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第二章

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 逞しい腕に抱かれて、アシュリーの心臓が飛び出しそうなくらい、大きく跳ねる。

「っぁ……ふ、ぁ……」

 ヴィルヘルムの指先が腹部を辿り、控えめな胸を捉えた。大きな手のひらに膨らみを覆われ、撫でるように愛撫される。
 襲ってくる快楽から逃げようと後退りしたくとも、背後にはヴィルヘルムの体がある。前に逃げようとも、回された腕がそれを邪魔して逃げることはできない。

「ゃ、あっ……ぁ、んん……っ」

 ヴィルヘルムの手袋に包まれた指先が意図を持って、赤く色付いた胸の先端を押し潰す。そこはツンと起ち上がり、触れられるたびに新たな快楽を生み出した。

「ふ、ぁあ……」

 肩に重みができたと思ったら、ヴィルヘルムが肩口に顔を埋めていた。吸い付かれると、少しの痛みが走る。

「白くて、柔らかくて……女性の体はこんなに甘いものなのか。……それとも、あなただからか」
「んっ」
「ああ、だが、ここは硬くなっている」
「っや、ひ、ぁんっ」

 楽しげに囁くヴィルヘルムの指先に胸の突起をつまみ上げられ、アシュリーの口から甘い悲鳴が上がった。
 くにくにと先端を弄られる。それだけでも熱は上がって気持ち良さが増していく一方なのに、未だに触れられていなかったもう片方の膨らみを大きな手のひらで包み込んで揉まれたら、腰がふるりと揺れた。
 ささやかな膨らみは、ヴィルヘルムが指に力を込めるとその手の中で厭らしく形を変える。

「ヴィル、ヘルム、さまぁ……胸、あんまり触らないで、くださ……んん……ッ」

 訴えかけながら、心中、アシュリーとしては気が気ではなかった。
 胸があまり大きくないことを気にしているので、彼の手にすっぽりと収まってしまう自身の胸は触り甲斐がないだろうと思ったからだ。

「……理由を教えてくれたら、考えよう」
「ぁあ……ッ」

 ヴィルヘルムの返事は、少し間があってから返ってきた。その言葉通り理由を言うまでは止めるつもりがないらしく、胸の先端に爪を立てられ、耳朶を甘噛みされる。与えられた刺激に、びくん、とアシュリーの背中に快楽が走った。
 生暖かい舌が耳の形に沿って這わされる。
 アシュリーは震える声で、問われた言葉の答えを口にした。

「……や……小さいから……ぁ……はずかしく、て、だか、ら……っ」
「俺の手の中に収まるちょうどいい大きさで、小さいとは思わない。それにこんなに──」
「ひぁあっ」
「感度がいい」

 恥ずかしさを捨てて理由を口にしたのに、ヴィルヘルムはさらにアシュリーを攻め立ててくる。
 赤くしこった突起をこねくられるように愛撫されると、堪らなかった。
 思わず身動ぐと、片手がアシュリーの輪郭を捉える。引き寄せられ、頭だけ後ろを向かされると口付けられた。

「あ……ん、ん」

 慣れない口付けと絶えず与えられる素肌への刺激にアシュリーの体から力が抜けていく。
 再びベッドへ横にさせられると、ヴィルヘルムが覆い被さってきた。目が合って、その視線の熱に心臓がどくんと高鳴る。
 そっと瞼を下ろすと、優しくくちびる同士が触れ合った。軽く触れたあとリップ音を立てて離れると、くちびるはゆっくりと下降していく。

「は……ぁ、あ……んっ」

 首筋に吸い付かれて、鎖骨を熱い舌がなぞる。
 そして突起を指先で弄られているのとは逆の胸に辿り着くと、先端にくちびるが触れた。
 硬くなったそこを、今度はくちびるで責められる。吸われたかと思ったら熱く濡れた舌に突かれ、舐められた。ちろちろと赤い舌がアシュリーの胸を愛撫する。

「あっ……あ、ぁ……っ」

 そうして触れられていると、下腹部がじんじんと疼いて、思わず腰が揺れてしまう。
 気付かれまいと隠すように内股を摺り寄せたが、密着しているためヴィルヘルムにアシュリーの動きはすぐに気付かれてしまった。
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