃない」
アイナと一緒について来たいというケレスにリーチェが引き止める。
「む~……しゃーない、新座長ユキちゃんに心配を掛けるわけにもいかないか」
「大丈夫よケレス、心配しなくても抜け駆けはしないから」
「ほんっとにね? 摘み食いとかしたら電撃浴びせるわよ?」
「し、しないったら」
アイナとケレスの会話に苦笑しながら、座長から預かった羊皮紙の巻物を開く。
エイミーに読んでもらうと、旅に必要な物資や大道芸をするための道具リストなどが記載されており、各町で調達する先も事細かに記載されているそうだ。
「文字も勉強しなきゃ……」
「じゃあ寝る前に私が教えてあげるわねっ、ふふっ」
エイミーが嬉しそうに手を握ってくるのだが、これは今後も夜はエイミーと寝ることになるのだろうか。
「と、とりあえずアイナ、行こうか」
「りょーかいっ」
他のみんなに片付けをお願いして、俺はアイナと共に宿を出たのだった。
「ケレス? どうしてメスの顔してユキに抱きついて……あれ? ツノどうしたの?」
「アイナ……メスの顔ってなによ、盛りが付いた雌猫じゃあるまいし。これ、ユキが治してくれたのよ!」
「ほ、ほんとっ? ケレスよかったねぇっ!」
アイナではなく心配そうに様子を見ていたエイミーが、俺ごとケレスに両手を回して抱きついてくる。
「うん、うん……もうお嫁に行けないのかと思ったけど……ぐすっ……」
「ケレス……」
「嫁ぎ先も見つかったし……ぐすっ……もう思い残すことはないわ……ぐすっ」
「……嫁ぎ先?」
「私、ユキのお嫁さんになる」
「――はっ!?」
「……はっ、はぁっ!? ケレスあんた寝ぼけてるの?」
「ケレス、そ、そんなっ、だめっ……」
「ケレス……許嫁どうするのよ」
アイナとエイミー、クルジュナが口々に声を上げるが、ケレスは俺に抱きついたまま離れてくれない。
「だいたいあんた、自分より強い人しかダメって、それで許嫁もぶん殴って家飛び出たんでしょうがー!」
「私が手も足も出なかったあの鎖使いを倒した時点で、ユキは私より強いもん」
「だからって、ユキはまた子供だし……それに」
「……それに……? アイナなに?」
「私だって……ユキと……い……」
「えっ、そ、わ、私も……」
「ちょっとみんなストップ!」
アイナに続きエイミーも何か言い始めそうなので、一度言い合いを止める。
このまま続けさせると、色々と俺的にめんどくさいことになりそうだった。
(すでに手遅れかもしれないけれど……)
「と、とりあえず、お昼ご飯食べてしまわない? 座長が帰ってくるまでの間に」
「ユキ、これ」
そう言って紙袋を置いたリーチェが一枚のカードのようなものを取り出してきた。
「……なにこれ?」
怪訝な顔で受け取ったそのカードには文字がびっしりと書かれていたのだが、一文字も読めない。
「ユキの身分証だって、さっき座長に会って渡されたの」
「あ、ありがとう……この町では手に入らないって言ってたのに……」
「首都まで行ってきたんだってさ、座長」
「そうなんだ……あれ? じゃあ座長はまた買い物?」
「座長ならもう行っちゃった。ユキにあとは頼むって」
「……はぁっ!?」
アイナが頭の後ろで両手を組んでしれっとそんなことを言う。
「ちょ……確かにやるって言ったけどもうちょっとこう……」
せめて引き継ぎの挨拶とか、これからの指針とか示してくれるのかと思ったのにすでにこの街から出たそうだ。
「前もふらりと3ヶ月ほど居なくなってたし、気にしないほうがいいよユキ」
「えっと……」
俺は改めて室内を見回す。
アイナ、エイミー、リーチェ、サイラス、ケレス、アイリス、ハンナ、ヘレス。
これからこの8人と俺でこの世界を回ることになった。
まだ知らないことの方が多いこの世界で、果たして俺にはなにができるのだろうか。
「まっ、まだまだ見た目も経験も未熟者ですが……皆さんよろしくお願いします」
――――――――――――――――――――
「ねーねー、ユキ、とりあえずはこれからどうするの?」
「この街の用は終わったしね、あとは適当にぶらぶらと巡業?」
円陣を組むように座り、アイナたちが買ってきてくれた昼食を頂きながら今後の相談をさせてもらっている。
隣にはアイナとケレス。
ぴったりと体を寄せてきて離れてくれない。
(エイミーの目が怖い……クルジュナも久しぶりのゴミを見るような目が……)
アイナの向こう側からエイミーが、ケレスの向こう側からクルジュナの視線が突き刺さる。
この一座「荒野の星」は依頼を受けて動くこともあるがそれ以外は結構自由気ままに街を移動することも多かったそうだ。
今いるあたりにはあまり来たことがないらしく、この街での公演が終わったあとは少し先にある山岳地帯近くにある街へと向かう予定だったとアイナが教えてくれる。
「あの街、大きな湖があるんだよ~」
「あ、そういえばそうだった。温泉もあるらしいし」
ともかく、行き先については俺には判断つかないのでみんなに頼ることにする。
「えっとその前に、演目の内容に関して相談したいんだけど……」
「んー何なに?」
「なぁに~?」
せっかく見目麗しい女の子たちが揃っているんだから、俺としてはぜひ歌とかダンスとかそういう華のあることもしていきたい。
「歌がうまいなーっていう人を指さしてみて」
「はい!」
「やっぱりエイミー」
「アイナもうまいよね」
「ふむ……クルジュナの歌もなかなかだぞ」
それぞれが指を刺す。
アイナはエイミー。
エイミーはリーチェ。
リーチェはケレス。
ケレスはアイリス
サイラスはクルジュナ。
ハンナとヘレスはお互いを指差していた。
「歌の演目を入れてみたらどうかなって思ったんだけれどどう思う?」
「うぅ……人前で?」
「人前で歌うのはちょっと……恥ずかしい」
「さっ、さすがにユキのお願いでも……ケ、ケレスなら頑張るわよね」
「えぇ……わ、私は……その見た目がね……あんまり可愛くないし……」
反応を伺うと全員が人前で歌うことに関しては抵抗があるようだ。
今の一座でうまく行っているのなら、みんなの気が乗らない事はあまりやりたくはないという気持ちもある。
「じゃあ、ごめんこの話は一旦保留で……ごめんね」
「あっ……ユキがやりたいなら、わ、私、やってみる」
エイミーがおずおずと手を上げてくれる。
耳が思いっきり垂れ下がっており真っ赤になっているのをみると相当恥ずかしいみたいだけれど。
「う……じゃ、じゃあ私も……」
エイミーが手を上げて、アイナも手を上げてくれた。
こっちは尻尾がプルプルしている。
(この二人は感情が分かり易くて可愛いなぁ……)
「でも、歌も作らないといけないから、そんなすぐじゃないから……またそのうち相談するね」
「はーい、ユキしつもーん」
アイナが元気よく手をあげる。
「この先『人助け』はどうするの?」
アンナの金色の瞳が真っ直ぐに俺を見つめてくる。
座長の話だとこの国の困っている人々を助けたいというのはアンナが言い出した事だそうだから、やっぱり気になるんだろう。
「えっと、俺はまだ右も左も分からない。だけどみんながやってきたことはなるべく続けていきたいと思ってる」
「じゃあ……」
「でも、俺の手の届く範囲……やっていいこと悪いこと、俺はまだまだ知らないこと……思い出せないことの方が多いから、そういう事が起こったら、都度みんなの意見を聞きたい。それでいいかな」
「うん、座長もそんな感じだったし。私たちも全員を……なんて思い上がったりしていない。でも目についた人だけでも……ね」
「戦いとかは無い方がいいなぁ……」
あんなハラハラする思いはなるべくしたくない。
今回はうまく行ったけれど次も全員が無事とは限らないのだ。
「ふふっ、でもユキすごいね……まだ小さいのに、なんだか座長と話しているみたい」
「そーそー、ほんと私と同い年ぐらい? 実はかなり年上とかじゃないの? 話し方とかたまに役人さんみたいだし」
ハンナとヘレスの言葉に心臓がドキリ跳ねる。
見た目はどう見ても中学生ぽいので、その気持ちはわからないでもない。
中身はおっさんだが、むしろそれを言ったところで信じてもらえないだろうから、このまま押し通すと心に決めたのだ。
「数日だったけど座長に色々と教えてもらったし……あとはわからないけれど、親がそんな仕事だったのかな……」
少し悲しそうな顔をすると、ハンナとヘレスが「しまった」という顔をして慌てて謝られる。
(二人に悪意はないんだけど、突っ込まれたらめんどくさい時はこの方法に限る)
「じゃあ、今日は旅の用意をして、明日出発って感じで良いのかな?」
「いいよー」
「じゃあみんな、ユキの負担にならないように自分できちんとやることやるのよ、サイラスもね」
「クルジュナ……なぜ俺に……」
「サイラスってばたまに食料の買い込みに集中しすぎて他の買い物忘れちゃうでしょ」
「まっ、まぁそんなこともあったかもしれんが……大丈夫だ」
珍しいクルジュナとサイラスの言い合いにクスリとしながら、ふと挨拶に寄らなければならない所を思い出した。
「あ、そうだアイナ、後でちょっとついてきて欲しいところがあるんだけれど」
「ん? 何なにっ!? いーよ! すぐ行く?」
「す、少し休憩してからで大丈夫」
「む~、私も行きたい~」
「ケレス、馬の食料調達係でしょー? あと修理用の釘もこの間使い切ったって言ってたじゃない」
アイナと一緒について来たいというケレスにリーチェが引き止める。
「む~……しゃーない、新座長ユキちゃんに心配を掛けるわけにもいかないか」
「大丈夫よケレス、心配しなくても抜け駆けはしないから」
「ほんっとにね? 摘み食いとかしたら電撃浴びせるわよ?」
「し、しないったら」
アイナとケレスの会話に苦笑しながら、座長から預かった羊皮紙の巻物を開く。
エイミーに読んでもらうと、旅に必要な物資や大道芸をするための道具リストなどが記載されており、各町で調達する先も事細かに記載されているそうだ。
「文字も勉強しなきゃ……」
「じゃあ寝る前に私が教えてあげるわねっ、ふふっ」
エイミーが嬉しそうに手を握ってくるのだが、これは今後も夜はエイミーと寝ることになるのだろうか。
「と、とりあえずアイナ、行こうか」
「りょーかいっ」
他のみんなに片付けをお願いして、俺はアイナと共に宿を出たのだった。
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