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第三章 旅の魔女
第73話 ど、どうしてー?
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「ぐぐぐ……じゃあ!」
旅人さんは、悔しそうな声を漏らしながら、杖を軽く振りました。すると、どこからともなくほうきが現れ、彼女の足元へ。
「今度はいろんな所からいきますよ!」
ほうきに乗った旅人さんが、一瞬のうちに、上空へと舞い上がります。
「えい! えい! えい!」
師匠の周りをグルグルと飛び回りながら、何度も何度も魔法を放つ旅人さん。炎。氷のつらら。突風。岩の塊。その全てがかなりの威力を持っているようで、少し離れた所で見ている僕にも、その衝撃が伝わってきました。最初、魔法で壁を作っていなければ、吹き飛ばされていたかもしれません。
もし僕が、威力の高い魔法を連発してしまったなら、すぐに魔力切れを起こして倒れてしまうでしょう。ですが、旅人さんは、絶えず魔法を放ち続けます。魔女としての実力の高さは、誰の目から見ても明らかです。
しかし、旅人さんの放つ魔法の全てが、何か分からないものにぶつかり、消滅していきました。師匠は、勝負開始時から一歩も動いていません。ただ杖を持って立っているだけ。旅人さんが、師匠の後ろから攻撃している時も、振り向くことさえしませんでした。
「はあ。はあ。はあ。ど、どうしてー?」
息を切らしながら地面に降り立つ旅人さん。その顔には、確かな疲れが見てとれました。
「終わり?」
「はあ。ま、まだ……まだ……。はあ。はあ」
「……じゃあ、そろそろ、こっちからもいくよ。ちゃんと守ってね」
そう言って、師匠は、旅人さんに向かって杖を構えました。
旅人さんは、悔しそうな声を漏らしながら、杖を軽く振りました。すると、どこからともなくほうきが現れ、彼女の足元へ。
「今度はいろんな所からいきますよ!」
ほうきに乗った旅人さんが、一瞬のうちに、上空へと舞い上がります。
「えい! えい! えい!」
師匠の周りをグルグルと飛び回りながら、何度も何度も魔法を放つ旅人さん。炎。氷のつらら。突風。岩の塊。その全てがかなりの威力を持っているようで、少し離れた所で見ている僕にも、その衝撃が伝わってきました。最初、魔法で壁を作っていなければ、吹き飛ばされていたかもしれません。
もし僕が、威力の高い魔法を連発してしまったなら、すぐに魔力切れを起こして倒れてしまうでしょう。ですが、旅人さんは、絶えず魔法を放ち続けます。魔女としての実力の高さは、誰の目から見ても明らかです。
しかし、旅人さんの放つ魔法の全てが、何か分からないものにぶつかり、消滅していきました。師匠は、勝負開始時から一歩も動いていません。ただ杖を持って立っているだけ。旅人さんが、師匠の後ろから攻撃している時も、振り向くことさえしませんでした。
「はあ。はあ。はあ。ど、どうしてー?」
息を切らしながら地面に降り立つ旅人さん。その顔には、確かな疲れが見てとれました。
「終わり?」
「はあ。ま、まだ……まだ……。はあ。はあ」
「……じゃあ、そろそろ、こっちからもいくよ。ちゃんと守ってね」
そう言って、師匠は、旅人さんに向かって杖を構えました。
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