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第二章 神の手に阻まれる幼き日の夢
第27話
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「……見えたか?」
ローブスはカルロに視線を送る。
「”賊”ですな。 どうしやす? このまま進むと鉢合わせますぜ」
「賊ですか!?」
「あぁ。 別に珍しい事じゃねぇ。 砂漠は無法地帯だからな」
カルロは自身の前に召喚した守護霊の目を通して、遥か遠方の様子を窺う。
そこに在るのは複数の人影。それらは二組に分かれ、互いに攻撃し合っている。
一方は身なりの整った集団。ローブスの物と似た造りの荷車を引いている。
他方はボロ切れを身体に巻き付けたような身なりの集団。統率の取れた動きから察するに、砂漠を通る商人を襲う賊であろう。
ハルはカルロの言葉を聞き、驚く。街育ちの人間からすれば、こんな砂漠で───賊とはいえ───人が生きている事が信じられないのだ。
「状況は?」
「見た所、襲われてるのは一般人ですな。 十人以上の賊に対したったの二人でよく持ち堪えている。 けど時間の問題でしょうな。 俺達がそこに着くまでに二人共死ぬでしょう」
雇い主の質問に対し、スキンヘッドの用心棒は所感を述べた。
それを聞いたローブスは、返答の決まった質問を彼に投げ掛ける。
「……お前なら勝てそうか?」
ローブスは用心棒の意見を仰ぐ。
対人戦闘は彼の本業だ。
「一分あれば」
「よし、行くぞ! ”グリード”」
そう宣言するなり、ローブスは自身の守護霊を召喚し、荷車を引かせる。そして全速力で戦いの渦中へと直進し始めた。
「頭、車なら俺が引きますぜ」
「いいや、お前は温存だ。 戦いに備えろ!」
ローブスは冷徹な商人の一面と、人を助ける人情を併せ持つ男である。
そんな雇い主に呆れつつ、それ以上の信頼でもって彼の指令を全うすべく、カルロは静かに身構える。
「ハルは下がってろよ! アイビス! 起きろ!」
「……」
アイビスと呼ばれた青年は、揺れる荷台で器用に寝返りをうっていた。
「おいアイビス!」
「いざとなったら、僕が出ます!」
「良いからお前は下がってろ!」
ハルは意気込むが、ローブスはその景色をまだ幼いハルに見せるつもりは無かった。
「じゃ、行ってくるぜ」
言って、カルロは守護霊と共に荷車から飛び降りる。
既に周囲には血の匂いが漂っている。
「……間に合わなかったか」
ローブスは状況を理解し、呟く。
そこには二台の荷車。
それを取り囲むようにして小汚いなりの賊が十数名。
「天威無崩》」
戦闘後の興奮状態にあった彼らは、新手の介入に嬉々として攻撃を仕掛ける
「「「《鉄の矢》!!」」」
「《短剣》」
賊の守護霊が放つ金属の矢を、カルロは守護霊の手元に剣を召喚し払いのける。
そして背後の雇い主へと声を掛ける。
「頭、結界は三枚、きっちり守って下せぇよ」
「あぁ任せろ! 《三重の盾》!」
「今日は大漁だ! お前らやっちまえ!!」
賊の頭目らしき男が配下に檄を飛ばす。すると賊の放つ矢の数が増す。
「”ガゼル”!」
雇い主が身の安全を確保した事を確認すると、カルロは一気に攻勢に出る。
賊の矢はガゼルの剣に撃ち落とされ、届かない。一方で、ガゼルは賊に接近するとすれ違い様に斬りつけていく。
「車はいい! あのゴツイのを囲め!!」
賊の頭目が再度檄を飛ばす。
「野郎ども! コイツを俺が抑えている間に……!」
しかし、その声に応える者はいない。
「あぁ、言っとくが」
カルロは憐れみを込めて呟く。
「お前が最後だ」
頭目はカルロの言葉を理解していない。
カルロの守護霊、ガゼルは、短剣を使用し戦っていた。その攻撃に派手さは無い。しかし、ガゼルは最小限の動作で的確に賊の守護霊の急所を突いていた。
その鮮やかさは、攻撃を受けた賊自身が致命傷に気付かない程であった。
「なっ……!」
カルロの言葉の後、突如として賊の男達がばたばたと砂の大地に倒れ伏していく。
「あばよ」
カルロの言葉と共に、ガゼルは剣を振り下ろして頭目の頭を二つに割った。
賊を片づけたカルロは襲われた荷車の中を覗く。
「……全滅だな」
そしてそこに生存者は居なかった。
荷車の御者、護衛の用心棒、雇い主と思われる行商人らしき男、全員が既に息絶えている。
彼らの身体に刻まれた深い傷跡は、賊が丁寧に殺して回った事を物語っていた。
「なら仕方ねぇ。 回収だけして行くぞ」
「ふん、どっちが賊か分かったもんじゃないな」
カルロに指示を出すローブスに対し、いつも間にか目を覚ましていたアイビスは悪態をつく。
「目覚めの一言がそれか?」
「なに、褒めてるんだ。 流石は商人様だ、ってな」
「……減らず口を」
ローブスは、冷徹と人情を併せ持つ。
間に合えば助けるが、そうでなければ戦利品は有効活用する。
ここで言う戦利品とは、持ち主の居なくなった商品の事である。
砂漠は無法地帯。商品の出所を洗う事など出来ない上に、放っておけば風化するだけである。
「宝石とか美術品だと良いんだけどな」
睨み合う二人を他所に、カルロは自身の希望を述べる。
どうせ荷物を増やすなら、高額で換金出来る物が望ましい。
そして一際大きな木箱に手を掛けたカルロは、その中身を確認して絶句する。
「どうした?」
ローブスが荷車に乗り込み、カルロの肩口から覗き込む。
「これは……」
そして同じく絶句する。
この時、アイビスは荷車の外に居る。
しかし、彼には見えていた。
「本当に、誰が賊か分かったもんじゃないな」
そこには両手を枷で拘束された二人の少女がいた。
ローブスはカルロに視線を送る。
「”賊”ですな。 どうしやす? このまま進むと鉢合わせますぜ」
「賊ですか!?」
「あぁ。 別に珍しい事じゃねぇ。 砂漠は無法地帯だからな」
カルロは自身の前に召喚した守護霊の目を通して、遥か遠方の様子を窺う。
そこに在るのは複数の人影。それらは二組に分かれ、互いに攻撃し合っている。
一方は身なりの整った集団。ローブスの物と似た造りの荷車を引いている。
他方はボロ切れを身体に巻き付けたような身なりの集団。統率の取れた動きから察するに、砂漠を通る商人を襲う賊であろう。
ハルはカルロの言葉を聞き、驚く。街育ちの人間からすれば、こんな砂漠で───賊とはいえ───人が生きている事が信じられないのだ。
「状況は?」
「見た所、襲われてるのは一般人ですな。 十人以上の賊に対したったの二人でよく持ち堪えている。 けど時間の問題でしょうな。 俺達がそこに着くまでに二人共死ぬでしょう」
雇い主の質問に対し、スキンヘッドの用心棒は所感を述べた。
それを聞いたローブスは、返答の決まった質問を彼に投げ掛ける。
「……お前なら勝てそうか?」
ローブスは用心棒の意見を仰ぐ。
対人戦闘は彼の本業だ。
「一分あれば」
「よし、行くぞ! ”グリード”」
そう宣言するなり、ローブスは自身の守護霊を召喚し、荷車を引かせる。そして全速力で戦いの渦中へと直進し始めた。
「頭、車なら俺が引きますぜ」
「いいや、お前は温存だ。 戦いに備えろ!」
ローブスは冷徹な商人の一面と、人を助ける人情を併せ持つ男である。
そんな雇い主に呆れつつ、それ以上の信頼でもって彼の指令を全うすべく、カルロは静かに身構える。
「ハルは下がってろよ! アイビス! 起きろ!」
「……」
アイビスと呼ばれた青年は、揺れる荷台で器用に寝返りをうっていた。
「おいアイビス!」
「いざとなったら、僕が出ます!」
「良いからお前は下がってろ!」
ハルは意気込むが、ローブスはその景色をまだ幼いハルに見せるつもりは無かった。
「じゃ、行ってくるぜ」
言って、カルロは守護霊と共に荷車から飛び降りる。
既に周囲には血の匂いが漂っている。
「……間に合わなかったか」
ローブスは状況を理解し、呟く。
そこには二台の荷車。
それを取り囲むようにして小汚いなりの賊が十数名。
「天威無崩》」
戦闘後の興奮状態にあった彼らは、新手の介入に嬉々として攻撃を仕掛ける
「「「《鉄の矢》!!」」」
「《短剣》」
賊の守護霊が放つ金属の矢を、カルロは守護霊の手元に剣を召喚し払いのける。
そして背後の雇い主へと声を掛ける。
「頭、結界は三枚、きっちり守って下せぇよ」
「あぁ任せろ! 《三重の盾》!」
「今日は大漁だ! お前らやっちまえ!!」
賊の頭目らしき男が配下に檄を飛ばす。すると賊の放つ矢の数が増す。
「”ガゼル”!」
雇い主が身の安全を確保した事を確認すると、カルロは一気に攻勢に出る。
賊の矢はガゼルの剣に撃ち落とされ、届かない。一方で、ガゼルは賊に接近するとすれ違い様に斬りつけていく。
「車はいい! あのゴツイのを囲め!!」
賊の頭目が再度檄を飛ばす。
「野郎ども! コイツを俺が抑えている間に……!」
しかし、その声に応える者はいない。
「あぁ、言っとくが」
カルロは憐れみを込めて呟く。
「お前が最後だ」
頭目はカルロの言葉を理解していない。
カルロの守護霊、ガゼルは、短剣を使用し戦っていた。その攻撃に派手さは無い。しかし、ガゼルは最小限の動作で的確に賊の守護霊の急所を突いていた。
その鮮やかさは、攻撃を受けた賊自身が致命傷に気付かない程であった。
「なっ……!」
カルロの言葉の後、突如として賊の男達がばたばたと砂の大地に倒れ伏していく。
「あばよ」
カルロの言葉と共に、ガゼルは剣を振り下ろして頭目の頭を二つに割った。
賊を片づけたカルロは襲われた荷車の中を覗く。
「……全滅だな」
そしてそこに生存者は居なかった。
荷車の御者、護衛の用心棒、雇い主と思われる行商人らしき男、全員が既に息絶えている。
彼らの身体に刻まれた深い傷跡は、賊が丁寧に殺して回った事を物語っていた。
「なら仕方ねぇ。 回収だけして行くぞ」
「ふん、どっちが賊か分かったもんじゃないな」
カルロに指示を出すローブスに対し、いつも間にか目を覚ましていたアイビスは悪態をつく。
「目覚めの一言がそれか?」
「なに、褒めてるんだ。 流石は商人様だ、ってな」
「……減らず口を」
ローブスは、冷徹と人情を併せ持つ。
間に合えば助けるが、そうでなければ戦利品は有効活用する。
ここで言う戦利品とは、持ち主の居なくなった商品の事である。
砂漠は無法地帯。商品の出所を洗う事など出来ない上に、放っておけば風化するだけである。
「宝石とか美術品だと良いんだけどな」
睨み合う二人を他所に、カルロは自身の希望を述べる。
どうせ荷物を増やすなら、高額で換金出来る物が望ましい。
そして一際大きな木箱に手を掛けたカルロは、その中身を確認して絶句する。
「どうした?」
ローブスが荷車に乗り込み、カルロの肩口から覗き込む。
「これは……」
そして同じく絶句する。
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