29 / 64
第二章
(17)※
しおりを挟む
逞しい腕に抱かれて、アシュリーの心臓が飛び出しそうなくらい、大きく跳ねる。
「っぁ……ふ、ぁ……」
ヴィルヘルムの指先が腹部を辿り、控えめな胸を捉えた。大きな手のひらに膨らみを覆われ、撫でるように愛撫される。
襲ってくる快楽から逃げようと後退りしたくとも、背後にはヴィルヘルムの体がある。前に逃げようとも、回された腕がそれを邪魔して逃げることはできない。
「ゃ、あっ……ぁ、んん……っ」
ヴィルヘルムの手袋に包まれた指先が意図を持って、赤く色付いた胸の先端を押し潰す。そこはツンと起ち上がり、触れられるたびに新たな快楽を生み出した。
「ふ、ぁあ……」
肩に重みができたと思ったら、ヴィルヘルムが肩口に顔を埋めていた。吸い付かれると、少しの痛みが走る。
「白くて、柔らかくて……女性の体はこんなに甘いものなのか。……それとも、あなただからか」
「んっ」
「ああ、だが、ここは硬くなっている」
「っや、ひ、ぁんっ」
楽しげに囁くヴィルヘルムの指先に胸の突起をつまみ上げられ、アシュリーの口から甘い悲鳴が上がった。
くにくにと先端を弄られる。それだけでも熱は上がって気持ち良さが増していく一方なのに、未だに触れられていなかったもう片方の膨らみを大きな手のひらで包み込んで揉まれたら、腰がふるりと揺れた。
ささやかな膨らみは、ヴィルヘルムが指に力を込めるとその手の中で厭らしく形を変える。
「ヴィル、ヘルム、さまぁ……胸、あんまり触らないで、くださ……んん……ッ」
訴えかけながら、心中、アシュリーとしては気が気ではなかった。
胸があまり大きくないことを気にしているので、彼の手にすっぽりと収まってしまう自身の胸は触り甲斐がないだろうと思ったからだ。
「……理由を教えてくれたら、考えよう」
「ぁあ……ッ」
ヴィルヘルムの返事は、少し間があってから返ってきた。その言葉通り理由を言うまでは止めるつもりがないらしく、胸の先端に爪を立てられ、耳朶を甘噛みされる。与えられた刺激に、びくん、とアシュリーの背中に快楽が走った。
生暖かい舌が耳の形に沿って這わされる。
アシュリーは震える声で、問われた言葉の答えを口にした。
「……や……小さいから……ぁ……はずかしく、て、だか、ら……っ」
「俺の手の中に収まるちょうどいい大きさで、小さいとは思わない。それにこんなに──」
「ひぁあっ」
「感度がいい」
恥ずかしさを捨てて理由を口にしたのに、ヴィルヘルムはさらにアシュリーを攻め立ててくる。
赤くしこった突起をこねくられるように愛撫されると、堪らなかった。
思わず身動ぐと、片手がアシュリーの輪郭を捉える。引き寄せられ、頭だけ後ろを向かされると口付けられた。
「あ……ん、ん」
慣れない口付けと絶えず与えられる素肌への刺激にアシュリーの体から力が抜けていく。
再びベッドへ横にさせられると、ヴィルヘルムが覆い被さってきた。目が合って、その視線の熱に心臓がどくんと高鳴る。
そっと瞼を下ろすと、優しくくちびる同士が触れ合った。軽く触れたあとリップ音を立てて離れると、くちびるはゆっくりと下降していく。
「は……ぁ、あ……んっ」
首筋に吸い付かれて、鎖骨を熱い舌がなぞる。
そして突起を指先で弄られているのとは逆の胸に辿り着くと、先端にくちびるが触れた。
硬くなったそこを、今度はくちびるで責められる。吸われたかと思ったら熱く濡れた舌に突かれ、舐められた。ちろちろと赤い舌がアシュリーの胸を愛撫する。
「あっ……あ、ぁ……っ」
そうして触れられていると、下腹部がじんじんと疼いて、思わず腰が揺れてしまう。
気付かれまいと隠すように内股を摺り寄せたが、密着しているためヴィルヘルムにアシュリーの動きはすぐに気付かれてしまった。
「っぁ……ふ、ぁ……」
ヴィルヘルムの指先が腹部を辿り、控えめな胸を捉えた。大きな手のひらに膨らみを覆われ、撫でるように愛撫される。
襲ってくる快楽から逃げようと後退りしたくとも、背後にはヴィルヘルムの体がある。前に逃げようとも、回された腕がそれを邪魔して逃げることはできない。
「ゃ、あっ……ぁ、んん……っ」
ヴィルヘルムの手袋に包まれた指先が意図を持って、赤く色付いた胸の先端を押し潰す。そこはツンと起ち上がり、触れられるたびに新たな快楽を生み出した。
「ふ、ぁあ……」
肩に重みができたと思ったら、ヴィルヘルムが肩口に顔を埋めていた。吸い付かれると、少しの痛みが走る。
「白くて、柔らかくて……女性の体はこんなに甘いものなのか。……それとも、あなただからか」
「んっ」
「ああ、だが、ここは硬くなっている」
「っや、ひ、ぁんっ」
楽しげに囁くヴィルヘルムの指先に胸の突起をつまみ上げられ、アシュリーの口から甘い悲鳴が上がった。
くにくにと先端を弄られる。それだけでも熱は上がって気持ち良さが増していく一方なのに、未だに触れられていなかったもう片方の膨らみを大きな手のひらで包み込んで揉まれたら、腰がふるりと揺れた。
ささやかな膨らみは、ヴィルヘルムが指に力を込めるとその手の中で厭らしく形を変える。
「ヴィル、ヘルム、さまぁ……胸、あんまり触らないで、くださ……んん……ッ」
訴えかけながら、心中、アシュリーとしては気が気ではなかった。
胸があまり大きくないことを気にしているので、彼の手にすっぽりと収まってしまう自身の胸は触り甲斐がないだろうと思ったからだ。
「……理由を教えてくれたら、考えよう」
「ぁあ……ッ」
ヴィルヘルムの返事は、少し間があってから返ってきた。その言葉通り理由を言うまでは止めるつもりがないらしく、胸の先端に爪を立てられ、耳朶を甘噛みされる。与えられた刺激に、びくん、とアシュリーの背中に快楽が走った。
生暖かい舌が耳の形に沿って這わされる。
アシュリーは震える声で、問われた言葉の答えを口にした。
「……や……小さいから……ぁ……はずかしく、て、だか、ら……っ」
「俺の手の中に収まるちょうどいい大きさで、小さいとは思わない。それにこんなに──」
「ひぁあっ」
「感度がいい」
恥ずかしさを捨てて理由を口にしたのに、ヴィルヘルムはさらにアシュリーを攻め立ててくる。
赤くしこった突起をこねくられるように愛撫されると、堪らなかった。
思わず身動ぐと、片手がアシュリーの輪郭を捉える。引き寄せられ、頭だけ後ろを向かされると口付けられた。
「あ……ん、ん」
慣れない口付けと絶えず与えられる素肌への刺激にアシュリーの体から力が抜けていく。
再びベッドへ横にさせられると、ヴィルヘルムが覆い被さってきた。目が合って、その視線の熱に心臓がどくんと高鳴る。
そっと瞼を下ろすと、優しくくちびる同士が触れ合った。軽く触れたあとリップ音を立てて離れると、くちびるはゆっくりと下降していく。
「は……ぁ、あ……んっ」
首筋に吸い付かれて、鎖骨を熱い舌がなぞる。
そして突起を指先で弄られているのとは逆の胸に辿り着くと、先端にくちびるが触れた。
硬くなったそこを、今度はくちびるで責められる。吸われたかと思ったら熱く濡れた舌に突かれ、舐められた。ちろちろと赤い舌がアシュリーの胸を愛撫する。
「あっ……あ、ぁ……っ」
そうして触れられていると、下腹部がじんじんと疼いて、思わず腰が揺れてしまう。
気付かれまいと隠すように内股を摺り寄せたが、密着しているためヴィルヘルムにアシュリーの動きはすぐに気付かれてしまった。
2
お気に入りに追加
3,409
あなたにおすすめの小説
悪役令嬢なのに王子の慰み者になってしまい、断罪が行われません
青の雀
恋愛
公爵令嬢エリーゼは、王立学園の3年生、あるとき不注意からか階段から転落してしまい、前世やりこんでいた乙女ゲームの中に転生してしまったことに気づく
でも、実際はヒロインから突き落とされてしまったのだ。その現場をたまたま見ていた婚約者の王子から溺愛されるようになり、ついにはカラダの関係にまで発展してしまう
この乙女ゲームは、悪役令嬢はバッドエンドの道しかなく、最後は必ずギロチンで絶命するのだが、王子様の慰み者になってから、どんどんストーリーが変わっていくのは、いいことなはずなのに、エリーゼは、いつか処刑される運命だと諦めて……、その表情が王子の心を煽り、王子はますますエリーゼに執着して、溺愛していく
そしてなぜかヒロインも姿を消していく
ほとんどエッチシーンばかりになるかも?
箱入り令嬢と秘蜜の遊戯 -無垢な令嬢は王太子の溺愛で甘く蕩ける-
瀬月 ゆな
恋愛
「二人だけの秘密だよ」
伯爵家令嬢フィオレンツィアは、二歳年上の婚約者である王太子アドルフォードを子供の頃から「お兄様」と呼んで慕っている。
大人たちには秘密で口づけを交わし、素肌を曝し、まだ身体の交わりこそはないけれど身も心も離れられなくなって行く。
だけどせっかく社交界へのデビューを果たしたのに、アドルフォードはフィオレンツィアが夜会に出ることにあまり良い顔をしない。
そうして、従姉の振りをして一人こっそりと列席した夜会で、他の令嬢と親しそうに接するアドルフォードを見てしまい――。
「君の身体は誰のものなのか散々教え込んだつもりでいたけれど、まだ躾けが足りなかったかな」
第14回恋愛小説大賞にエントリーしています。
もしも気に入って下さったなら応援投票して下さると嬉しいです!
表紙には灰梅由雪様(https://twitter.com/haiumeyoshiyuki)が描いて下さったイラストを使用させていただいております。
☆エピソード完結型の連載として公開していた同タイトルの作品を元に、一つの話に再構築したものです。
完全に独立した全く別の話になっていますので、こちらだけでもお楽しみいただけると思います。
サブタイトルの後に「☆」マークがついている話にはR18描写が含まれますが、挿入シーン自体は最後の方にしかありません。
「★」マークがついている話はヒーロー視点です。
「ムーンライトノベルズ」様でも公開しています。
気が付いたら乙女ゲームのヒロインとして監禁エンドを迎えていますが、推しキャラなので問題ないですね
秋月朔夕
恋愛
気が付いたら乙女ゲームのヒロインとして監禁エンドを迎えていた。
けれどその相手が前世で推していたユリウスであったことから、リーシャは心から歓喜する。その様子を目の当たりにした彼は何やら誤解しているようで……
【完結】王宮の飯炊き女ですが、強面の皇帝が私をオカズにしてるって本当ですか?
おのまとぺ
恋愛
オリヴィアはエーデルフィア帝国の王宮で料理人として勤務している。ある日、皇帝ネロが食堂に忘れていた指輪を部屋まで届けた際、オリヴィアは自分の名前を呼びながら自身を慰めるネロの姿を目にしてしまう。
オリヴィアに目撃されたことに気付いたネロは、彼のプライベートな時間を手伝ってほしいと申し出てきて…
◇飯炊き女が皇帝の夜をサポートする話
◇皇帝はちょっと(かなり)特殊な性癖を持ちます
◇IQを落として読むこと推奨
◇表紙はAI出力。他サイトにも掲載しています
一宿一飯の恩義で竜伯爵様に抱かれたら、なぜか監禁されちゃいました!
当麻月菜
恋愛
宮坂 朱音(みやさか あかね)は、電車に跳ねられる寸前に異世界転移した。そして異世界人を保護する役目を担う竜伯爵の元でお世話になることになった。
しかしある日の晩、竜伯爵当主であり、朱音の保護者であり、ひそかに恋心を抱いているデュアロスが瀕死の状態で屋敷に戻ってきた。
彼は強い媚薬を盛られて苦しんでいたのだ。
このまま一晩ナニをしなければ、死んでしまうと知って、朱音は一宿一飯の恩義と、淡い恋心からデュアロスにその身を捧げた。
しかしそこから、なぜだかわからないけれど監禁生活が始まってしまい……。
好きだからこそ身を捧げた異世界女性と、強い覚悟を持って異世界女性を抱いた男が異世界婚をするまでの、しょーもないアレコレですれ違う二人の恋のおはなし。
※いつもコメントありがとうございます!現在、返信が遅れて申し訳ありません(o*。_。)oペコッ 甘口も辛口もどれもありがたく読ませていただいてます(*´ω`*)
※他のサイトにも重複投稿しています。
異世界は『一妻多夫制』!?溺愛にすら免疫がない私にたくさんの夫は無理です!?
すずなり。
恋愛
ひょんなことから異世界で赤ちゃんに生まれ変わった私。
一人の男の人に拾われて育ててもらうけど・・・成人するくらいから回りがなんだかおかしなことに・・・。
「俺とデートしない?」
「僕と一緒にいようよ。」
「俺だけがお前を守れる。」
(なんでそんなことを私にばっかり言うの!?)
そんなことを思ってる時、父親である『シャガ』が口を開いた。
「何言ってんだ?この世界は男が多くて女が少ない。たくさん子供を産んでもらうために、何人とでも結婚していいんだぞ?」
「・・・・へ!?」
『一妻多夫制』の世界で私はどうなるの!?
※お話は全て想像の世界になります。現実世界とはなんの関係もありません。
※誤字脱字・表現不足は重々承知しております。日々精進いたしますのでご容赦ください。
ただただ暇つぶしに楽しんでいただけると幸いです。すずなり。
大嫌いな次期騎士団長に嫁いだら、激しすぎる初夜が待っていました
扇 レンナ
恋愛
旧題:宿敵だと思っていた男に溺愛されて、毎日のように求められているんですが!?
*こちらは【明石 唯加】名義のアカウントで掲載していたものです。書籍化にあたり、こちらに転載しております。また、こちらのアカウントに転載することに関しては担当編集さまから許可をいただいておりますので、問題ありません。
――
ウィテカー王国の西の辺境を守る二つの伯爵家、コナハン家とフォレスター家は長年に渡りいがみ合ってきた。
そんな現状に焦りを抱いた王家は、二つの伯爵家に和解を求め、王命での結婚を命じる。
その結果、フォレスター伯爵家の長女メアリーはコナハン伯爵家に嫁入りすることが決まった。
結婚相手はコナハン家の長男シリル。クールに見える外見と辺境騎士団の次期団長という肩書きから女性人気がとても高い男性。
が、メアリーはそんなシリルが実は大嫌い。
彼はクールなのではなく、大層傲慢なだけ。それを知っているからだ。
しかし、王命には逆らえない。そのため、メアリーは渋々シリルの元に嫁ぐことに。
どうせ愛し愛されるような素敵な関係にはなれるわけがない。
そう考えるメアリーを他所に、シリルは初夜からメアリーを強く求めてくる。
――もしかして、これは嫌がらせ?
メアリーはシリルの態度をそう受け取り、頑なに彼を拒絶しようとするが――……。
「誰がお前に嫌がらせなんかするかよ」
どうやら、彼には全く別の思惑があるらしく……?
*WEB版表紙イラストはみどりのバクさまに有償にて描いていただいたものです。転載等は禁止です。
身代わり婚~暴君と呼ばれる辺境伯に拒絶された仮初の花嫁
結城芙由奈
恋愛
【決してご迷惑はお掛けしません。どうか私をここに置いて頂けませんか?】
妾腹の娘として厄介者扱いを受けていたアリアドネは姉の身代わりとして暴君として名高い辺境伯に嫁がされる。結婚すれば幸せになれるかもしれないと淡い期待を抱いていたのも束の間。望まぬ花嫁を押し付けられたとして夫となるべく辺境伯に初対面で冷たい言葉を投げつけらた。さらに城から追い出されそうになるものの、ある人物に救われて下働きとして置いてもらえる事になるのだった―。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる