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第二章 神の手に阻まれる幼き日の夢
第52話
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「何か、ヤバいの居るな」
ローブスは呟く。
ローブスはフーズ、ケイトと共に遠方からアイビス達の戦闘を見ていた。そして突如現れた新手の霊獣に驚きを隠せないでいた。
「ふむ。 あの様な種は見た事が無いのぉ」
「な! フーズさんでも知らないのかよ!」
長く砂漠で暮らし、数多の霊獣を見て来たフーズですら、あの霊獣についての知識は無かった。
「しかもありゃあ、強いな」
そして驚くべきはその強さ。ローブスはカルロとアイビスの戦力をその目で確認し、何よりも信頼していた。その二人の攻撃を、軽々とあしらったのだ。ただの霊獣が、である。
「そんな、やばいのか?」
「いや、カルロの方が強い。 アイビスは、もっと強いさ。 だが、得体が知れん」
ローブスは違和感を覚えていた。他の霊獣を簡単に葬ってしまう一撃の威力、そして異質な行動。他の霊獣が、何かに操られているかの様にただ前進するだけの単純な行動を続ける中、その霊獣だけは自由意志によって行動している様に見える。
「じゃが、今私達には何も出来ん。 信じよう」
「あぁ」
フーズの言葉に、ローブスは冷静さを取り戻す。アイビス、カルロの二人がこの村の最高戦力である。彼らに討伐が困難であれば、この村にあの霊獣を狩れる者は居ない。
「頼むぜ、カルロ、アイビス」
「火は出せるのになぁ、うーん……」
ハルはなおも木の生成に苦戦していた。
すると、前方で霊獣と戦う二人に何やら異変が起きる。
「行ってくる」
カルロと短いやり取りをした後、アイビスが群れの方へと駆け出したのだ。
「ア、アイビスさん??」
何かが起きている。しかし、ハルにそれを確かめる術は無い。
「木だ。 木を出してよ! 早く!!」
ハルは意識を集中する。
「火は可燃物と酸素、そこに熱が加わって生じる現象。 木は? ……木は……どうやったら育つ?」
「ここまで来たら十分か」
アイビスは積み上げられた霊獣の骸の上に立つ。ターゲットの霊獣を目視で観察出来るところまで接近すると、自身の守護霊へと呼び掛けた。
───バリッバリバリッ
「……負けるなよ。 行け!」
漆黒の守護霊は、迸る閃光と耳障りな破裂音を置き去りに跳躍する。
獲物と認識していた守護霊を見失った事で、霊獣は僅かに動きが停止する。漆黒の守護霊は、落下の勢いそのままに霊獣の脳天を強かに叩いた。
「硬いな」
攻撃の衝撃により、辺りの砂が巻き上げられる。視界が遮られても、アイビスの霊視は誤魔化せない。砂に埋もれた霊獣はしかし、その原型を維持したままゆっくりと身体を起こした。
それを見たアイビスは俄には信じられなかったが、霊獣は攻撃を受ける直前に両腕を上げ、頭部への攻撃をガードしたのだ。
───バリッ
「行け」
霊視により正確に霊獣の位置を捉え、アイビスは守護霊を操る。漆黒の守護霊は起き上がったばかりの霊獣に追撃を加える。
「借りを返すぞ」
守護霊は強く握った拳を霊獣の腹部に叩き込む。攻撃を受けた霊獣は、打撃の衝撃で数メートル後方へと身を投げた。
「ふん。 直撃してもこれか」
霊獣はまたも起き上がる。
「何発耐えれるか。 根性見せろよ」
アイビスは痛む腹部に何か熱いものを覚えた。
「ガゼルっ! くそ、一人じゃ手が回らねぇぞ!」
カルロは吠える。
アイビスは新手の霊獣の討伐のため、一人群れの方へと向かった。一騎討ちに集中しているであろう彼は、その他の霊獣の事など視界に入れていないだろう。カルロは一人で霊獣の群れを止めなければならない。
「……ヤバい! ガゼル!」
そして遂に、一匹のナーゲルが肉の壁を乗り越えた。体長二メートル近い体躯をした霊獣が高速で接近して来る。
カルロは咄嗟に守護霊を操り追撃を掛けるが、間に合わない。
「こうなったら一旦戻して……」
カルロは守護霊を一旦消し、自身の元に呼び戻そうかと考える。しかし、その必要は無かった。
「ブルー、《木の鞭》!」
カルロの後方から声がする。すると、接近するナーゲルの足元から突如木が芽生え、その身体を絡め取った。カルロの目前、数メートルまで肉薄したナーゲルは、木の幹に取り込まれていき、やがて絶命する。
「ハル……! ガゼル!」
カルロは再度霊獣の群れに意識を戻し、残る霊獣を殲滅した。
「おいやったな、ハル! やるじゃねぇか!」
「はい!」
ハルは土壇場で木属性の駆霊術を獲得していた。
「掴んだみてぇだな」
「はい。 可燃物が燃焼するメカニズムがある様に、木にも成長のメカニズムがある事に気付いたんです!」
「そうか、よく分からんが、助かったぜ」
言いながら、カルロはハルの肩を叩く。
「雑魚は片付いたし、俺達も行くぞ。 ヤバいのが居る」
「ヤバいの、ですか?」
「説明は後だ。 アイビスが止めてる、加勢するぞ」
ローブスは呟く。
ローブスはフーズ、ケイトと共に遠方からアイビス達の戦闘を見ていた。そして突如現れた新手の霊獣に驚きを隠せないでいた。
「ふむ。 あの様な種は見た事が無いのぉ」
「な! フーズさんでも知らないのかよ!」
長く砂漠で暮らし、数多の霊獣を見て来たフーズですら、あの霊獣についての知識は無かった。
「しかもありゃあ、強いな」
そして驚くべきはその強さ。ローブスはカルロとアイビスの戦力をその目で確認し、何よりも信頼していた。その二人の攻撃を、軽々とあしらったのだ。ただの霊獣が、である。
「そんな、やばいのか?」
「いや、カルロの方が強い。 アイビスは、もっと強いさ。 だが、得体が知れん」
ローブスは違和感を覚えていた。他の霊獣を簡単に葬ってしまう一撃の威力、そして異質な行動。他の霊獣が、何かに操られているかの様にただ前進するだけの単純な行動を続ける中、その霊獣だけは自由意志によって行動している様に見える。
「じゃが、今私達には何も出来ん。 信じよう」
「あぁ」
フーズの言葉に、ローブスは冷静さを取り戻す。アイビス、カルロの二人がこの村の最高戦力である。彼らに討伐が困難であれば、この村にあの霊獣を狩れる者は居ない。
「頼むぜ、カルロ、アイビス」
「火は出せるのになぁ、うーん……」
ハルはなおも木の生成に苦戦していた。
すると、前方で霊獣と戦う二人に何やら異変が起きる。
「行ってくる」
カルロと短いやり取りをした後、アイビスが群れの方へと駆け出したのだ。
「ア、アイビスさん??」
何かが起きている。しかし、ハルにそれを確かめる術は無い。
「木だ。 木を出してよ! 早く!!」
ハルは意識を集中する。
「火は可燃物と酸素、そこに熱が加わって生じる現象。 木は? ……木は……どうやったら育つ?」
「ここまで来たら十分か」
アイビスは積み上げられた霊獣の骸の上に立つ。ターゲットの霊獣を目視で観察出来るところまで接近すると、自身の守護霊へと呼び掛けた。
───バリッバリバリッ
「……負けるなよ。 行け!」
漆黒の守護霊は、迸る閃光と耳障りな破裂音を置き去りに跳躍する。
獲物と認識していた守護霊を見失った事で、霊獣は僅かに動きが停止する。漆黒の守護霊は、落下の勢いそのままに霊獣の脳天を強かに叩いた。
「硬いな」
攻撃の衝撃により、辺りの砂が巻き上げられる。視界が遮られても、アイビスの霊視は誤魔化せない。砂に埋もれた霊獣はしかし、その原型を維持したままゆっくりと身体を起こした。
それを見たアイビスは俄には信じられなかったが、霊獣は攻撃を受ける直前に両腕を上げ、頭部への攻撃をガードしたのだ。
───バリッ
「行け」
霊視により正確に霊獣の位置を捉え、アイビスは守護霊を操る。漆黒の守護霊は起き上がったばかりの霊獣に追撃を加える。
「借りを返すぞ」
守護霊は強く握った拳を霊獣の腹部に叩き込む。攻撃を受けた霊獣は、打撃の衝撃で数メートル後方へと身を投げた。
「ふん。 直撃してもこれか」
霊獣はまたも起き上がる。
「何発耐えれるか。 根性見せろよ」
アイビスは痛む腹部に何か熱いものを覚えた。
「ガゼルっ! くそ、一人じゃ手が回らねぇぞ!」
カルロは吠える。
アイビスは新手の霊獣の討伐のため、一人群れの方へと向かった。一騎討ちに集中しているであろう彼は、その他の霊獣の事など視界に入れていないだろう。カルロは一人で霊獣の群れを止めなければならない。
「……ヤバい! ガゼル!」
そして遂に、一匹のナーゲルが肉の壁を乗り越えた。体長二メートル近い体躯をした霊獣が高速で接近して来る。
カルロは咄嗟に守護霊を操り追撃を掛けるが、間に合わない。
「こうなったら一旦戻して……」
カルロは守護霊を一旦消し、自身の元に呼び戻そうかと考える。しかし、その必要は無かった。
「ブルー、《木の鞭》!」
カルロの後方から声がする。すると、接近するナーゲルの足元から突如木が芽生え、その身体を絡め取った。カルロの目前、数メートルまで肉薄したナーゲルは、木の幹に取り込まれていき、やがて絶命する。
「ハル……! ガゼル!」
カルロは再度霊獣の群れに意識を戻し、残る霊獣を殲滅した。
「おいやったな、ハル! やるじゃねぇか!」
「はい!」
ハルは土壇場で木属性の駆霊術を獲得していた。
「掴んだみてぇだな」
「はい。 可燃物が燃焼するメカニズムがある様に、木にも成長のメカニズムがある事に気付いたんです!」
「そうか、よく分からんが、助かったぜ」
言いながら、カルロはハルの肩を叩く。
「雑魚は片付いたし、俺達も行くぞ。 ヤバいのが居る」
「ヤバいの、ですか?」
「説明は後だ。 アイビスが止めてる、加勢するぞ」
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